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日本史とともに歩む、京都の神社仏閣 第1弾 

日本史とともに歩む、京都の神社仏閣 第1弾 

 皆さん、こんにちは、こんばんは。本日は円町校の江島が【日本史とともに歩む、京都の神社仏閣】というタイトルでお送りさせていただきます。

京都に数多存在する神社仏閣を、「受験で使える日本史の知識」を交えて紹介していこう!というものです。受験で日本史を使う予定にしている方は、受験勉強にも役立つようにしておりますので、是非ご覧くださいな。

鹿苑寺(金閣)

 室町幕府3代将軍の足利義満が、現在の室町今出川通(京都御所より北西)周辺に、足利将軍家の邸宅を構えていました。花に満ちた美しい庭園から「花の御所」と呼ばれるようになり、足利将軍の全盛期の礎を築くことになります。その別邸として1397年(応永4年)に建てられたのが鹿苑寺(金閣)です。「金閣寺」として知られていますが、本名は「鹿苑寺」なのですよ。全身を金色にまとった舎利殿「金閣」があまりにも有名で、四季折々の表情を見ることが出来るという点でも京都を代表する寺院であることは間違いありません。にもかかわらず、京都市民はあまり足を運ばないという特徴もあります。近すぎてありがたみがわからないのかもしれませんね。

 宗派は「臨済宗相国寺派」という禅宗のお寺なのです(ちなみに相国寺は同志社大学の真横に位置する寺院で、京都五山の第二位に位置するスゴイお寺です)。禅宗になるのは、義満の死後のことで、夢窓疎石という優秀な禅僧が開山し、その時に鹿苑寺という名を受けています。内部構造としては、3階が禅宗様(唐様)、1階はなんと寝殿造という伝統的な建築様式が残っています。応仁の乱で大きなダメージを受け、またさらに1950年の放火で焼失してしまっているので、現存しているものは、創建当時ままというわけではありませんが、それでも1994年に世界遺産として登録されていることからも、やはり京都ナンバーワンの寺院なのではないかと個人的には思っております。最後に、足利義満が中心となる北山文化も覚えておいてくださいね。

北野天満宮(北野天神)

 続いては、北野天満宮です。菅原道真公を御祭神としておまつりする全国約1万2000社の天満宮、天神社の総本社で、九州の太宰府天満宮と並ぶ2大巨頭とされています。地元民からは「天神さん」という愛称で親しまれている由緒ある場所ですが、ここからは菅原道真についてのお勉強に少し付き合いください。

 非常に優れた学者であった菅原道真は、時の天皇、宇多天皇に様々な政策を提案します。あっ、時代は平安時代のころですよ。紀伝道(中国の歴史・文学を学ぶ学問)マスターでもあった彼は、894年、遣唐使(唐に遣いを送り情報交換・文化交換をする使節)の廃止を投げかけます。また、武士の誕生とともにその有用性を見抜き、ボディガードとして滝口の武者という武集団の編成を進言したりと、彼の活躍は留まることを知りませんでした。醍醐天皇へと天皇が変わった後も、右大臣として彼をサポートすることになっていたのですが、時の左大臣、藤原時平という人に恨まれてしまいます。「学者なのに出世しすぎだ」ってね。菅原道真は九州の太宰府に左遷されることになってしまいます(901年、昌泰の変ですね)。道真はその地でなくなってしまうのですが、死後、彼は怨霊として恐れられるようになり、その霊魂を鎮めるために建てられたのが、この北野天満宮なのです。

「学問の神様」として広く信仰されており、毎年たくさんの受験生が、第一志望合格のためこの地を訪れています。また、春には「梅の花」を咲かすことでも有名で、北野天満宮の代名詞的存在にもなっています。道真が、左遷先の地で詠んだ

「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて春な忘れそ」

という歌は、彼の愛した梅の花と故郷の地への想いを感じるものとして有名です。彼の月命日である毎月25日には縁日が開かれるなど、私の幼少期の楽しみの一つでもありました。受験勉強に励む皆様、是非赴き、「学問の神様の力」を感じてみてはいかがでしょうか。

 ちなみに、「北野天満宮か太宰府天満宮のどっちが偉いの?」論争をたまに見かけますが、答えはありません。そもそもこんな議論していることを菅原道真が知れば、きっと悲しまれることでしょうね。

最後に

 次回以降は、紹介できる場所の数を増やせていけたらと思っております。

歴史的背景を学んだうえで、各地を訪れるのも、とっても楽しいですよ。

それでは、本日は以上です。次回もお楽しみに。

投稿者:江島 祥人

  • 役職
    英語科主任/英語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    7年
  • 出身大学
    大阪市立大学経済学部
  • 特技・資格
    特に目立ったものはないです
  • 趣味
    音楽鑑賞
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    武器としての決断思考

受験生への一言
初めて出会う事柄に対して、出来る限り「考えて」みてください。自分の価値観と照らし合わせてみて、ああだこうだと「腑に落ちる」まで考えてはじめてそれが知識となり、皆さんの力となります。