医学部専門予備校の京都医塾です。
以下では、杏林大学医学部2次試験について、ご紹介したいと思います。
2次試験(面接)の日程・試験場について
2023年 2月1日(水)、2月2日(木)のうち、web出願時に受験者の希望を取り、最終的には1次試験合格発表時に大学が指定するとあります。しっかりと日時を確認しましょう。
当日のスケジュール
入室時間 8:00~ 8:20
志願票作成 8:20~ 8:45
受験上の諸注意 8:45~ 9:00
小論文 9:00~10:00(60分)
面 接 10:30~17:00
となっています。なお、面接試験の待ち時間が長い受験生もいるので、防寒対策はしっかり行いましょう。
試験場は、杏林大学三鷹キャンパスです。当日の大学までの経路は事前にしっかりと確認しておきましょう。
杏林大学医学部の小論文について
制限字数:800字
制限時間:60分
形式 : テーマ型小論文
テーマ型小論文で800字を書くためには、受験生に予備知識が求められます。しかし、杏林大学医学部の場合は、知識というよりも思考力や受験生個人の考え方そのものを見ているような気がします。以下で過去問を参照してみましょう。
過去問
- 2015年「うそも方便」という諺について
- 2016年「褒めて育てる」ことについて
- 2017年「人生、思い通りにいかない」について
- 2018年「さわらぬ神にたたりなし」ということについて
「普通に生きる」ということについて
「伝統を守る」ということについて - 2019年「人を評価する」ということについて
「流行を追う」ことについて
「信念を貫く」ということについて - 2020年「自己犠牲」ということについて
「不言実行」ということについて
「弱肉強食」ということについて - 2021年「寛容の精神」について
「リーダーシップ」について - 2022年「組織と個人」について
「妥協する」ということについて
ことわざ、四字熟語(2020年は四字熟語ばかり出題されましたね)、教育、人生哲学とある程度のパターン分けはできますね。これは一体何を書くのでしょうか。一見、医学部の小論文課題には見えないかもしれません。
二次試験会場でこの問題を見た瞬間に頭が真っ白になった方もいるのではないでしょうか。そして、今年も対策不足の受験生は、「何だこれ?」とパニックになってしまい、エッセーもとい単なる作文をただ書き連ねてしまい、採点官のため息を誘うのでしょう。
しかし、そもそも医学部の小論文は何のために書かされているのかということがわかれば、杏林大学医学部の小論文は、方針が立てやすいと思われます。
この小論文を通して、医師への適性が見られているということに考えがいたれば、こんなことを書けばいいのだろうな、と当たりはつけられます。
解答の方針
2015年「うそも方便」という諺について
⇒患者にうそをつく必要がある、という場面を想像してもいいかもしれませんね。
2017年「人生、思い通りにいかない」について
⇒思い通りにいかないんだ、と投げやりになる患者(そして諦める医師?……これはまずいですね。)などを想定して書いても面白いかもしれません。
2020年「不言実行」ということについて
⇒医師には、不言実行していい場面といけない場面がありますね。これを間違えたら医師として問題ありです。
2021年「リーダーシップ」について
⇒もう、そのまんまです。医師にはリーダーシップが必要です。チーム医療というキーワードも使って書きたいところです。
2022年「妥協する」ということについて
⇒人生において妥協を選択したほうが良い場面は存在しますが、医療現場ではどうでしょうか。
杏林大学医学部の面接について
時間:10~15分程度
形式 :個人面接(受験生:1人 面接官:2人)
過去の質問例
- 大学志望理由
- 医師志望理由
- 併願校はどこか
- COVID-19の対策について。
- 入学後、何がしたいか
「私は元気で前向きで何事にも積極的で活発ないい子です。」と、思い込んで明るいビジョンを具体的に話しましょう。
「入学後、何がしたいか」という質問に対して「勉強をしたい」と答える受験生が多いようですが、個人的にはどうなのかなと疑問に思います。大学に入って、勉強するのは当たり前のことです。大学がそんな答えを求めていないことは明白ですし、少なくとも、「コミュニケーション能力がある」ようには思えないですね。
いい例ではありませんが、「休日に何をしますか」という質問に対して、「呼吸して、ご飯食べて、トイレ行きます」と答えているようなものではありませんか。
勉強するうえで、何を目標としているのか、どのようなモチベーションがあるのか、というような、自身の展望を示すような内容を提示できると良いでしょう。
- 患者が指示に従わなかったら、どうしますか。
MMIのような質問です。こちらも、医師として、また社会に羽ばたくものとして模範的な解答が期待されます。
- 医師A(人間性○、技術×)、医師B(人間性×、技術○)がいたとして、どちらか一人を選ばなければならないとしたら、どちらを選ぶか
これにおそらく正解はないでしょう。極端な話ですが人間性だけで技術がない医師Aはやぶ医者でしかありません。一方の技術はあるが人間性に問題がある医師に、患者に寄り添う力があるとは到底思えませんし、全人的医療の理念ともズレています。つまり、どちらを答えても、突っ込みどころはあるのです。
このような質問で重視されるのは、自身のアイデアを端的にまとめ、理路整然と説明できるかどうかになるでしょう。
まずは結論(自分は○○だと思います。)を提示し、その後に根拠を説明することで、聞き手がスムーズに理解しやすい説明になります。思いついたままに話すのではなく、説明の順番なども考えましょう。
- 今後、優秀なAIが医療を行うという人もいるがどう思うか。
「人間にできてAIにできないこと」、逆に「AIにできて人間にできないこと」を考えてみましょう。
- 最近の気になるニュースは何か。
受験生だからニュースを見ている暇はありませんでした……そんな言い訳は通用しません。しかし、京都医塾の塾生ならば大丈夫ですね。毎週配布される『社説集』を読んでいますから。
おわりに
- 小論文では、「医師としてふさわしい見方」を意識しましょう。
- 当日にアンケートを書かされます。内容は医師志望理由、大学志望理由、入学後の抱負など、年度によって若干異なるようです。このあたりの典型的な内容は、しっかり頭に入れておきましょう。
- 面接では、一般的な質問と、MMI的な内容が問われるようです。
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