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東京医科大学医学部 面接と小論文の二次試験対策【2024年】

東京医科大学医学部 面接と小論文の二次試験対策【2024年】

医学部専門予備校の京都医塾です。
このたびは、東京医科大学医学部1次試験合格おめでとうございます。

以下では、東京医科大学医学部2次試験について、ご紹介したいと思います。

東京医科大学医学部の小論文について

制限字数:600字
制限時間:60分
形式 : 課題文型小論文
配点:60点 (配点ありますよ!!)

では、実際に過去問を見てみましょう。

2023年
 この文章は、 18歳のときにハンセン病(文中では「ライ」)と診断され、47歳の
ときにその病気が原因で失明に至った女性が自らの半生を振り返りながら綴った
自伝の一部です。そのなかで、彼女はハンセン病による過酷な経験を経て「ほん
とに真実死に切って」 (下線部)ようやく笑うことができるようになったと述べて
います。ここでの「死に切る」とはどのような意味でしょうか?また、なぜ「死
に切る」ことが笑えるようになることとつながるのでしょうか?これらの点を十
分に説明したうえで、それを踏まえて、あなたは困難な状況におかれた人が笑う
にはどのようなことが必要だと考えたかを600字以内で述べなさい。

 (課題文省略)

⇒何を書けばいいのか困ってしまうかもしれませんね。しかし、東京医科大学は「[小論文]採点基準説明書」を公開しています。それによると、「この問題を通して、(1)他者の語りを受けとめ、その固有の文脈のなかで意味を理解してゆく力と(2)人間の感情や心理に対する豊かな関心にもとづき自らの思考を深めてゆく力の 2 点を評価したい。」とあります。平たく言えば、読解力が必要ということです。

2022年
 下記の文章は、戦後日本を代表する哲学者の一人である鶴見俊輔(1922-2015)が、「よい文章とは何か」について述べたものです。これを読んだうえで、後の問題に答えなさい。

(課題文省略)

問題:まず、あなた自身が「紋切り型でない言葉」を創り出したと思える経験か、または、他者の書いた「紋切り型でない言葉」に出会ったとあなたが思える経験を詳しく具体的に述べなさい。さらに、なぜそれが「紋切り型でない言葉」だといえるのかについて説明しなさい(合わせて600字以内)。

⇒これも何を書けばいいのか困ってしまうかもしれませんね。しかし、東京医科大学は「[小論文]採点基準説明書」によると、出題の狙いは、『文章表現に対する自覚的な意識をもっているか』ということ。つまり、『自分なりの言葉を見つけつつ書く』ことができるかをみているようです。

「ここからが自分の言葉」であることを明確に示す技術を一つ紹介します。それは、「課題文要約」のうえ、「自分の意見」を述べることです。こうすることで、「筆者の意見」と「自分の意見(≒ことば)」が明確に分けられます。

2021年
 次の文章には、若いオスのチンパンジーであるレオの闘病生活が描かれています。この文章を読んだうえで、〈人間が重い病気を患ったときの『人間特有の苦しみ』とはどのようなものであり、どうして人間にはそのような『苦しみ』が生じるのか〉についてあなたの考えを述べなさい(600字以内)。

(課題文省略)

⇒この問題も典型的な課題文型小論文です。

課題文型小論文では、

与えられた課題文を正確に読み取る
課題文の主張に対応した意見を述べる
 以上の2点が大切です。レオの闘病生活は、過去・現在・未来という時間軸を意識して生きる人間にとって「驚くべき点」があるはずです。そこをとらえたうえで、人間固有の苦しみを対比的に述べていく必要があります。なかなかの難問ではありますが、「全人的医療」がキーワードになるでしょう。京都医塾生なら、医療知識レジュメ(3)「現代の医療」を開けばヒントがあるはずです。

2020年
 下記の文章を読んで、このお母さんにとってより苦しみに満ちた物語を作り出すことにどのような意味があったのかを考えたうえで、筆者の言う「人間が作り出す物語の尊さ」(文中の下線部)とはどういうことかを400~600字で説明しなさい。

(課題文省略)

⇒これも難問です。苦しみを受け止めるとはどういうことか。課題文は非医療系の題材ではありますが、「耐え難い苦しみの克服」というテーマは、医療に通ずる部分があります。医療用語を勉強した人は、「NBM」を思い出すとよいでしょう。京都医塾生なら医療知識レジュメ(10)「科学としての医学」にヒントがあるはずです。

東京医科大学医学部の面接について

時間:15~20分程度
形式 :個人面接(MMI形式を含む)(受験生:1人 面接官:2人)
配点:40点(こちらも点数化されています。)

MMIとは?

マルチプル・ミニ・インタビューという、複数の課題を用いた面接試験を言います。多くは提示されたシチュエーションに対して、自分がどう対処するかを問われます。

過去の質問例

・大学志望理由
・医師志望理由
⇒このあたりはすらすらと話せなくてはいけません。

・海外から日本にやってきた人に英語で話しかけられるか
⇒面白い質問ですね。しかし答えはもちろんYESで決まっています。
今、自信がなくとも構いません。面接官は今後成長する人材を求めているのですから、前向きに取り組む方向性で語ればよいでしょう。

・課題文「日本は他国に比べ少子高齢化が進んでしまっている」を読んで、なぜこうなったと思うか。
⇒「女性の社会進出」が原因だと思った人、当たってはいます。しかし、もちろんそれだけではないですよね。広く原因を指摘できないと、視野が狭いと判断されてしまいますよ。医塾生は医療知識レジュメ(11)(12)「超高齢社会・少子化」参照のこと。

・友人が進級できなくなりそうなとき、あなたはどう対応するか。自分が進級できなくなりそうなときはどうするか。
⇒これ、東京医科大でなくとも頻出です。倫理的に妥当と思われる答え方をしてください。レポートの剽窃(盗用)とか、絶対だめですよ。でも、進級できなさそうな友達を放っておくだけなのも冷たいですよ。

おわりに

・小論文は考えさせる問題が多いですが、知識を軸に意見を展開できるよう準備しておきましょう。
・面接はMMI形式ですから、多様な質問が考えられます。出来れば、学校や塾の先生のような、「面接」を知っている人物と練習を重ねておきたいところです。
・医療知識をそのまま聞かれるという質問は多くはないようです。定番の質問ではないものが目立つ気もしますが、なぜ二次試験を行うのかということを考えれば対策は難しいものではありません。

 医学部専門予備校京都医塾では、90分間の二次試験対策を無償で受けることも可能です。どうぞご活用ください。ご連絡お待ちしております。