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東京女子医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

東京女子医科大学の一般入試の過去問対策・出題傾向まとめ【数学編】

 

京都医塾数学科です。このページでは「東京女子医科大学医学部の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“東京女子医科大学医学部”の受験を考えている方
・“東京女子医科大学医学部の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。


概要


【形式・制限時間・配点】2021年度 
形式:記述式

制限時間:60分
配点: 100点(100/400点)

出題の傾向と特徴(6年分)

【出題内容と問題の難易度】

大問4題の出題が続いています。小問集合が含まれる年度もあります。微積分の問題が毎年含まれていることを除けば、各分野から満遍なく出題されています。概ね標準的なレベルですが、4題を60分で解くという制限時間を考えるとそれほど余裕はなく、丁寧かつ迅速に処理を進めていく必要があります。

【頻出の出題単元】

あらゆる単元からバランスよく出題されているので、教科書レベルの基礎知識に抜けがないようにする必要があります。また、その中でも微積分は毎回出題されており、多少繁雑な計算にも慣れておく必要があります。

【制限時間に対する問題量】

途中で手が止まってしまうと、完答することは難しいでしょう。標準的な問題ではあるので、十分な訓練を積んだうえで落ち着いて処理すれば、高得点も可能でしょう。

2021年度の分析

ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問 小問集合(整数部分と小数部分、極限計算、三角比)】(易)

①は与えられた無理数の整数部分と小数部分を求める問題です。分母を有理化した後は、その大きさを不等式で評価しましょう。記述式なので、近似値を持ち出すのは好ましくありません。

②は不定形を解消して極限値を求める問題です。「分子の有理化」というやや特殊な計算ですが、頻出かつ基本問題ですから大丈夫でしょう。

③は三角比の値を求める問題です。2倍角の公式をうまく利用すれば、符号の判定で悩まされることはありません。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…全問正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…全問正答したい。

【第2問 三角関数、微分法】(標準)

図形に関する問題で、辺ABの長さを文字でおくくらいの誘導しかないため、多少の試行錯誤は必要です。また、図も与えられていないため、問題文を正しく読解し、自力で図を描くことも必要です。

①辺OPの長さそのものではなく、その2乗を求めさせています。ここから、余弦定理の利用を連想できるかどうか。図の中にすでに分かっている辺の長さや角の大きさを書き込んでいき、問題の指示になくても自分で角の大きさを文字でおくと、道が見えてきます。

②前問①が出来ていれば、なんとかなるでしょう。数学Ⅲの微分を学んでいると、どうしてもすぐに微分したくなるものですが、根号の中身が複2次式になるので、平方完成でも解決します。この問題とは直接関係はありませんが、相加平均と相乗平均の大小関係も理系受験生の盲点になりやすいので注意しましょう。


≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…全問正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…全問正答したい。

【第3問 場合の数と確率】(やや難)

3個のサイコロの目の和に関する問題。確率の問題では、たとえ区別のないものでもあえて区別し、同様に確からしい根元事象にまで分けて考えることがポイントです。今回の問題であれば、3個のサイコロを区別し、(6の3乗)=216通りに分けて考えます。

①いずれか2個の目の和が4になる確率を求める問題。どの2個の目の和が4になるのか区別して考え、2組または3組の目の和が4になる場合にも注意して、3事象に対するド・モルガンの法則を利用します。

②いずれか2個の目の和が8になる確率を求める問題。前問①と同様に考えます。

③どの2個の目の和も4,8にならない確率を求める問題。否定的な条件を考えるのは難しいので、余事象の確率を求めるとよいでしょう。その際、目の和が4になる組と目の和が8になる組が同時に出来る場合の数を数えるのに注意が必要。やや難問です。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…全問正答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…①②を正答したい。

【第4問 指数・対数関数、微分法】(やや難)

変数の取りうる値の範囲を求める問題。条件式が見慣れない形ですが、指数部分に変数が含まれているときは、両辺の対数をとることが有効な場合が多く、本問もそのパターンです。ただし、両辺が正であることの確認は必要です。誘導がなく、そのあとの計算にも一定の「腕力」を必要とします。

両辺の対数をとった後は、文字の置き換えをすると見通しが良くなります。1文字消去して1変数関数にして、あとは微分して増減を調べます。対数はあらゆる実数値をとりうることに注意しましょう。

≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答したい。
他教科を得点源にしたい受験生…微分して増減を調べる手前まではアプローチしたい。

【総評】

全体として標準的で、無理な出題はありませんが、苦手分野を作らないように基礎を固め、手早く処理する訓練が必要です。どうしてもすぐに解法が浮かばない問題があったときはそこで立ち止まらず、いったん後回しにして別の問題に取り組むなど、大崩れしないように気をつけましょう。

まとめ

繰り返しになりますが、基本に忠実な標準問題が多いので、日々の学習でも、言葉や記号の定義、公式や定理の適用条件など、基礎の部分を固める学習を心がけましょう。その一方で、誘導がない(あるいは少ない)問題も散見されるので、誘導付きの問題を解く際にも、「はたして自分はこの問題を誘導なしでも解けるだろうか」と自問しながら取り組むとよいでしょう。

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