京都医塾英語科です。
このページでは「東京慈恵会医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“東京慈恵会医科大学”の受験を考えている方
・“東京慈恵会医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式: マークシート(一部、長文の設問の解答で英作文あり)
制限時間:60分
配点: 100点
出題の傾向と特徴
形式に加え、大問数も固定されてきた2017年度以降の5年分についての傾向をまとめます。
【毎年恒例の出題形式】
長文問題(3題)
2019年までは、長文読解3題、英作文1題の合計4題でしたが、2020に英作文が長文読解の中の小問として出題される形式に変更されました。2021年も前年度と同様の出題形式を踏襲しています。また、設問文はすべて英文です。
【制限時間に対する問題量】
長文1つあたり20分前後で解答していくとすると、東京慈恵会医科大学を目指すレベルの受験生であれば、分量自体は適度あるいは余裕のあるものです。ただし、選択肢はよく練られており、迷うものも含まれているので、決断よく先々進んでいくことが鍵になるでしょう。
2021年度(最新の過去問)の分析
ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(難易度:標準~やや難)
天然痘とワクチン接種開発の歴史についての長文です。医学部受験を目指して勉強してきた受験生であれば、天然痘に関する話題はどこかで触れたことがあるかもしれません。そうした背景知識があれば、内容自体は比較的理解しやすいです。長文中や選択肢にはややレベルの高い語彙が散見されます(ensuing, inhalation, asymptomatic)。もっとも、文脈や関連語から推測は可能になっていますので、丁寧に読めばそれほど大きく解釈を外れることはありません。小問1(本文中に下線を引かれた単語を近い意味をもつ語を選ぶ問題)と小問2(本文中の空欄になっている箇所に入る適切な単語を選ぶ問題)とは、英語が得意な受験生であれば3/4もしくは満点を狙いたいです。小問7は自由英作文となっており、ジェンナーの種痘が倫理的かそうでないかについて自分の意見を述べることが求められています。ここは、真正面から自分の意見を述べるよりは、英文で書きやすそうな立場を選択してそれに基づいて仕上げるほうが得点を取りやすくなるでしょう。迷ってしまったり、考え込んだりしてしまうと時間が足りなくなる恐れがあります。
≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割以上
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【第2問】(難易度:やや難)
自然光の治癒力にたいする効能について書かれた長文です。長文の語彙レベルは第1問に比べると高くはありませんが、選択肢には難しい語もまぎれており注意が必要です。また、読み取りにくい構造を持つ文を絡めた設問もあり油断なりません。例えば、問6は、連鎖関係代名詞節を含む、カンマで寸断された文構造に加えて、前後の文脈も意味的に読み取らないと正解できずなかなかの難問となっています。こうした、問題に対して様々な側面から考えないと正答にたどり着けない問題については、ある程度割り切って飛ばしてしまうのも仕方ないでしょう。
≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【第3問】(難易度:標準~やや難)
正しい情報を学ぶ際の間違いの効用について書かれた長文です。語彙問題(語法の知識を含む)、本文の内容について問う問題がバランスよく出題されています。語彙問題については、語彙・語法ともに標準的なものが大半ですので、なるべくここで得点を落とさないようにしましょう。英語の得意な人は、問1のA~D、問2のA~Dの合計8問中、6問以上の正解を目指しましょう。内容理解の問題については、選択肢の英文がやや紛らわしく感じられます。本文中に書いてあることが選択肢になっていても、当然のことながら、それが設問に対する答えになっているか否かまで吟味しましょう。また、文構造を正確に読み取らないと意味を取り違えてしまう選択肢もあるので、節や句の修飾関係を含めて落ち着いて、かつ正確に読み取ることを心掛けてください。
≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割以上
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【総評】
東京慈恵会医科大学の英語は、前提としてある程度の速読力が必要です。一定以上の速度で英文を読むことを苦にしない受験生ならば、時間的には間に合うでしょう。問題では、選択肢の正確な読み取り、英検準1級程度までの語彙力、標準的な動詞の語法の知識、複数の節が絡む文構造の正しい把握、難問の見極め(と回避)を、バランスよく求めています。そのぶん小手先のごまかしがきかない試験となっていますので、日ごろからバランスよく英語を学習していく必要があるでしょう。
まとめ
というわけで、今回は東京慈恵会医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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