京都医塾生物科です。
このページでは「東邦大学の生物」についての過去問を分析します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“東邦大学”の受験を考えている方
・“東邦大学の生物がどのような問題か知りたい”という方

におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2021年度（最新の問題より）　

形式：マーク式
時間：理科2科目120分
大問数：5
配点：理科2科目200点

出題の傾向と特徴（6年分）

2016年度以降の6年分について、分野別の傾向をまとめます。

【1 細胞と分子】

大問としての出題頻度は高くないですが、他の分野の出題でも知識が必要となる設問は多くみられます。
生体の構成成分とその働き、各種細胞小器官の働きとその意義などは説明できるようにしておきましょう。

【2 代謝】

呼吸、発酵を中心に多くの年度で出題されています。
教科書準拠の問題集で良くみるような典型例題中心の出題です。選択肢の多さに惑わされないように呼吸などの過程を正確に説明できるように知識整理しておきましょう。
また、モル計算も頻出ですので、基本問題を多く解き、解法に慣れておきましょう。

【3 遺伝情報の発現】

かなり高頻度で出題されています。
DNAの複製などのベーシックな内容の出題もありますが、バイオテクノロジーに関連した各種実験手順の目的の正確な理解や丁寧な読解が要求される出題が目立ちます。
教科書、資料集などを詳細に読み込んで、各実験の目的と原理、実験結果の読み取り方を理解しておきましょう。

【4 生殖・発生・遺伝】

出題されたり、されなかったり、半々くらいの頻度です。
ウニの受精の仕組みなどやや細かい内容まで問われます。
やや複雑な遺伝の問題も出題されています。
また、他の分野と関連させた難しい実験問題も多く出題されています。
知識問題では失点しないように、教科書を隅々まで読み込み、詳細な内容まで出来る限り正確に身につけておきましょう。

【5 生物の生活と環境】

毎年出題されています。
腎臓、内分泌、免疫、受容器、効果器、植物の環境応答と幅広い内容の出題がみられます。
2021年度は大問5つの内4つ以上がこの分野からの出題でした。
以前は教科書レベルの単純な知識問題も多く出題されていたのですが、最新年度では多くの文章読解が要求される骨のある考察問題が多く出題されていました。
温感など当時の最新のトピックスからの出題もみられます。
時間の許す限り粘り強く読解し、考察しましょう。

【6 生態と環境】

出題されたり、されなかったり半々くらいの頻度です。私立医学部としては出題頻度が高い部類です。
要求される知識は基本的なもののみであり、教科書で強調されている内容が身についていれば問題なく解けます。
バイオームを代表する樹種名などを正確に覚えておきましょう。

【7 生物の進化と系統】

出題されたり、されなかったり半々くらいの頻度です。
化学進化や進化論、系統、分類の簡単な知識問題のみの構成の年度もあれば、地質時代と生物の変遷についての細かい知識が問われている年度もあります。
いずれにしても知識問題主体の出題ですので、教科書レベルの知識は完全に身につけておきましょう。

【制限時間に対する問題量】

選択肢が多い分、制限時間に対する問題量はやや多いです。
得点効率の最大化のために、どの問題に時間を割くべきか考えて取り組みましょう。

まとめ

知識問題も一定量出題されますが、長文の読解と情報の整理が必要となるような受験生にとっては初見の考察問題の比率が高いです。
とはいえ、知識問題での失点は命取りになりますので、詳細な内容まで正確に身につけておきましょう。
また、基礎問題に加え、難しい問題にも積極的に取り組み、情報の抜き取り方とそれをまとめ、処理する力を養っておきましょう。
代謝や分子遺伝、発生、動物の環境応答の分野からやや厚く出題されますが、分野をまたいだ複合問題も多く出題されるので、全分野の学習を万遍なく進めておく必要があります。