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現代文という科目の正体

現代文という科目の正体

 こんにちは、京都医塾 国語科の内海です。今回は、前回の記事でもお話した「現代文の『落とし穴』」の避け方についてお話したいと思います。

前回の記事の確認(現代文の「落とし穴」について)

 前回の記事で取り上げた現代文の「落とし穴」について、今一度確認します。この「落とし穴」は、「長文問題における設問の作問者は、長文の筆者とは別の人物である」というものでした。そのため、「筆者の考え」なるものに辿り着こうとすることが、現代文での得点に直結するわけではない、という可能性を指摘しました。

 それでは、この「落とし穴」にはまらないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?

現代文の試験からのヒント

 ここまでに繰り返し言及している「現代文の『落とし穴』を上手く避けるためのヒントは、実は現代文の問題用紙に記されています。そのヒントとなる文言は、「学校の試験」・「業者模試」・「入学試験」といった様々な現代文の試験に、ほぼ確実に記されています。皆さんはお気付きでしょうか…?

 それは、あらゆる現代文の問題の最初に記されている、

「次の文章を読んで後の問いに答えよ。」

というお決まりの文言です。この文言の意味するところ…すなわち、この文言に潜む、現代文の「落とし穴」を回避するヒントを把握することはできますか?

「次の文章を読んで後の問いに答えよ」の意味

 この文言の本質を、少しずつ読み解いていきます。この要求文を少し極端に言い換えると、

「“次の文章”を読まないと、“後の問い”には答えられない」

ということになります。さらに、これを言い換えるならば、

「“後の問い”のヒントは、“次の文章”の中にある」

とすることが出来ます。本来、 “次の文章” は何らかの著書(および作品)の一部分です。しかし、現代文は “次の文章” が「全て」という前提で設問を作っています。そのため、 “次の文章” に書かれていないことは「正しい」とみなしてはいけないわけです。この現代文の特色に、「現代文の『落とし穴』」があったわけです。つまり、 “次の文章” にとどまらずその背景まで十二分に知識を持って “しまっている” 筆者が、その文章を題材とした現代文の試験で満点を獲得できないことも、筋の通った話と分かるはずです。

最後に

 今日の記事を読んでくださった方は、現代文という教科の実態が見えてきたはずです。そして、同時に「正しい努力を積めば何とかなる」教科だとも気付き始めかと思います。その「気付き」を得た方は、少しでも早く現代文と向き合う習慣を持ってください。京都医塾では、必ず得点に繋がる「現代文の解き方」をお教えします。

 次回は、その「解き方」の片鱗をお伝えできればと思います。

投稿者:内海 健太

  • 役職
    国語科講師
  • 講師歴・勤務歴
    5年
  • 出身大学
    京都大学大学院教育学研究科
  • 特技・資格
    認知心理学・認知科学
  • 趣味
    格闘技(特にボクシング)
  • 出身地
    京都府
  • お勧めの本
    Successful Remembering and Successful Forgetting、ブランコのむこうで

受験生への一言
「自分には読み書きの才能が無い…。」と言って、国語や小論文を諦めかけている人はいませんか? 大丈夫、大学受験生の読み書きの才能などというものはほんの誤差にすぎません。文章の効率的な読み方と「わかりやすい文章」の特徴さえつかめば、誰でも優れた国語力を身に付けることが出来るんです。