京都医塾生物科です。
このページでは「産業医科大学の生物」についての過去問を分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“産業医科大学”の受験を考えている方
・“産業医科大学の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式:記述式
時間:理科2科目100分
大問数:3
配点:理科2科目200点
出題の傾向と特徴(7年分)
2015年度以降の7年分について、分野別の傾向をまとめます。
【1 細胞と分子】
2015、2019、2021年度で出題がありました。2015年度は「哺乳類の細胞外マトリックスに多く含まれる繊維タンパク質である’コラーゲン’や’エラスチン’」、2021年度に関しては「細菌の細胞壁の主成分である’ペプチドグリカン’」という用語や、その説明を求めるなど、応用レベルの出題もありました。とはいえ、それ以外は基礎レベルのものですので、記号問題ばかりではなく、普段から”漢字で”用語を書く、説明する訓練を重ねていきましょう。
【2 代謝】
2016以外の全て年度で出題されており、出題頻度が高い範囲の1つです。「細胞分画法」や「光合成」など、基本レベルの出題がメインですが、出題者側の要求レベルが高い設問も複数見受けられます。例えば、「がん患者に体重減少が見られる理由」「がん治療薬の投与の適切な時期」(2020年度)などです。
過去問を数年分解くことで、求められるレベルを体感し、基本レベルは失点しないように、そして、応用レベルにどれだけ対応できるか、練習を重ねておきましょう。
【3 遺伝情報の発現】
2015~2021年度、全てにおいて出題されています。出題内容も、全範囲にわたって出題されており、対策は必須です。この範囲に関しては、標準レベルのものが多いです。しかし、計算問題、描図問題が多く出題されており、単に用語を答えるだけではない対策が必要になります。普段から、遺伝情報に関する計算問題、描図問題に触れておきましょう。
【4 生殖・発生・遺伝】
2017年度のみで出題されています。内容は「母性効果遺伝子」でした。標準レベルですが、ビコイドタンパク質の働きを論述する問題があるように、それぞれの現象に関して、用語を答えるだけでなく、説明できる訓練を重ねておく必要があります。
【5 生物の生活と環境】
2018以外の全て年度で出題されており、こちらも出題頻度が高い範囲の1つです。出題された内容としては「血液凝固」「血糖調節」「腎臓」「免疫」「体液カルシウム濃度の調節」となっており、ヒトの身体からの出題が多く見られます。
この分野でも基本用語を説明させる出題が多いですから、基本的知識を50字程度で説明できるよう練習をしながら、全体的に網羅していきましょう。
【6 生態と環境】
2018年度のみで出題されています。内容は「生物濃縮、自浄作用」でした。用語を答える問題は基本レベルなのですが、それ以外は実験考察の出題でした。
【7 生物の進化と系統】
2015年度のみで出題でした。また、それも1つの大問の一部分だけの出題であり、最も出題頻度の低い範囲でした。
【制限時間に対する問題量】
論述問題が多く、実験考察問題、計算問題も絡んでくるため、制限時間に対する問題量は多いです。しかし、大切なのは、標準レベルの問題を取りこぼさないことです。過去問を解き、解くべき問題を取捨選択する練習を重ねましょう。
まとめ
論述問題は、標準的な内容に関しては、確実に得点できるよう徹底的に固めていきましょう。そのためにも、普段勉強する用語を丸暗記するのではなく、その定義まで20~50字程度で書くことが出来るよう訓練を積んでいきましょう。
また、「生物学の歴史」の出題もあったりと、複数の分野にまたがる出題があるので、体系的に知識を整理していくようにしましょう。
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