医学部専門予備校の京都医塾です。
以下では、産業医科大学医学部2次試験(小論文・面接)について、ご紹介したいと思います。
2次試験(小論文・面接)の日程について
2023年3月12日(日)です。
当日のスケジュールは以下の通りです。
入 室 8:10~8:40
小論文 9:00~11:00
(昼食) 11:00頃~12:00頃まで
面 接 12:20~17:00頃
20分遅刻すると失格になります。「試験前日の13時から17時までの間」に、試験会場の下見をすることができますので、不安な人は見ておくとよいでしょう。
また、「受験票」だけでなく「大学入学共通テスト受験票」も持参する必要があります。これは他の私立大学と違うところなので要注意です。
産業医科大学の小論文について
形式:課題文型 大問2~3題、それぞれに設問1~2題
字数:字数指定の問題で400字程度、さらに字数指定のない問題もあるので合計1500字前後書くことが求められます
時間:120分
配点:50点
過去の出題例
<2022年度>
大問1 「Society 5.0」についての文章
出典:『内閣府HP 科学技術政策』より一部抜粋
設問1 Society5.0が目指す社会を述べる(要約)
設問2 Society5.0が実現した社会における医師の役割について述べる
大問2 「科学における正しさと不確実性」についての文章
出典:『科学と非科学 その正体を探る』(中屋敷 均著)
設問1 「昨日も今日も阪神が勝ったので,明日も阪神が勝つ」という予測と, 「リンゴを枝から切り離せば地上に落下する」という法則の違いを説明しなさい。(22cm×15.4cmの解答欄)
設問2 医学に、参考文に言う「科学的な真理」は存在すると思いますか。あなたの考えを400字以内で書きなさい。
<2021年度>
大問1 「工場に隣接する地区の死亡者数について」の文章
出典:『働く人の病』(ベルナルディーノ・ラマツィーニ著)
設問1 この件の裁判でどのような情報が必要か
設問2 あなたの意見 400字
大問2 「ヘルスリテラシー」についての文章
出典:『へルスリテラシーとは女性の健康を決める力』(中山和弘著)
設問 日常生活におけるあなた自身のヘルスリテラシーについて 400字
<2020年度>
大問1 「未病を治すこと」について述べた文章
出典:『養生の智慧と気の思想』(謝心範著)
設問1 WHO憲章の前文の、「健康」を定義した英文を和訳する
設問2 「未病を治すこと」についてあなたの意見 400字
大問2 会合で連絡先を交換する際のアドバイス
<2019年度>
大問1 「考える葦」について述べた文章
出典:『パンセ』(ブレーズ・パスカル著)
設問 なぜ著者は人間を「考える葦」に例えたのか 200~400字
大問2 データとの相関関係について解説した文章
出典:『科学的思考のレッスン 学校では教えてくれないサイエンス』(戸田山和久著)
設問 喫煙と肺がんの因果関係を考察せよ
大問3
設問 「医は仁術」について考えを述べよ。 400字
テーマが多岐にわたり、さまざまなことが問われています。かなりの難問で一筋縄ではいきません。医療知識とともに読解と記述の速度も求められます。特に字数指定のない問題については赤本に解答欄の大きさが示されているものがありますので、一度自分で解答欄を設け、文字数の感覚などを確認しておきましょう。
内容面での対策は難しいですが、「簡潔な結論を最初に述べる」といった形式面での読みやすさ、伝わりやすさが損なわれないようにしましょう。発想力に富む受験生ほど、難しいテーマについて考えるうちにアイデアの整理がつかなくなり、読み手に大変伝わりにくい文章を生みだしてしまいがちです。難しいテーマ、複雑な内容ほど、端的に表現することを忘れないようにしましょう。
産業医科大学の面接について
面接時間:20分
形式:個人面接(受験生:1人 面接官:3人)
過去の質問例
- 志望理由
→出願時に提出した「志望理由書」の内容をしっかりと確認しておき、齟齬のないようにしましょう。
- 自分の長所(自己PR)と短所
- 産業医の仕事について
- 入学後にやりたいこと 挑戦したいこと
- 最近のニュースで気になったものは
→医師(を志す者)として相応しいものを答えましょう。
- 修学資金貸与制度について
→返還義務免除の条件(職務・年数など)を正確に言えるように。間違えるとたいへんです。また、「キャリア形成プログラム」についてなど、が大学側が提供する課程や制度について問われます。どの大学にも言えることですが、自身が受ける大学のことに関心を持ち、リサーチをしておくことが大事です。
- そりの合わない同級生との付き合い方
- ストレス解消法
→こういった質問を通して、人間性や社交性が確認されます。
おわりに
最大のポイントは「産業医」について正しく理解することです。パンフレットや募集要項を熟読しておきましょう。さらに「産業医」という特性上、「産業の発展に寄与する」という姿勢も大事です。
配点は以下の通りです。
1次試験(共通テスト)60点×5科目=300点
2次学力試験 200点×3科目=600点
2次小論文 50点 +面接(重視)
→小論文の配点は共通テスト1科目分の点数に相当します。学力試験を突破し、小論文・面接試験に進んでいる受験生は、共通テストは高得点で差がない状況だと思われます。
産業医科大学の小論文は特に難しいので、配点は低いとはいえ、小論文の出来が合否に大きく影響すると言っても過言ではありません。手も足も出ないのと、ある程度は書ける、というのとでは大きな差がでます。しっかり対策する必要があるでしょう。
面接では、出願時に提出した活動記録や志望動機などにもとづいた質問がなされるでしょう。しっかりと思い出し、どのように掘り下げられるか対策してから臨みましょう。
医学部専門予備校京都医塾では、90分間の二次試験対策を無償で受けることも可能です。どうぞご活用ください。ご連絡お待ちしております。