京都医塾、広報の佐古田です。
日本の三大祭の1つである「祇園祭」が7月1日から開催されていますね。
今年は、3年振りに山鉾巡行が実施されます♩
未曾有の感染症の影響で見合わせられていましたが、「出来る限り本来の形で」との思いから今年は実施されるそうです!
京都医塾ブログでも、祇園祭を盛り上げるため、短期の集中連載企画を実施します!
目次
そもそも”祇園祭”ってなに??
話は平安時代869年までさかのぼります。当時の京都では疫病が流行していて、それを鎮めるために、神泉苑で御霊会を実施したのが始まりとされています。
祇園祭の時期になると、あちこちに山鉾が立ち並びます。この山鉾を担いで四条通から河原町通を巡行する「山鉾巡行」は祇園祭のメインイベントの一つです。
2022年の山鉾巡行は、前祭が7月17日、後祭が7月24日に行われます。
最も有名な山鉾が”祇園祭”の山鉾
山鉾とは、「台の上に山の形の造り物をのせ、鉾や長刀なぎなたなどを立てたもの」。
全国各地の祭礼に山鉾は見られますが、最も有名なのが祇園祭の山鉾というわけです。
「山鉾巡行」は、くじで順番を決める
祇園祭に登場する山鉾は全部で34基あり、それぞれにご神体が祀られ様々なご利益があるといわれます。
祇園祭の行事日程の中に、「くじ取り式」という行事があります。
「くじ取り式」は、山鉾巡行において、山鉾がどの順番で巡行するかをくじびきで決める儀式です。
34基のうち、順番が決まっている「くじ取らず」の山鉾を除く、24基の代表者がくじを引きます。
※「くじ取らず」については別途ご紹介しますね!
なぜ、くじで決めるのか、というと、室町時代に山鉾を巡行する順番で、争いが起こったため、のちにくじびきで決められるようになったそうです。この「くじ取り式」も祇園祭の楽しみの一つです。
2022年は、7月2日に行われました! ☆は「くじ取らず」
≪ 前祭 7月17日 ≫
1.長刀鉾 ☆
2.孟宗山
3.保昌山
4.郭巨山
5.函谷鉾 ☆
6. 白楽天山
7.四条傘鉾
8.油天神山
9.月鉾
10.蟷螂山
11.山伏山
12.霰天神山
13.鶏鉾
14.木賊山
15.綾傘鉾
16.占出山
17.菊水鉾
18.芦刈山
19.伯牙山
20.太子山
21.放下鉾 ☆
22.岩戸山 ☆
23.船鉾 ☆
≪ 後祭 7月24日 ≫
1.橋弁慶山 ☆
2.北観音山 ☆
3.浄妙山
4.鯉山
5.鈴鹿山
6.南観音山 ☆
7.役行者山
8.黒主山
9.八幡山
10.鷹山 ☆
11.大船鉾 ☆
【引用】京都新聞. 山一番は前祭「孟宗山」、後祭「浄妙山」に 京都・祇園祭山鉾巡行のくじ取り式. https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/827657, (参照 2022-07-03)
それでは、各町の山鉾をご紹介いたします。(順不同)
鶏鉾(にわとりほこ)とは
【引用】祇園祭2022.鶏鉾.https://www.kyotodeasobo.com/gion/map/detail/Niwatori/(参照 2022-07-03)
場所:下京区室町通四条下ル鶏鉾町
鉾建て:7月10日 8:00~
由来
鶏鉾の由来には2つの説があります。
1つは、中国古代の堯の時代の故事である「諫鼓」に由来すると言われています。2つ目は、『古事記』の天の岩戸の物語に登場する「常世長鳴鶏」をモチーフとしていると伝えられています。
この二つ由来についてお話していきます。
古代中国、尭の時代の史話「諫鼓」
中国古代、堯(ぎょう)の時代は、世の中が何事もなく無事に治まって平和な時代でした。こうした治世では、訴訟用の太鼓(諫鼓)も使われることがなく苔が生え、そこに鶏が宿ったという逸話にあやかったと言われています。
『古事記』の「天岩戸神話」
「常世長鳴鶏」は『古事記』の一説、有名な天照大神の「天岩戸神話」に当時します。
太陽神、天照大神が天の岩屋戸に隠れ、世界がことごとく闇になりました。困った八百万の神々は、楽しそうに騒いでいる様子を見せることで、天照大神を岩戸の外に引きずり出すという話です。この神話の中で、天照大神を岩戸から出すために、様々な方法を試す訳ですが、その中の一つが、常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)を集めて鳴かせるというものです。日本の文献において、最初に鶏が現れた場面であり、鶏は太陽(=天照大神)を呼び出す立ち位置になっています。
ちなみに、石上神宮などの神社では鶏を神の使いとしています。鳥が居ると書く 「鳥居」は、鶏をとまらせるものだったという説もあります。日本では古来、鶏は朝に鳴くことを利用目的として飼われていました。江戸時代までは卵の利用もほとんどされておらず、鶏は神聖視されていました。
鶏鉾の細部
鉾頭
竹製の三角形を2つあわせた中央に、円形の銅盤があります。この円形銅盤は、鶏の卵が「諫鼓」の中にあることを表しています。由来でお話しした古代中国、尭の時代の史話「諫鼓(かんこ)」が主題になっています。
ほかに円を太陽とする説もあります。その場合は、3つの尖端を飾る苧束(おたば)を黒雲ととらえるそうです。こちらは古事記の「天岩戸神話」を主題とする場合の説です
天王座
真木のなかほどの天王座には、航海の神といわれる住吉明神を祀っています。寛政5年(1793年)に作られたものです。現在は昭和54年(1979年)に新造されたものを巡行に際しては用いています。
稚児人形
【引用】祇園祭2022.鶏鉾.https://www.kyotodeasobo.com/gion/map/detail/Niwatori/(参照 2022-07-03)
山鉾の正面には稚児人形があります。写真にみえる橙色の着物に、華麗な天冠を付けた人形です。
文久3年製作の稚児人形は、山口源ノ光好の作です。大人びた顔立ちで歯を見せています。これは幕末の人形の特色です。多くの稚児人形には名前がつけてありますが、名前は不明です。
おわりに
今回は、「鶏鉾」についてまとめてみました!いかがでしたか?
鶏鉾ちまきのご利益は厄除け・疾病除けです。鶏鉾の由来を知って興味を持った方は、1年の健康や安全のために手に入れてみてはいかがでしょうか!
祇園祭期間中、InstagramやTwitterなどでも情報を発信していきます!
お楽しみに!