「みんなどうやって受験勉強しているんだろう」
「医学部に合格する人って、やっぱり特別なスケジュールで動いているのかな?」
…など受験に関するお悩みはありませんか?
そこで、受験生のリアルをお伝えするため、現役医学部生に自分の受験生活を振り返ってもらい、
”私と医学部受験について”の受験記を連載していきます!
連載9回目の今回は、京都医塾で数学科の非常勤講師として活躍する、
小川貴也さん(京都大学医学部医学科2回生)の受験記です。
目次
医学部と薬学部で悩んだ末、研究と臨床のどちらにも進むことのできる「医学部」を目指すことに。
______なぜ「医学部」を目指したのでしょうか。
「小学生や中学生の頃からぼんやりと医療系の進路に興味を持っていました。その頃は、製薬、特に抗癌剤の研究に興味を持っており、副作用の少ない抗癌剤の開発を目指すために、医学部か薬学部に進学しようと考えていました。高校生になって、実際に大学に行くことを意識し始めてから、医学部と薬学部のことをネットなどで調べるようになりました。新たに、臨床医という進路も自分の性格に向いているのではないかと考えるようになったため、研究と臨床のどちらにも進むことのできる「医学部」を目指すことにしました。」
生活リズムが一度乱れるとなかなか元に戻すことが難しいため、規則的な生活を意識!
______一日のスケジュールを教えてください。
「平日は8時半から15時まで学校があり、そのあと部活をして帰宅が大体20時前でした。晩ごはんと風呂を済ませ、21時過ぎには勉強を始めるようにしていました。というのも、好きなラジオ番組があり、それを聴くために21時には自分の部屋にいるという習慣が付いており、その番組を聴きながら日を跨ぐくらいまでは勉強するようにしていました。また、休日は基本的に部活の試合が一日中あるため、ほとんど勉強をすることはできませんでした。次の日に英単語の小テストがあることが多かったので、帰宅後はその勉強をするくらいしかできませんでした。」
______ハードな毎日を過ごすため、気を付けていた生活習慣はありますか。
「高校生は毎日朝早く起きなければならず、一日完全にゆっくりできる日もあまりないので、生活リズムが一度乱れるとなかなか元に戻すことが難しいと感じていました。勉強や娯楽などで一回夜更かしをしてしまうと、次の日に起きるのが辛かったり、授業中に眠くなったり、負の連鎖が続いてしまうことになります。私自身、遅くとも25時には寝るようにしていました。勉強での夜更かしは、短期的に見ると学習時間が伸びているように感じるかもしれませんが、長期的に見ると必ずどこかに皺寄せがいき、結局はあまり効率の良いものとは言えないでしょう。」
自分みたいになるな!!受験においての失敗談
______密度の濃い受験生活を送られていたと思います。なにか後輩に伝えたい失敗談はありますか?
「現役時代で最も後悔したことは、模試の復習を全くと言っていいほど行わなかったことです。高校生のときは、どれだけ勉強してもまだまだ新たに勉強できることが残っており、普段の授業の復習や定期テストなどもあり、勉強時間は手一杯でした。そのため、模試の復習に時間を回すことがなかなか困難だったのです。しかし、模試の問題が本番で出るわけがないと思って、受けっぱなしにするのはあまりにもったいなかったと後悔しています。自分の理解できていないことを確認できるという点で模試の復習をすることの学習効果はとても高いのです。また、大学生になって模試の採点バイトをしていると、模試の問題が受験生の今後の学習に繋がるようによく練られたものであることが分かり、当時よりも余計に模試の復習の大切さを感じています。」
______オススメの勉強法をおしえてください。
「勉強において最も注意すべきことは、勉強のマンネリ化です。「勉強をしてはいるが、頭には何も入ってこない状態を作らないようにする」ことが重要だと思います。同じ教科を長時間にわたって繰り返すと、どうしても集中力が低下してしまいます。例えば、数学を何時間か勉強したあとに、社会や英単語の勉強などを息抜きにはさむことで、マンネリ化を防ぐことができ、効率良く学習が続けられます。特に休日に勉強をする際には、普段より勉強に長い時間を割くことができるため、最初に予定を決めることが大切です。同じ教科を長時間、ではなく、複数の教科を短時間で区切って行うように意識してみましょう。
妥協せず後悔の残らない受験をしてほしい!
______最後に、受験生へメッセージをお願いします!
「私は1年間の浪人生活を経て医学部に進学していますが、正直、高校生のときに浪人は全く頭の中にありませんでした。高校生が浪人前提で悠長に勉強していても、大抵は予想以上に浪人年数が伸びてしまうのではないかと思うので、基本的には現役思考で必死に勉強するようにしましょう。
ただし、受験直前になると話は変わってきます。現役合格にこだわるあまり、本当に行きたい学部を諦めて、次点の学部に合格したとしても、後悔を残しつつ大学に通うことになるでしょう。実際、私の周りにも、大学に入学してから自分の学びたいこととは違うと感じて、仮面浪人を始める人もいました。浪人できるかどうかは家庭環境にもよるとは思いますが、妥協して本当に後悔が残らないかどうかよく考えて受験に臨んでほしいです。」
おわりに
研究と臨床のどちらにも進むことのできる「医学部」を選んだ小川さんの受験記でした。
進路に関して、「医学部」と薬学部、歯学部、看護学部など、ほかの医療関係の学部と迷われている受験生がたくさんいらっしゃると思います。
受験のときに、自分のやりたいことを1つに決められない場合、小川さんのように選択肢の幅が広いという理由で「医学部」を選ぶこともできるんですね。
どの大学、どの学部を選ぶかは人それぞれですが、妥協せず後悔の残らない受験をしてほしいと思います。みなさんの健闘をお祈りしています。
次回もお楽しみに!
※個人の感想・意見を記載しております。参考になれば幸いです。