京都医塾英語科の吉田先生です。
私立医学部入試の英語は他の私立大学や国公立大学と比べて違うのか、と問われれば「違います」というのが答えになります。
もちろん一口に「私立医学部の英語」と言っても、大学によって形式が全く違いますので全てをひとまとめにして語るのは乱暴な話です。
しかし、多くの大学に共通する要素というものはありますので、そういったところをまとめていきたいと思います。
①制限時間に対して問題量が多い
私立医学部英語の特徴と言えば、まずこれがあがるのではないでしょうか。とにかく分量が多い。医学部以外の私立大学や国公立大学でも量が多いところはありますが、私立医学部は総じてその傾向が強いと言えます。長文問題が多い、文法や並べ替えも含めて総合的に設問数が多いなど、問題の「多さ」には各大学の特徴がありますが、いずれにしれも制限時間と考え合わせると「とても解けない」という大学が多いです。
②文法・語法問題や長文で出てくる語彙レベルが高い
これも一概に言える話ではないのですが、文法・語法問題にしても長文にしても標準的な受験参考書ではとても太刀打ちできないような問題・内容を平気で出してくるところが多いのは間違いありません。
③長文で医学系の内容が多い(でもそれ以外も結構出題されている)
そんなの当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、逆に言うと「医学系の内容以外も結構出題されている」ということです。以前調べたときには、私立医学部全長文のうち医学系の内容と言えるものは40%程度でした。つまり残りは一般的な内容であり、文系ネタと言えるものも40%ほどありましたので、決して「医療系の話ばかり出ている」というわけではありません。
とはいえ、他の大学に比べて医学内容が多いのは間違いないので、普通の受験生には必要無いような臓器・病気に関する語彙力はあった方が有利だと思われます(とはいえ必死に医療系の語彙を覚える必要はありません。それよりも基本的な語彙を鍛える方が優先です)。
また、出典が確認できる限りで言うと、新聞記事からの出題も頻繁に見受けられるので、英字新聞やネットで英語の新聞記事に普段から触れておくのも有効な対策になります。でも、標準的な受験生が英語で新聞記事読むのはなかなかハードルが高いんですよね…
④英作文が出題されるのは少数派
一時期「英語の4技能」というのがしきりに叫ばれていましたが、最近めっきり聞かなくなりましたね。私立医学部では基本的にリスニングが課されることはありません(今後は変わるかもしれませんが)。
また、英作文を出題する大学(自由英作含む)は現状11大学なので、英作の対策はしなくても受験できると言えます。ただ、英作の対策をしておいた方が受験できる大学の幅は広がるので、対策しておいた方がいいですよ、というのがアドバイスにはなるでしょう。将来医学部受験を考えている中学生・高校生の生徒さんは早めから英検を受けるのはとてもいい準備になると思います。
といったあたりが私立医学部全体を俯瞰しての特徴と言えるかと思います。
次回のブログでは、このような特徴にどうやって対策するのか、について書きたいと思います。