京都医塾英語科の吉田です。
前回のブログで私立医学部の英語に共通する特徴を説明しましたので、今回はそれに対してどのような対策が取れるかというお話をしたいと思います。
①制限時間に対して問題量が多い
これが一番やっかいなところです。また、大学によって「長文がたくさん出題されるので時間が足りない」とか「文法問題や並べ替え問題も含めて問題量が多くて時間が足りない」など質が違う部分もありますので、一概にこうすればいいという答えは出ません。
ですので、今回はあまり普段言われることのない攻略法をいくつか並べてみます。
1.長文を速く解く
生徒さんからよくある悩み相談が「長文を読むのが遅くて時間が間に合いません」というものです。しかし実際には本当に読むスピードが遅いという人はあまりいません(速くもないけど標準的と言えるレベルの人が多い)。実は「読むのが遅い」というより「長文の設問を解くのが遅い」という生徒さんが多い印象です。そしてなぜ解くのが遅いかと言えば、長文のテーマを明確に理解できていなかったり、選択肢の単語を知らなかったりといった部分が複合的に重なり選択肢の取捨選択に時間がかかっているからなのです。
ですので、英文を速く読む訓練(もちろんこれも重要ですが)だけでなく、「長文の論点を大きく把握する能力」や「高い語彙力」といった力を身に付けることの方が大切だったりします。また、「速く読む」だけで「正しく読む」ことができなければ意味が無いので「英文の構造を瞬間的に理解できる」訓練も必要になるはずです。
ですので、「長文に時間がかかり過ぎているなあ」と感じている受験生の皆さんは、「速く読む」ことだけでなく、「長文のテーマを一言で言えるか」とか「選択肢や本文にどのくらい知らない語彙があるか」といった点から自分の力を測ってみるとよいかもしれません。
2.そもそも全部解かない
こういうことを言うとネガティブな感じがするかもしれませんが、入試の英語は満点を狙うものではありません(普通は)。特に私立医学部であれば、他の科目との兼ね合いもありますが、6~7割取れれば十分戦えることが多いのではないかと思います。逆に言うと3~4割は間違えていいわけですから、自分が得意な問題や配点が高いと思われる問題(和訳とか英作は配点が高いことが多いはず)に時間をかけ、最低6割を目指すというのも1つの戦略と言えます(他の科目で高得点が取れるならもっと低くていいかもしれません)。
また同じ文法・語法問題の中でも標準的な問題と「こんなの誰も知らないぞ」と思われる知識を問う問題が混在していることもあるので「解ける・解けない」という判断を素早く、的確に行う意識も重要でしょう。
いわゆる「過去問研究」というのは本来、このような作戦を立てるために行うのだということは全受験生に知って欲しいことです。過去問をとりあえず解いて、「70点あった!」とか「30点しかなかった…」などと一喜一憂しているのは「過去問研究」ではありませんよ。
次回は今回の続き対策編2についてです。