京都医塾生物科です。
このページでは「自治医科大学医学部の生物」の過去問について分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“自治医科大学医学部”の受験を考えている方
・“自治医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式:マーク式
時間:2科目80分
設問数:25題
配点:25点
出題の傾向と特徴(6年分)
理科は一次試験でのみ実施されます。全てマーク式の問題で、毎年25題の問題が出題されています。出題分野は多岐に渡り、知識を問われる問題の他、計算問題や実験考察問題も多く含まれています。出題形式がかなり独特であるため、受験を考えている場合は過去問の演習による対策が必須であると言えます。
【1 細胞と分子】
細胞分裂に関する出題が多く、細胞小器官や顕微鏡・ミクロメーターの出題も見られます。該当する選択肢2つを選ぶ、という形式で知識を問われる問題が多いため、知識が曖昧な状態では正答しづらくなっています。正確な知識を瞬時に引き出すことができるように、基本的な内容から丁寧に学習しましょう。
【2 代謝】
異化の方が多少出題されやすい傾向にはありますが、酵素の働きや同化なども含めて満遍なく出題されています。2019年度の問題21~25のように実験問題の内容を利用した考察問題では、実験内容をどれだけ手早くまとめて把握できるか、が重要になってきますので、図を利用した情報の処理に慣れておきましょう。
【3 遺伝情報の発現】
複製・転写・翻訳はもちろん、バイオテクノロジーについての出題も見られます。コドン表を用いて塩基配列情報をアミノ酸配列情報に置き換える形の問題がしばしば見られますので、DNAあるいはRNAの塩基配列を与えられた際に注意するポイントを改めて確認しておきましょう。時間に追われている中でもミスなく変換の作業をするためにとても大切なことです。
【4 生殖・発生・遺伝】
配偶子形成や動物の初期発生についての問題も見られますが、この分野からは特に遺伝の出題が多いです。遺伝子と染色体との関係や、性染色体の遺伝など、受験生が苦手としやすい領域がよく出題されていますので、苦手な部分が残らないように一つ一つ理解を深め、基本的な演習問題を数多く解いておきましょう。
【5 生物の生活と環境】
比較的動物の体内環境についての出題が多い傾向ではありますが、植物ホルモンの出題も毎年見られます。他の大学の医学部と比べると標準的な内容の出題が多いため、特段の対策は必要ありません。医学部受験生として必要な知識を着実に身につけることを優先しましょう。
【6 生態と環境】
種内関係や種間関係、バイオームや物質循環など、毎年多くの問題が出題される分野になっています。教科書や図説に登場するようなグラフが多く題材として扱われますので、グラフが示す値が何を意味しているか、を考えながら内容の理解を進めるようにしましょう。
【7 生物の進化と系統】
毎年出題されており、特に進化の分野の出題頻度は高めです。進化の流れやハーディー・ワインベルグの法則、分子系統樹による系統解析など、知識も計算も必要とされる問題が多く見られますので、解く際に時間がかかり過ぎてしまわないように必要な知識を身につけて臨みましょう。
【制限時間に対する問題量】
制限時間が短く、読解・考察や計算には時間が必要となるため、とにかく時間が不足しがちです。理科2科目を連続で解くことから考えても、非常に慌ただしい80分になることと思われます。手早く判断できる問題を効率よく解いていくことが求められます。他の大学の問題ではこのような力を問われることはあまりありませんので、過去問を使ってしっかりと慣れておく必要があります。
まとめ
一つ一つの問題の難易度が目立って高いという大学ではありませんので、教科書レベルの知識を正確に理解しておくことで知識問題の判断にかかる時間は短縮していくことが可能です。計算問題についても、典型的な問題は早く正確に解き切れるように練習を重ねましょう。解ける問題を増やすことで勝機を見出すことが最大の対策といえます。
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