皆さん、こんにちは。本日は円町校の江島がお送りさせていただきます。
お久しぶりに「英作文でも使える?」シリーズです。本日は “大学無償化” について。令和2年4月から実施されている制度で、ほんのつい先日、令和4年8月31日にも、対象大学が公表されるなど、制度の中身が明確化されています。一見すれば素晴らしそうなこの制度、皆さんならどう考えますか?この意識を持って読み進めていただけたらと思います。
「大学無償化」とは?
先述の通り、令和2年4月より実施されている制度で、文部科学省によると「しっかりとした進路への意識や進学意欲があれば、家庭の経済状況に関わらず、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校に進学できるチャンスを確保できる」ことが目標に掲げられているようです。正式名称は「高等教育の修学支援新制度」となっているようです。ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、高校での勉強は、実は「高等教育」には該当しないのですね(高校での勉強は「中等教育後期」にあたるようです)。文部科学省が定めた要件を満たせば、どんな学生も支援を受けられることになっています。要件は大きく分けて2つ。1つ目は「家計の経済状況に関する要件」、2つ目は「学業成績や学習意欲に関する要件」となっており、後者は、具体的には高等学校での評定平均であったり、指定されたレポートを提出することで学習意欲を測る仕組みになっています。支援内容としては、「入学金および授業料の免除」そして、日本学生支援機構からの「給付型奨学金」を2本柱として掲げています。いかにも「社会権」だなって感じですね。ちなみに、令和元年10月の消費税率10%への引上げによる増収分の一部を財源としているようです。
大学無償化のメリット
- 教育は等しく享受されるべき
家庭の経済状況で大学進学をあきらめてしまうケースを減らせる可能性が出てくるという点は大きいと思います。文部科学省もそれを一番の目標に掲げているわけですから。やる気があって、なおかつ能力の高い学生が、その力を伸ばす機会をつかめないなんて悲しすぎます。必ずしもそうとは限りませんが、依然として “学歴が高い=優秀(と思われる)=高収入” という傾向にあるのは確かで、その逆も然りでしょう。教育とは、裕福でない家庭に生まれた学生が、負のスパイラルから抜け出す「逆転の一手」であるべきだと思います。
- 国の成長効果もある
先述にもありますが、本当に優秀な学生が大学に進学し、その能力をさらに伸ばしてくれるのであれば、国の経済が活性化する可能性だって大いにあります。はたまた、将来的に官僚になって行政の一部を担ってくれるかもしれませんね。本当にその人が優秀なのかどうかは、小中高の教育だけでは判断できません。
大学無償化のデメリット
- 大学の質が下がる恐れがある
学費免除を勝ち取るまでは皆、必死で努力するとは思うのですが、大学に入学した後のモチベーション維持につながらないという意見もあります。無料の「ために」頑張れる人は多くいると思うのですが、無料「だから」頑張れる人はそう多くはないというのがこちら側の主張です。結果として、大学全体の質が下がると考えられます。
- 財源の確保を継続することが難しい
制度を始めて短期的には成功したとしても、長期で見たときにそれを継続できるのかが不安だという主張です。これから先、本制度の対象となる大学も増えてくるでしょう。その時に現行の制度を保つことはなかなか難しそうですね。
最後に
大学無償化の対象となる大学は、国立と私立で数に差はあるものの、1,000校を超えており、専門学校も1,500校以上が対象となっています。こうやって、より個々人が思い描く自己像を実現しやすい環境になりつつあることは本当に素晴らしいことだと思います。
本日は以上です。お疲れさまでした。