京都医塾数学科です。
このページでは「藤田医科大学の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“藤田医科大学”の受験を考えている方
・“藤田医科大学の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式: 第1問マークシート形式、第2、3問記述式
※マークシートには、 ア イ ウ に32を答える場合、032として答えなければならない特殊なものがあります。注意事項はきちんと読むようにしましょう。
制限時間:100分
配点:200点(筆記試験の総得点は600点)
※英語、数学の第1問には基準点(約50%)が設けられており、それに満たない場合は、その時点で不合格となります。
出題の傾向と特徴
2017年度以降、制限時間が100分、第1問が小問10題のマークシート形式に固定されているため、2017年度以降の5年分についての傾向をまとめます。
【頻出の出題単元】
基礎学力が入学の必要条件とされているため、第1問の小問集合では、バランスよく広い分野から出題されています。その中でも、数学ⅠAの図形考察やデータの分析、整数、数学Bのベクトルや数列、数学Ⅲの微分法・積分法、複素数平面はほぼ毎年出題されています。
また、第2問、第3問では場合の数・確率、グラフの概形図示を含む求積問題や証明問題の出題が目立ちます。
【制限時間に対する問題量】
制限時間に対する問題量は適切な量です。しかし、第1問の小問集合で基準点に満たない時点で不合格になる、かつ、小問とはいえ、複雑な計算を要求される問題も出題されるため、時間配分が非常に重要になります。そのため、過去問による練習は必ず行っておきましょう。
2021年度(最新の過去問)の分析
ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問 小問集合】(難易度:易~標準)
2020年度から少し難易度も下がり、積分方程式や既約分数を並べた群数列など典型的な問題がそろっています。しかし、(9)複素数、(10)3次方程式の整数解の問題は少々難しいです。また、(4)微分、(6)群数列、(7)図形と計量では計算量が多いため、工夫しながら素早く、正確な計算を行う必要があります。
≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答
他教科を得点源にしたい受験生…(6)(9)(10)以外を正答
【第2問 取り出した数字を並べてできる整数についての場合の数・確率】(難易度:標準~やや難)
(1)(2)は整数が3の倍数、4の倍数になる条件をきちんと覚えており、具体的に漏れなく数を並べることができれば難しくない問題です。4の倍数をつくる際には、下2桁が12になればよいが、2回目に11、3回目に2をとる場合を考えずに間違う受験生が多そうです。
(3)は重複を考慮して数え上げる必要があり、時間のことを考慮すると飛ばせばいいでしょう。
≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答
他教科を得点源にしたい受験生…(2)まで
【第3問 不等式が表す領域、回転体の体積とその最小値】(標準~やや難)
(1)の領域図示で確実に得点したい。(2)は円と直線で囲まれた図形の回転体の体積であるためテーマとしては典型的であり、体積が求められれば、その最小値も求めることは可能である。しかし、積分計算がかなり複雑であるため、この問題を解くのであれば、第2問(3)を丁寧に数え上げる方が得策な気もします。
≪2021年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…(1)まで
他教科を得点源にしたい受験生…(1)まで
【総評】
例年通り、第1問を素早く、正確に処理し、第2、3問の前半で得点したい。数学を得点源にしたい受験生は第2、3問の後半をどちらかでも得点できれば、他の受験生との差をつけることが可能である。
まとめ
第1問で基準点をとることが大前提であるため、典型問題を素早く正確に処理できるように、使い慣れた問題集で訓練しておきましょう。また、第1問の配点が120点であることも考慮すると、数学の得意不得意で、時間配分が大きく変わってきます。そのため、過去問を解くことで時間配分をある程度考えておくことをおすすめします。
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