医学部専門予備校 京都医塾です。
以下では、近畿大学医学部2次試験について、ご紹介したいと思います。
近畿大学医学部の小論文について
制限字数:400字以内
制限時間:40分
形式 :テーマ型小論文
医療に直結する課題について意見を書く。過去には、人工知能、少子高齢化、チーム医療、医師の地域偏在などのテーマが出題されました。
基礎的な医療知識の学習は必須です。
※京都医塾では、このあたりの「基礎的な医療知識」について、しっかり授業しているので、うちの塾生なら大丈夫ですね♪
ここ4年では
2024年前期
「大学病院で専門医療に携わる医師と、地域で幅広い領域の医療に携わる医師の違い」
「ICTを医学に活用することにより、今後期待される効果と解決すべき課題について」
→ICTとは何かわからないと太刀打ちできませんね。
2023年前期
「良医への学問を修めるにあたって、自身の課題や問題点は何か。また、克服するために実行しようと思っていることは何か。」
2022年前期
「本学部では『人に愛され,信頼され,尊敬される』医師を育成することを教育の目的と定めている。学生の立場から,何を学べば『人に愛され、信頼され、尊敬される』医師になれると考えるか。思うところを述べなさい。」
2022年後期
「新型コロナウイルスワクチン接種の副反応が若者に及ぼす影響について、科学的、社会的な側面から考察してください。」
2021年前期
「医学教育の大きな指針として『今後も起こるであろう様々な社会の変化に対応できるような医師の養成』があげられている。では、医師としてどのような能力を持っていれば、『様々な社会の変化に対応』することができるのか。医学部での学修に関連付けて、思うところを記せ。」
2021年後期
「新型コロナ感染症が流行していますが、医師となった場合に、このような事態に対しどのように行動したいと考えていますか?」
といったものが、出題されました。少し医学的な知識を露骨に問うようなものから、その知識をもとにして考えさせるものに変わっているようにも見えます。
制限字数が400字と少ないですが、文章の構成を意識せず、気を抜いて書いてしまうと、支離滅裂なものになりかねません。また、テーマ型小論文であるということは、課題文からヒントを拾うことができないため、書くための材料となる自身の知識の質・量が、小論文のクオリティを大きく左右します。裏を返せば、自分が知らないテーマがポンと出題されたときには、目も当てられないなんてことにもなりかねないのです。
では、ここで2019年中期に出題された問題をとりあげてみましょう。
問:AI(人工知能)が医師の仕事を奪うという意見について考えを述べよ。
ありがちな受験生の間違いは
- AIが医師の仕事を全て行ってくれる
- AIさえいれば、医師は不要になる
- 医師の仕事は、AIに全て奪われる
というようなものです。
次項でも触れるように、近畿大学医学部の二次試験には、事前知識が不可欠な小論文が出題されることがあり、2019年中期の問題もそのいい例です。
AIについて、非常に優秀なコンピュータだとか、22世紀から来た青いネコ型ロボットのようなものだといった漠然としたイメージしか持っていないと、上に挙げたような典型的な誤りをおかすことになってしまいます。
医療とAIは切っても切れないものであり、その重要性は今後ますます高まることは間違いありません。しかし、決して「AI=万能」ではありません。
「AIは、あくまでも機械による情報処理の一種であり、医師の仕事を補完するものでしかない」という内容を解答の中心に据えて、答案を作成しましょう。
なお、実際の医療現場でAIがどのように活用されているかは確認しておくと答案に厚みが出ます。(例 画像診断、自動問診など)
近畿大学医学部の面接について
面接時間:10分程度
形式 :個人面接(受験生:1人 面接官:2人)
過去の質問例
- 医師志望理由
- 大学志望理由
- 治療方針を拒む患者さんにどう対応するか
⇒これも、「知識」があれば「原則」が分かるので、適切に書くことができます。
- 新型コロナウイルスの流行で、自身にどんな変化があったか
⇒行動、考え方、人との関わり方はどのように変化しましたか?しっかりと考えておきましょう
- 試験中の不正行為についてどう考えるか
⇒不正行為は許容してはいけません。必ず「行ってはならない」と返答しましょう。 たとえ、留年がかかっていようともダメです。
- 最近気になったニュース
⇒受験勉強に忙しいでしょうが、適切な媒体で、ニュースも見てくださいね。
- アンケートで書いた内容について
(過去には、理想の医師像について問われたこともありました)
おわりに
小論文は段階評価であるため得点化されない。
小論文のテストの前に、アンケート(100~200字)の時間が20分ある。制限字数が短いため、簡潔に回答する必要があります。
小論文では、日本の医療保険制度、医師偏在、人工知能、少子高齢化、チーム医療などが出題されたように、基礎的な知識が求められます。それが無ければ、良い答案を書くことは困難です。面接では、面接では小論文で取り上げた内容を掘り下げて問われることもあるので要注意。