京都医塾生物科です。
このページでは「関西医科大学の生物」の過去問について分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“関西医科大学”の受験を考えている方
・“関西医科大学の生物がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2021年度(最新の問題より)
形式:記述式(選択式の問題が多い)
時間:2科目120分
大問数:4題
配点:100点
出題の傾向と特徴(6年分)
生物は2019年度までは大問5題でしたが、2020年度から大問4題の形式になっており、大問のうち1つが一問一答の小問集合の形で、毎年あらゆる分野から出題されています。この大問が非常に厄介で、かなり詳細な内容まで問われる上に、過不足なく選択することを求められ、「該当なし」という選択肢を選ぶ場合もあるため注意が必要です。
2016年度以降の6年分について見てみると、計算問題が毎年欠かさず出題されています。2017年度から2019年度には論述問題の出題もありましたが、2020年度以降は出題がありません。以下に分野別の傾向をまとめます。
【1 細胞と分子】
小問集合の中で、細胞や物質の大きさを比較したり、原核細胞と真核細胞の違いを比較したり、細胞骨格の太さを比較したり、という形での問いがしばしば見られます。1つ1つの事柄を覚えておくのはもちろんのこと、類似点があるものについて関連付けて理解し記憶することが必要です。
【2 代謝】
異化の出題が多く、計算問題の出題率が非常に高い分野です。2019年度の脂質代謝のように教科書範囲を超越した知識を求められる問題や、2021年度の遺伝子組換えによって乳酸発酵をするようになった酵母の代謝のように、他では見られない状況を元に考察する問題など、一筋縄ではいかない問題が多く見られるため、基本的な知識を正確に身につけた上で更に発展的な部分にまで踏み込んで演習を積み重ねておく必要があります。
【3 遺伝情報の発現】
複製・転写・翻訳の過程について、それぞれの違いを正確に判別して解答する選択問題が多く見られます。複製や転写に関しては、核酸の方向性などを丁寧に確認することが大切です。また、近年はPCR法に関連する題材の出題が非常に多く、実験の成否から元の条件がどのようなものであったかを考察する形式の問題が続いているのが特徴的です。実験条件の何がどの結果に影響を与えるのか、を正しく把握して理解しておかなくてはいけません。
【4 生殖・発生・遺伝】
動物の発生の出題が多く、カエルの発生やショウジョウバエの発生については、発現する遺伝子の名称や順番なども含め、詳細な部分まで問われます。また家系図から遺伝様式を推定する形式の問題の出題も頻繁に見られます。特定の遺伝子が常染色体上に存在するのか性染色体上に存在するのか可能性について考えるなど、他の大学ではあまり見られない形式で出題されるため、実際に触れて考え方を学んでおいた方がよいでしょう。
【5 生物の生活と環境】
遺伝情報に関する分野と比較すると多少出題頻度は低いですが、動物の体内環境や反応に関しては、小問集合での出題も見られますし、大問の形で出題されることもあります。ヒトの臓器に関してはかなり詳細な部分まで問われることがありますので、発展的な知識まで含めて丁寧に確認しておくことが大切です。植物ホルモンについても詳しく問われることがありますので、知識確認は丁寧にしておくようにしましょう。
【6 生態と環境】
他の分野と比べると出題頻度は低いものの、小問集合ではバイオームや絶滅危惧種・絶滅種などを問う出題が見られ、決して油断はできません。代表的な種の名称などは一通り確認しておくことが求められます。
【7 生物の進化と系統】
小問集合での出題が多く見られます。当てはまるものを全て選択する、という形式が多いため、進化分類ともに詳細な知識を必要とします。教科書だけではなく資料集なども活用して体系的に知識を養っておきましょう。
【制限時間に対する問題量】
選択肢の精査に時間がかかる問題が多いため、制限時間内に全てを解き終えるのは非常に困難です。解ける問題を選び出して手早く確実に解き進めていき、解答範囲を着実に広げていくことが大切になってきます。
まとめ
教科書レベルに留まらず、発展的な知識まで身につけた上で取り組みたい問題が出題される大学です。容易に得点できる問題ではないため、知識、読解力、計算力、考察力、全てについて万全の対策を立て、力を磨き上げて臨みましょう。
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