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鹿児島大学医学部医学科二次試験対策

鹿児島大学医学部医学科二次試験対策

 

医学部専門予備校京都医塾です。
以下では、鹿児島大学医学部医学科2次試験について、ご紹介したいと思います。

2次試験の配点について

前期:共通テスト900点、個別学力テスト800点、面接120点
後期:共通テスト900点、小論文200点、面接120点
→前期では面接が120/1820点となっています。後期は小論文と面接だけで320/1220点です。かなり比率が高くなっており、小論文・面接の出来で合否が決まる可能性も否定できないでしょう。

鹿児島大学の小論文(後期)について

形式:課題文型(5ページ超の長文)
字数:複数設問 合計700~1500字程度(年度による)
時間:90分
出題の意図:本文の内容を適切に理解し、自分の意見を論理的に表現出来るかを問う。
 
過去の出題例:大学HPに公開されています。
https://www.kagoshima-u.ac.jp/exam/kakomon.html

<2021年度>
出典:「認知症フレンドリー社会」([著]徳田雄人岩波書店2018)より抜粋・一部改変]
 
問1 高齢者の免許返納について, メリットとデメリットをそれぞれ3つずつ50字以内で挙げ,賛成か反対かあなたの意見を100字以内で述べなさい。
問2 認知症の人は道を忘れて家に帰れなくなることがあるが,認知症の人が行方不明にならない認知症フレンドリー社会とはどのような社会か。あなたの考えを200字以内で述べなさい。
問3 認知症フレンドリー社会を構築する上での問題点をあなたはどのように解決するか。問題点とその解決方法を300字以内で述べなさい。
 
→文章が長く、設問が多いかなりの難問ですね。読解の速度と精度、医療知識、論理的表現力等、高度な力が求められます。また高齢者の免許返納」や「ゲノム編集によるヒトの誕生」など時事的な問題も出題されています。十二分に対策する必要があります。

鹿児島大学の面接(前期・後期)について

面接時間:10分~15分
形式:個人面接(受験生:1人 面接官:3人)

内容と過去の質問例

・医師志望理由
・鹿児島大学志望理由
→鹿児島県や鹿児島大学についてしっかり調べましょう。
・前期はどこを受験したか(後期)
→正直に答えて問題ありません。
・高校生活で頑張ったこと
・部活動について
・ボランティアについて
・コロナ禍での高校生活について
・地域医療について、
→特に「離島・へき地」の医療について聞かれます。
・最近気になるニュース
→この質問は「話す小論文」だと思ってください。問題点や対策にまで言及しましょう。
・欠席日数について
→欠席が多い人は動揺しないように。現在は改善していることをしっかり説明しましょう。
・科目の成績について
→特に評定が低かったり、3年次で大きく下がっている場合は突っ込まれる可能性があります。これも現在は改善されたこと、改善のために努力したこと、その時の反省が現在の勉強に役立っていることなど、マイナスをプラスに変えて説明しましょう。

鹿児島大学2次試験のポイント

地元の現役生が有利なのか?

現在、出身地や年齢で差別されることはないと考えられます。実際、入試データを見てみると、

2021年度 医学部入試(前期)地域別 合格者/志願者(合格率)※医学科以外も含む
九州出身者:137/378(36.2%)、九州以外:22/53(41.5%)
→やはり地元の志願者が多くなっていますが、合格率に大きな違いは見られません。
 
2021年度入試 医学部医学科入試(前期・後期)年齢別 合格者/志願者(合格率)※医学科のみ
現役生:37/102(36.2%)、浪人生:57/162(35.1%)
→こちらも大きな違いは見られません。22歳以上の人も合格しています。
 
以上のように他県出身者・浪人生が不当に差別されることはないようです。ただし、面接の準備が不十分だと、良くない印象与えてしまう可能性があります。多くの受験生は共通テストの結果や傾斜配点、倍率などのデータだけで受験校を決めています。したがって鹿児島大学に対する思い入れが、地元の受験生には及ばないため、どうしても面接で差がつきます。そこで大学の特徴や鹿児島県の医療事情など、事前に調べて準備しておきましょう。

 大学の特徴

・離島地域医療実習という全ての6年生を対象に約4週間の実習が行われます。実習先は離島の診療所や病院、鹿児島市内の在宅医療クリニックなどです。離島医療や地域医療の現場を実際に見て学ぶことができます。
・「リハビリテーション医学」「心身医療」「離島医療学」など特色のある学問の専任教員が配置され、充実した教育が行われています。
・ボランティア活動が盛んで、鹿児島大学ボランティア支援センターにより、ボランティア募集情報の配信や保険の加入、災害ボランティアの交通費補助など手厚い支援が受けられます。

鹿児島県の医療事情

県のHPなどで調べておきましょう。鹿児島大学は「地域医療」に力を入れている大学です。鹿児島県の地域性を踏まえて地域医療を考えましょう。漠然と「地域医療に従事したいです」「地域の人の役に立ちたいです」と話すだけの人も多いのですが、「人口当たりの医師数」「高齢化率」「二次医療圏ごとの医療格差」など具体的な医療情報や地名を盛り込むことで、他県出身者でも本気度が伝わります。

まとめ

鹿児島大学医学部の2次試験において、面接・小論文対策がいかに大事かおわかりいただけたでしょうか。
医学部専門予備校京都医塾でも、「前期2次試験対策」(1回90分)を承っています。
どうぞご利用ください。