私立大学医学部は、学校ごと教科ごとに出題傾向が独特な大学も多く、過去の入試問題の傾向分析は必須です。特に最新年度は重要。
各大学の教科ごとの問題分析のフルバージョンはかなりのボリュームになるため、このブログではハイライトとして、各教科の最新年度の出題形式/内容/適性を抜粋してお伝えいたします。
今回は2021年度 関西医科大学 医学部 【一般選抜/前期】過去問分析をご紹介いたします。
英語の出題形式/内容と適性
制限時間80分 マーク+記述 長文3題(400語から1500語と量には幅がある)
形式が安定しない大学の代表だったが、ここ2年は長文3題という形式が続いた。2022年度もこの形式で安定してくれると嬉しいが油断は禁物。記述も一部あるが、語句を答える程度でそこまで本格的なものではない。長文の中で語句整序や空所補充が求められる。
数学の出題形式/内容と適性
制限時間90分。空所補充+記述。2021年度は、標準的な問題が並び、学習成果が出やすかったが、難易度や形式がコロコロ変わるので安心はできない。
化学の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。大問4問。
標準レベル~難問まで幅広い難易度の問題が出題される。理論・有機の出題割合が多め。計算問題では応用力・思考力を要求される問題が多く、解答スピードも必要となる。また、実験結果からの考察を要求する問題も出題されており、単純な暗記だけで解ける問題は少ない。
生物の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。 選択式が多く、「すべて選べ」という形の複数完答型選択問題が多い。これには正確かつ詳細な知識が要求され、完答がかなり難しい。
1行程度の分量の論述問題や計算問題も多く出題される。代謝やバイオテクノロジー、受容器、恒常性など、ヒトの体に関連する分野の出題が多いが、小問集合では生態、進化、分類などの幅広い範囲の出題が見られる。
少し発展的な知識にまで学習を進められている方が望ましい。60分という時間に対して問題の分量は少し多め。計算力も含め素早い事務処理能力が一定以上必要。
物理の出題形式/内容と適性
理科2科目で120分。記述式。(ほぼ全ての設問で導出過程も問われる)大問4問。
難易度はやや難~難であり、題材や問題設定は受験生にとっては見慣れないものが多く、大学レベルの内容が噛み砕いて出題されることもある。そのため、かなり高度な読解力や思考力が必要となり、加えて時間的な余裕もないため、迅速で精度の高い計算力も要求される。ここ数年で、以前に比べるとは多少は易化した感はあるが(全ての大問が強烈に難しいわけではなくなったが)、それでも依然として高い完成度が必要となることに違いはない。
京都医塾の入試問題分析と相性評価
京都医塾では、毎年すべての入試問題を全教科の講師陣が実際に解いて、その大学の問題傾向を分析し、年ごとの傾向変化もしっかり把握しています。
その上で、入試直前期、受験校を決定する一助とすべく、すべての生徒に対して、『生徒ひとりひとりの学力分析(学習の習熟度やクセ、分野ごとの得意不得意など)』と『各大学の入試問題傾向分析』とを照らし合わせて、相性評価を作成いたします。
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