京都医塾英語科です。
このページでは「大阪大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“大阪大学医学部”の受験を考えている方
・“大阪大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式: 記述
制限時間: 90分
配点: 500点
出題の傾向と特徴
こでは2次試験の問題のみを扱います。
【2022年度の出題形式】
- 和訳2問
- 長文問題1問(うち、類義語選択5問、記述説明4問、内容一致選択1問)
- 自由英作1問
- 和文英作2問
【制限時間に対する問題量】
出題形式は王道で、一つひとつの設問自体も標準的な力を確かめる出題になっていますが、各設問にたいする記述量は非常に多いです。解答を頭のなかで出せても、それを採点者に読めるかたちでまとめあげるところまでが解答だとすると、それほど時間的余裕はありません。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(難易度:A標準、B標準)
(A)問題は、「犬は罪の意識を感じるか?」というテーマの文章を和訳する問題です。identifyをうまく日本語に訳出することが難しいと思われます。また、guilty lookも非常に日本語にしづらく、「和訳」というよりも「こういう意味だ・こういうことが言いたいはず」という判断に基づいた意訳が求められる問題です。構文に基づいた直訳しかできない、英語が苦手な受験生はこの部分で点が伸び悩んだのではないでしょうか。とはいえ、上記2か所以外はそこまで難しくないので、ある程度得点は取れるはずです。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割
(B)問題は、「宗教が衰退する理由」をあつかった文章を和訳する問題です。テーマ的に一般的な受験生のレベルを超えたものであるうえに、構文も若干難しくなっているので、大きく点を落とした受験生もいたと思われます。こちらは(A)とは逆に、しっかり構文を把握することである程度点になるタイプの文章で、意図的に(A)と(B)で傾向を変えているのかもしれません。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…6割
【第2問】(難易度:標準)
「人間の手が類人猿の手と比べてどれほど違うのか・優れているのか」を説明した長文読解問題です。昨年度に引き続き単純な下線部和訳がなく、記述問題は全て自分で解答に必要な箇所を見つけなければなりません。さらに、対応箇所そのものは割と簡単に分かっても、そこをうまく解釈するのが難しい問題もあります。また、類義語選択も語彙のレベルが高く、文脈をかなり正確に理解していないと解けないものもあり、単なる英語力だけではなく、思考力・想像力が問われるタイプの問題です。普段の学習から、しっかり文脈を追う読解練習をしているかどうかで点が変わったと思われます。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【第3問】(難易度:標準)
「AIが人に取って代わることができない仕事、あるいは取って代わって欲しくないと思う仕事」について、80語の英語で述べる自由英作文です。昨年度に比べて求められる語数が10語増えていますね。いつなんどき100語程度の自由英作になってもおかしくないように思いますので、普段から100-150語程度の自由英作を書き慣れておくことをお勧めします。ディスコースマーカーを効果的に用いて全体の構成に気を配り、文法的なミスを少なくすれば高得点が狙えます。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…8割
他教科を得点源にしたい受験生…7割
【第4問】(難易度:Aやや難、Bやや難)
(A)2022年度に限ったことではないのですが、とにかく阪大の英作は難しいですよね。難しいというか、思い切って簡単な日本語に変換してから英語にすることに慣れていないと、とてもじゃないですが書けないです。そして、「どれだけうまく日本語を英語で表せたか」よりも、まずは英語として成立し、「こういうことを書きたかったのだな」と採点者に伝わることが重要です。必死になって日本語を英語にしても、英語として正しくなく、採点者に意味が伝わらなければ元も子もありません。その意味では、「シンプルに、ただしミスなく」書くことが重要だと思って下さい。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【総評】
全体としては、昨年度より点を取りにくい問題が多く含まれている印象です。また、大問4つに対して制限時間は90分、しかもそれぞれの設問での記述量はかなり多いため、余裕は全くありません。したがって、いかに解答時間を捻出するかがポイントになります。たとえば、出題される形式は固定されているといってかまいませんから、いずれかの分野(和訳なのか、長文読解なのか、英作文なのか)が一つ得意で、解答の精度を高く保ちつつなるべく素早く終わらせることができれば、見直しをする時間も含め余裕がうまれるはずです。そうすることで、得点を上積みできるでしょう。
まとめ
というわけで、今回は大阪大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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