京都医塾英語科です。
このページでは「関西医科大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“関西医科大学医学部”の受験を考えている方
・“関西医科大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より)
形式: 記述+マークシート
制限時間:80分
配点: 100点
出題の傾向と特徴
形式に加え、大問数も固定されてきた2017年度以降の6年分についての傾向をまとめます。特に2022、2021、2020は大きな問題変更がありません。
【毎年恒例の出題形式】
- 長文問題(正誤、穴埋め、下線部和訳、記述(解答は英語))
- 会話長文問題(空所補充が中心)
- 長文問題(正誤、穴埋め、下線部和訳、記述(解答は英語・日本語))
【制限時間に対する問題量】
時間に比して、文章量・問題量が標準的です。ただし、文脈を整理したうえで、空所の適語を記述する問題は、関西医科の特徴ともいえる問題であり、ここに時間を取られる受験生が例年多い。大問1や3の小問3などの記述問題も他大学と比較して短めではありますが、一筋縄ではないものが多く、効率的な解法が求められます。
2022年度(最新の過去問)の分析
ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(難易度:標準)
首都圏において障害者割引を適用するICカードが導入されていないことを主題にしている文章です。文章量は標準的で、問題や語彙の水準も関西医科大学の入試問題としては標準の域は出ません。設問についても、内容正誤判断、空所補充、短文の和訳といった関西医科のいつも通りの問題が課されています。2019年までに独立した問題として登場していた、空所に文意を整理して適する英単語を入れる問題が形式を変えて課されていますが、解き方は大きく変わっていませんので、過去問を解く中で解法を身につければ問題なく対処できるでしょう。eligible forやbreeze pastのような語句問題も前からただただ読み進めるだけでは解くことが難しいのが関西医科の特徴ですが、文意を正確に整理して解くという点ではそのテンプレートともいえる問題でした。この後の設問にも共通して言えることといえば、パラグラフごとにかかれている内容を把握するだけでなく、そのパラグラフごとのつながりも把握しなければいけない部分が関西医科らしいといえるでしょう。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…75%
他教科を得点源にしたい受験生…65%
【第2問】(難易度:やや難)
近年出題頻度が上がっているヴィーガンをテーマに、ヴィーガン食を発酵によって生み出そうとする企業の取り組みを取り上げた文章です。文章量・文中の語彙の難易度は共に標準的です。しかし、問2の前置詞選択問題は教科書などでは通常触れることのない慣用句を中心に構成されており、前置詞のコアイメージがわかっているものから何とか文意を整理して埋めていく、消去法的な取り組み方をしないとなかなか得点するのは難しいでしょう。また、問5の同意でない語句を選択する問題は単純医選択肢の語句が難しく、聞いたこともない単語に翻弄された受験生が多かったことでしょう。日ごろからシスタンのような基本的な単語帳に乗っている単語を確実にものしながら、過去問で出てきた単語を併せて覚えていく習慣をつけていくとよいでしょう。
≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…72~75%
他教科を得点源にしたい受験生…63%
【第3問】(難易度:標準~やや難)
超高齢化社会においてロボットが果たしていくべき役割とそれに係る問題点に言及している文章です。文章・問題のレベルとしては標準的ですが、比較的長く、この分量の長文に慣れていない受験生は時間配分と、該当範囲の特定に苦労すると思われます。問題形式は大問1と同様であり、例年から大きな変更点はありません。関西圏の私立医学部は医療系の英単語をそこまで本格的に解かせるようなものはあまり見かけませんが、問3で課されたようなdementiaといった常識の範疇内のものからは課されます(どこの医学部でも一緒ですね)。シスタンメディカル程度の基本的な単語帳である程度知識をおさえておくと容易に解ける問題です。全体的に解きやすい大問ですので、ここで得点しておきたいですね。関西医科の形式を練習するのにうってつけといえます。
≪2021年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…75%
他教科を得点源にしたい受験生…68%
【総評】
以上より、関西医科大学医学部の英語は、問題自体が難解というわけではありませんが、問題量がある程度多く、効率よく解かなければ時間制限の厳しい試験であると言えるでしょう。ですので、解ける問題から解いたり、長文問題では先に問題を見るなど、問題を解く順序を考えることができると安定して得点できるようになるでしょう。
まとめ
というわけで、今回は関西医科大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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