京都医塾化学科です。
このページでは「北里大学医学部の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“北里大学医学部”の受験を考えている方
・“北里大学医学部の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:全問マーク式
制限時間: 50分(理科2科目で100分)
配点: 100点
出題の傾向と特徴
【毎年恒例の出題単元】
毎年、大問1は小問集合が出題されています。1問ずつ次々に処理していくために、素早く頭を切り替えて解く練習を積んでおく必要があります。出題内容は理論化学、無機化学、有機化学(高分子化合物を含む)と全分野に渡っているので、弱点の無い状態を作らなければなりません。
【制限時間に対する問題量】
50分で25題を解答しなければならないため、素早く解く力が無ければ時間が足りなくなり、完答は難しいでしょう。知識問題は確実に得点し、複雑な計算問題は後回しにするといった戦略も必要となります。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(小問集合)
無機化学と有機化学の分野からは基礎~標準的な知識問題が全単元から満遍なく出題されているので、苦手な単元があると高得点は望めないでしょう。典型的な問題を数多く解くことで知識を確実なものにしておく必要があります。一方で理論化学の計算問題については、硫化水素の電離において、与えられた未知数の関係をグラフから考える設問が出題されていました。見慣れない形式であり難易度が少し高めと言えます。このような見た事の無い問題については、知っている知識にどのように関連させれば解けるかといった思考力が必要となります。化学で高得点を目指したい人は、見た事の無い問題に対応するための練習も必要です。
【第2問】(無機化学)
気体の性質や乾燥剤、実験器具、平均分子量といった無機化学の内容からの出題です。いずれも難易度として決して高くはありませんが、例えば平均分子量を求める問題では潜水病の内容に触れながらの出題があり、文章が少し長くなっています。じっくり読んでみると潜水病の事を知らなくても解ける問題でしたが、時間をかけすぎてしまうと制限時間が50分と短いため全問を解き切るのが難しくなってしまいます。問われている内容を的確に捉え素早く処理する力が必要となります。
【第3問】(理論化学)
電池と電気分解の単元からの出題です。電気分解では陽イオン交換膜法により水酸化ナトリウムを生成する方法や、複数のイオン交換膜を用いた海水の濃縮や希釈を問う内容です。また、鉛蓄電池では放電後の電解質水溶液の質量変化が問われていました。どちらも典型的・標準的な出題パターンや難易度であるため、大問3は完答を目指すべきでしょう。
【第4問】(無機化学)
炭酸ナトリウムの工業的製法であるアンモニアソーダ法(ソルベー法)についての出題です。反応式がすべて与えられているため、計算問題の難易度は易しめと言えます。ただし、アンモニアのリサイクルを行わない塩安ソーダ法についての出題もあり、元々のアンモニアソーダ法での量的関係が把握できていなければ解答できない内容でした。アンモニアや二酸化炭素がどのようにリサイクルされているかをきちんと把握するなど、普段から丸暗記ではなく正しく理解する学習を意識しましょう。
【第5問】(有機化学)
有機化合物の元素分析と構造決定からの出題です。前半の2問は元素分析の問題で、いずれも基本的な内容です。後半の2問は過マンガン酸カリウムによる炭素間二重結合の開裂の問題です。やや発展的な内容ではありますが問題文中に丁寧に誘導が付いているので解くこと自体はそれほど難しくありません。ただし、その場で読み込んで解くという状況では解答時間が足りなくなる可能性があるので、一般的な問題集の発展的な内容についても一通り目を通しておくべきでしょう。
【総評】
全分野から満遍なく出題されているので、全体的に知識に弱点の無い状態を作る必要があります。また知識問題では選択肢の数が多く、さらに計算問題の分量も多いため、50分という制限時間は厳しいと言えます。問題文を的確に読み取り、素早く正確に処理する力を鍛えましょう。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…8.5割
他教科を得点源にしたい受験生…7割
まとめ
というわけで、今回は北里大学医学部の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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