京都医塾生物科です。
このページでは「北里大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“北里大学医学部”の受験を考えている方
・“北里大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:マークシート式
時間:理科2科目100分
配点:理科2科目200点
出題の傾向と特徴
用語を選択する問題や正誤を判断する選択問題など基礎的な知識を問われる形式から、計算問題や実験考察問題など多少発展的な内容に触れる出題まで多岐に渡ります。用語を問う問題は内容こそ標準的なものの選択肢が多いため、判断するのに時間がかかるのが特徴です。実験考察問題は非典型の内容が出題されることが多いため、初見の実験であっても内容を理解して考えることが求められます。
【頻出の出題単元】
細胞、代謝、遺伝情報、生殖・発生、動物の反応などの出題がやや多い傾向ですが、数年を通して見ると出題されていない分野は生態系くらいなので、どこが出題されてもおかしくないと考えて備えておく方がよいでしょう。
【制限時間に対する問題量】
全体の解答個数が多く、読解や計算、考察に一定の時間が必要となることから、時間配分を誤ると時間内に解き切れないという危険性が十分にあります。全体を俯瞰して解ける問題から着実に取り組む判断力が必要です。
2022年度(最新の過去問)の分析
2021年度までは大問3題の出題が続いていましたが、2022年度は大問2題になりました。その分それぞれの大問で扱われる内容が詳しくなっている印象です。さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
免疫についての出題でした。
問1は用語や知識を確認する問題が出題されました。1の空欄補充や2の抗体の多様性に関する計算問題などの典型問題は素早く解き切る事が大切です。3のTCR、4のMHC、5のアレルギー反応のしくみ、といった内容は教科書レベルの知識だけでは判断ができない選択肢が多く、かなり詳細なしくみまで理解しておくことが求められるものでした。人体における分子のはたらきについてはこのように詳細な内容まで問われることが多いため、図説などを用いて発展的な内容まで理解を深めておきましょう。
問2は移植実験に関する考察問題の出題でした。「皮膚の移植」と「リンパ球の移植」で攻撃を行う細胞と攻撃を受ける細胞には違いが生じます。それが結果にどのように影響するのか、を考えて予測することが求められました。実験2で出生前の胎児に異なる系統の細胞を移植した場合に起こる現象をもとにして、1の交配実験や実験5や6の結果について考えるのが少し難しかったのではないかと思われます。
【第2問】
動物の感覚についての出題でした。
問1は眼について、主に知識を問われる形式の出題でした。1や2でミスなく正しい知識を解答に反映することで確実に得点を取っていくことが必要です。3は視交叉の構造と視覚野への投影のしくみを正しく理解しているかどうかが問われました。神経の一部を切断するという形式の問題は典型的なものですので、類題を用いて考え方を確認しておきましょう。
問2は味覚について、受容器だけでなく神経系における情報伝達の流れにも着目した実験問題でした。チャネルロドプシンを利用して本来の刺激とは異なる刺激を与える、といった実験は珍しい題材で内容の理解に戸惑った受験生も多かったものと思われます。実験の意味を理解するのに時間をかけるために、問1を可能な限り素早く解いて、問2に時間を残すことが必要になりました。今回の実験は内容の理解ができれば考察の流れ自体は複雑では無いので、状況の理解・把握を要領よくできるように問題演習を通して経験を積んでおくとよいでしょう。
【総評】
標準的な問題で確実に得点を取りにいき、複雑な実験考察問題で出来る限り得点の上積みを狙う、という方針で取り組むべきであるという点では例年と大差はありません。2022年度は大問が減って出題分野が偏ったため、少し得点差がつきやすかったかもしれませんが、同じ傾向が2023年度も続くとは限りません。2021年度までと同様に大問が3問になる可能性も考慮に入れて、全ての分野について少し詳細な部分まで知識を確認・理解して備えておくとよいでしょう。
≪2022年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 7割
他教科を得点源にしたい受験生… 5.5割
まとめ
というわけで、今回は北里大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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