京都医塾化学科です。
このページでは「大阪医科薬科大学の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“大阪医科薬科大学”の受験を考えている方
・“大阪医科薬科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式: 記述・論述式(一部選択式)
制限時間: 2科目で120分
配点: 100点
出題の傾向と特徴
大阪医科薬科大学の入試問題では、理論化学と有機化学からの出題が多く、無機化学の出題は2019年度に硫化物沈殿に関する問題があったのみで、ほとんど見られません。しかし、2022年度には3年ぶりに無機化学の出題(合金、鉄の性質・反応)が見られました。次年度の入試にも無機化学が登場するかは不明ですが、無機化学分野も十分に仕上げておくことが理想です。また、有機化学の大問中に理論化学に関する出題が見られることもあり、理論化学の割合が大きいことが特徴です。
【制限時間に対する問題量】
60分で大問が4つであり、各設問の難易度も標準レベルが多いため、医学部入試においては一般的な問題量と言えます。年度によって多少異なりますが、計算が煩雑でない年度は余裕を持って解き終わることもできるでしょう。各年度ごとに大問1つは平易な問題が入っているため、素早く終わらせて、ほかの問題への時間配分の調整に活用しましょう。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(理論化学)
コロイドに関する出題です。コロイドに関する語句補充から始まり、コロイドの性質や特徴についての論述などが見られました。問5ではコロイド粒子についての論述問題が出題されており、受験生にとってはやや面食らった方も居たのではないのでしょうか。それ以外の大問は全て知識によって回答できるため、この大問では7割程度の得点を取っておきたいです。
【第2問】(理論化学)
熱化学、電池、中和に関する出題です。問1でややマイナーな反応の化学反応式が聞かれていましたが、問題文中の「毒性の極めて高い可燃性の炭素酸化物」が一酸化炭素であることに気付けば、水性ガスを知らなくとも容易に書けることでしょう。問3、4でも、単純な知識だけでは対応できない論述問題が出題されていましたが、問題文中のヒントを汲み取ることで正解にたどり着けた受験生が多かったと思われます。この問題は比較的易しい問題が多かったため、9割~完答を目指していきましょう。
【第3問】(無機化学、理論化学)
合金とめっき、電気分解、鉄イオンの反応に関する出題です。語句補充にて適切な語句を補充てきていれば、問4までの内容は容易に解答できるでしょう。問5のみ、考察問題が出題されていましたが、頻出の問題でもあるため、同じような問題を解いたことのある受験生も多かったのではないでしょうか。解いたことがなかった場合は問題文の説明を読み、理解して考察しなければいけないため、やや難易度の高い問題と言えるでしょう。問5の問題の類題を解いたことがあったかで差がついてしまいますが、7割程度の得点を取っておきたいです。
【第4問】(有機化学)
脂肪族炭化水素の構造決定に関する出題です。組成式・分子式の決定も数値が割り切れたため、容易に解けたことでしょう。それ以降の大問も平易な問題が多かったですが、唯一、問4でのシス-2-ブテンとトランス-2-ブテンの沸点をヒントとしてそれぞれの構造式を決定する問題だけやや考察力・思考力が求められました。問題文中の「分子全体の極性が大きく方が沸点が高くなる」というヒントから、「分子全体として極性が打ち消されるかどうか」を判断するという発想に転換できれば、これらの判別が可能でした。問4以外の設問は平易であったため、7~8割程度は取っておきたいです。
【総評】
今年度の問題では、計算問題が大問2,3,4に一つずつと、計算量が非常に少なかったため、高得点勝負となることが予想されます。細かい部分にも気を付けながら、ケアレスミスがないように正確に計算していきましょう。
論述問題が頻繁に出題されるため、問題集などで論述対策も必要になるでしょう。また、前述したように、平易な問題は素早く解き終わらせて、他の問題へ時間を使っていくことで、得点を稼いでいきましょう。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 6.5割
まとめ
というわけで、今回は大阪医科薬科大学の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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