京都医塾化学科です。
このページでは,川崎医科大学2022年度前期試験の化学の問題について分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“川崎医科大学”の受験を考えている方
・“川崎医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
におすすめの記事です。興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:選択式
時間:理科2科目で120分
大問数:3題
配点:100点
出題の傾向と特徴
【例年の出題傾向】
出題形式はマーク式の小問集合で、理論:有機:無機=55:35:10程度のバランスで出題されています。非常に基礎的な問題が多いですが、毎年1問程度、高分子など有機化学の発展的な内容を含む大問が出題されています。
2022年度(最新の過去問)の分析
ここからは、最新の入試問題を具体的に分析します。
(※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。)
【大問1(小問9題:理論・無機)】
(1)と(3)は元素と単体、化学変化と物理変化などの用語の理解を問う問題。(2)や(4)は原子や結晶格子の構造についての標準的な問題でした。(5)、(7)、(8)および(9)-2)は、理論化学と無機化学の基礎的な知識問題でしたが、(9)-2)のクロム(III)イオンの色は教科書を隅々までチェックしていないと難しかったかも知れません。(6)や(9)-1)は基礎的な理論計算で、大問全体としては基礎~標準レベルでした。
【大問2(小問9題:理論・無機)】
(1)はアルミニウムの工業的製法について基本的な知識を問う問題でしたが、銅の電解精錬など他の電気分解の記述を含んだ正誤問題であり、知識が正確に整理されている必要がありました。(2)は文字式を使った溶解度の問題で、溶解度の問題の解法をきちんと理解していないと難しかったかも知れません。難しいと感じた場合は、まず文字式を使わない通常の溶解度の問題の解法をしっかり定着させたあと、もう一度チャレンジしてみましょう。(3)~(5)および(7)、(9)は理論分野の基礎問題。(6)や(8)は浸透圧と平衡についての計算問題で、系の状態が明確にイメージすることが非常に重要な問題でした。このような問題が苦手な場合は、まず丁寧に図を描いて条件を整理することから始めてみましょう。
【大問3(小問8題:無機・有機)】
(1)~(3)は無機化学、(4)、(7)、(8)は有機化学の知識を問う基礎~標準レベルの問題。(5)は油脂の分子量と不飽和結合について、けん化価やヨウ素価との関連についての理解度が問われる問題でした。けん化価やヨウ素価については、計算手法を覚えるだけではなく、その値の大小が何を意味するのかというところまで理解しておきましょう。(6)は糖の還元性の有無を図から読み取る必要があり、少し答えにくかったかもしれませんが、ヘミアセタール構造による環状構造と鎖状構造の平衡状態がイメージできている人にとってはすぐに答えられる問題でした。
【総評】
難易度・問題形式・出題分野のいずれもここ数年の傾向通りでしたが、今年度は有機化学の発展的なテーマからの出題が無かったぶん、やや易化したと言えます。
【制限時間に対する問題量】
基礎問題は手際よく対処して、計算問題に時間を残しておきましょう。全体的に基礎~標準レベルのため、余裕をもって解き切って、計算間違いなどの見直しに時間をかけたいところです。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…9割
他教科を得点源にしたい受験生…6割
まとめ
というわけで、今回は川崎医科大学の2022年度の化学の入試問題についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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