京都医塾英語科です。
このページでは「愛知医科大学の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“愛知医科大学”の受験を考えている方
・“愛知医科大学の英語がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度(最新の問題より)
形式: マークシート
制限時間:80分
配点: 150点
出題の傾向と特徴
形式に加え、大問数も固定されてきた2017年度以降の5年分についての傾向をまとめます。
【毎年恒例の出題形式】
①文法・語法・イディオム問題
②スペリング問題(英語で書かれた定義から語を推測し、そのスペルを答える)
③語句整序問題
④脱語句補充問題(70 words~150 wordsの文章の適切な場所に語句を挿入する)
⑤長文問題(3題)
【制限時間に対する問題量】
決して分量が多いわけではないですが、「けっこうギリギリだった」と感じる受験生も多いのではないでしょうか。
2022年度(最新の過去問)の分析
ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(難易度:難)
2022年度入試では昨年度入試までと比べ、受験参考書ではあまり扱われないような表現の出題が増えました。「知らない問題が出てきた、あまりできなかった」という不安を抱く受験生も多いのではないでしょうか。ただ、そういう問題は他の受験生の多くができなかった可能性が高い問題なので、あまり不安を引きずることのないようにして下さい。「知らないと解けない」問題は長時間考えることにメリットがありません。分からないときはさっさと次の問題に移るという素早い判断も重要です。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【第2問】(難易度:標準)
苦手な人はとことん苦手な問題ですね。そもそも「定義を見て単語を推測する」という作業に慣れていませんし(しかも定義が英語で書いてある)、スペルが分からないという人も多いでしょう。勉強法としては、普段から英英辞典を引いたり、英作文を書き添削してもらうことを日常的にすることが考えられますが、こんな勉強を普段からしている受験生はあまり見たことがありません…。しかし、「絶対愛知医科大学に行きたいんだ!」という強い気持ちを持っている人は、英英辞典を調べたり、単語を覚えるときにスペルも一緒に書いて覚える作業をぜひしてみて下さい。ここで点を稼げると他の受験生に差をつけることが可能なセクションです。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【第3問】(難易度:標準~難)
一見何の変哲もない語句整序問題なのですが、思いのほか難しいと感じる受験生が多いのではないでしょうか。大きな原因は、設問に書かれている日本語です。これが実はひっかけになっていて、日本語に引きずられると答えが出ない仕掛けになっています。あるいは、「いかにもつながりそうな単語が実はつながらない」という問題もあり、いずれにせよ一筋縄ではいきません。対策としては…うーん、地道に考える、としか言いようがありません。ただ、3か所の組み合わせで答える形式になっているので、「どう考えてもこの単語がこんな場所に来るわけないだろ」という選択肢を消していくというアプローチもありますので、完璧に答えが分からなくても解ける可能性もなくはありません。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…2問中2問
他教科を得点源にしたい受験生…2問中1問
【第4問】(難易度:標準~難)
他の私立医学部ではあまり見かけない形式のせいか、私が指導している生徒さんの多くはこの問題を苦手にしています。解き方としては、①挿入する語句(節)の品詞を考え、②指示された空所に入ることが品詞的に可能か判断し、③可能なら意味的に正しくなるかどうかを判断する、というプロセスしかないと思います。形式に慣れるため、過去問でしっかり練習しておく必要がある問題です(2015年度入試まで遡ることができます)。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…4問中3問
他教科を得点源にしたい受験生…4問中2問
【第5-7問】(難易度:標準)
いわゆる長文読解問題ですが、愛知医科大学の特徴は空所補充問題が数多く出題されるところにあります。今年も9個の空所に9個の選択肢を入れるという問題が出ています。①選択肢の品詞を判断する②空所に入る品詞を判断する③空所に入る可能性がある選択肢を絞る④意味的に適切な選択肢を正解として決定する、というのが基本的な流れなのですが、一見すると「動詞」と思える単語が名詞として使われていたりするので、そう単純には解けない仕掛けになっています。しかも、9個の空所に9個の選択肢ですから、1問間違えると自動的に2問間違えることになるので、慎重に解く必要があります。でも、ゆっくりやってると時間が無くなる!という悪循環に陥るので、過去問を解いて形式に十分慣れておく必要がある設問と言えるでしょう。
その一方、内容一致問題は「3つの設問全てで正しい答えを選ばないと正解できない」という形式になっており、解くのにかかる時間に対して稼げる得点が割に合わない可能性があります(この問題だけ配点が高い可能性はあるにせよ)。時間が足りなくて困っている受験生は、内容一致は「余裕があれば解く」くらいの気持ちで対処してもよいと思われます。
≪2022年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生…7割
他教科を得点源にしたい受験生…5割
【総評】
全体として愛知医科大学の英語は「得点が伸びにくい」と言えます。他の大学ではあまり見かけない形式の問題が多く出題されていることは間違いありませんので、過去問を2015年度くらいまでは遡って解き、「愛知医科大学的な問題」に十分慣れておく必要があるでしょう。また、本番で「できた」という感触が得にくい問題でもあるので、仮に「うまくいかなかった」と感じても落ち込みすぎないようにしたいものです。
まとめ
というわけで、今回は愛知医科大学の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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