京都医塾生物科です。
このページでは「東北医科薬科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“東北医科薬科大学医学部”の受験を考えている方
・“東北医科薬科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:マーク式
時間:理科2科目120分
大問数:4題
配点: 100点
出題の傾向と特徴
マーク式です。生物・生物基礎の範囲から出題されますが、2021年度・2022年度は「生態と環境」「生物の進化と系統」の分野は除かれています。知識問題、実験考察問題や計算問題も含まれており、知識問題は、一部高校範囲を逸脱しているものが含まれています。実験考察問題は手順が多くて多少面倒です。またグラフや図表の読み取りが煩雑で小問数のわりに時間を食うので、時間配分に注意しながら丁寧な解答を心がけましょう。
【頻出の出題単元】
「遺伝情報の発現」は毎年出題されています。「細胞と分子」「生物の生活と環境」もほぼ毎年出題されています。
【制限時間に対する問題量】
大問数は従来3問で本年から4問になりましたが、時間不足というほどではありません。マーク式で小問の数も多くはありませんが、考えさせる設問が多いので一部の問題に時間を使い過ぎないようにしましょう。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
酵母のアミノ酸代謝に関する出題です。問1は基本事項を知っていれば解答できますが、問2はより複雑かつ高度な問題となっており、ほとんどの受験生が面食らうでしょう。例えば知識を問う問題では、問2の(1)が8種類のアミノ酸の構造式からロイシンとグルタミン酸を選ぶ問題、(2)は別の8種のアミノ酸からヒトの必須アミノ酸を選ぶ問題となっています。実験考察問題でも酵母のロイシン輸送体(タンパク質)に関する2つの変異株についての実験を行い、結果を解釈させる複雑な論理構成の問題となっています。
【第2問】
心臓の左心室内の容積と圧力の変化に関する問題です。心臓の各部分の名を答えさせるような基礎的な設問はなく、問1からいきなり容積―圧力曲線の意味を問う内容になっています。圧力が変化するときには容積はほぼ一定で、容積が変化するとき(つまり左心室が膨らみつつあるか、縮みつつあるかのとき)には圧力は大きく変化しません。この原則を利用して弁の動きを想像しながら考えると正解に達することが出来るでしょう。この問題ではさらに弁の異常で血液が通りにくくなる場合、異常が起きた弁の場所によって容積―圧力曲線はどのように変化するかが問われています。
【第3問】
細胞周期の問題です。「ヌクレオチド二リン酸レダクターゼを阻害する」など聞きなれない言葉が頻出して難問に見えますが、要するに「高濃度チミジンを添加している間だけS期の細胞が細胞周期を停止する」ということさえわかれば、算数・数学で出てくる電車のダイヤグラムのような要領で正解できます。この問題は小問数も少なく、後半も平易ですので出来れば満点を狙いたいところです。
【第4問】
両生類の初期発生における中胚葉誘導に関する問題です。小問数も少なく、教科書をしっかり学習した生徒が落ち着いて解けば特に解答困難な問いではないでしょう。
【総評】
最大の特徴は大問ごとの難度やボリュームに大きな差があることです。問題全体でマークする所が38か所ある中で、大問1が23か所を占めています。大問1は難度も高く、分量も多い問題です。大問2~4はそれぞれ5,4,6か所で、問題の難度も大問1に比べて低くなっています。このことを考えて時間配分せず、単純に「1問15分」で解こうとすると焦って失敗する危険があります。試験時間のはじめに問題全体を見て、時間配分のおおよその見当をつけ、解きやすい問題から素早く解くと、あなたの実力を十分発揮できるでしょう。
≪2022年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割
まとめ
というわけで、今回は東北医科薬科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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