京都医塾生物科です。
このページでは「獨協医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“獨協医科大学医学部”の受験を考えている方
・“獨協医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:マーク式
時間:理科2科目120分
大問数:5題
配点: 100点
出題の傾向と特徴
マーク式です。生物・生物基礎の範囲から出題されますが、「生態と環境」「生物の進化と系統」など他の医大では出題が少ない分野からも出題されています。単純に解答を選択する問題だけではなく、適語の組み合わせを選択する問題や計算結果を答える問題もあります。
【頻出の出題単元】
「代謝」、「遺伝情報の発現」、「生殖と発生」、「生物の生活と環境」、「生態と環境」などが良く出題されています。
【制限時間に対する問題量】
大問数は5問で、やや時間不足です。全問を必ず解かねばならないと考えるのではなく、解ける大問から素早く解いていくことが高得点への道です。
2022年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
Aの部分が心臓と循環系、B・Cの部分が免疫の問題になっています。心臓の問題は基本事項がほとんどですが、「循環系=血管系+リンパ系」など間違いやすい知識も問われるので気をつけましょう。免疫の問題はBが主に知識を問う問題です。正誤問題では文中の細かい誤りを発見しないと正解できないようになっています。Cは実験考察問題で、皮膚移植片の生着に関する標準的な内容です。
【第2問】
Aの部分は解糖系に関するやや細かい知識を問う問題です。ATPの構造式の僅かな違いを区別することが求められています。Bの部分は遺伝子組み換えによってアルコール発酵・呼吸と同時に乳酸発酵も行うようになった酵母について、吸収した酸素と放出した二酸化炭素の量から各反応の割合を推計する問題です。やや複雑ですから落ち着いて計算しましょう。
【第3問】
分子遺伝の問題です。Aの部分は遺伝とホルモンに関する基礎知識を問う問題で、BとCの部分が遺伝情報の発現の調節に関する問題となっています。Bではラクトースオペロン、Cでは真核生物の遺伝子発現の調節が問われていますがいずれも教科書レベルの知識があれば正解に到達できます。
【第4問】
発生と遺伝に関する問題です。Aの部分は植物の配偶子形成と受精に関して基礎知識を問うものです。Bの部分は遺伝の問題ですが、補足遺伝子の2つの遺伝子が不完全連鎖しているという、やや複雑な設定になっています。交配表を慎重に書けば正解に達することが出来ます。
【第5問】
生態と環境の問題で、Aの部分は個体群の分布に関する基礎知識を問う問題で、標識再捕法の計算も求められています。Bの部分では個体群の成長曲線が扱われ、実験環境下での環境収容力をグラフから求める問題となっています。Cの部分ではワタリバッタの相変異やオオシモフリエダシャクの工業暗化など個体群生態学で有名な現象が扱われています。
【総評】
最大の特徴は問題が多いことです。大問の数は5問ですが、それぞれがA、B・・と2または3の部分に分かれています。各部分の内容には連続性が無いので、解きやすいものから素早く解いていく必要があります。時間管理が要求される問題だと言えるでしょう。反面、問題の難易度はそれほど高くないので、同じ形式の問題を練習しておくことで比較的簡単に高得点が達成できるでしょう。
≪2022年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割
まとめ
というわけで、今回は獨協医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。