京都医塾化学科です。
このページでは「聖マリアンナ医科大学の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“聖マリアンナ医科大学”の受験を考えている方
・“聖マリアンナ医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:記述式
制限時間:理科2科目で150分
配点:100点
出題の傾向と特徴
【毎年恒例の出題形式】
例年、行数指定の論述問題が多く出題されています。教科書に登場する用語などについて、定義をきちんと理解しておくとともに、30~50字程度でまとめられるような練習をしっかりとしておきましょう。また、実験操作に関してもよく出題されるので、各種実験器具の用途や使用方法についてもしっかりと押さえておきましょう。
【制限時間に対する問題量】
2020年度までは大問数が3~4問で、75分内で間に合うかどうかの分量でしたが、2021年度、2022年度は大問数が2問に減少しており、各問題にそれなりに時間を掛けても十分に間に合う制限時間となっています。標準的な出題が多いので、一問一問を取りこぼすことなく、丁寧に解答することで合格に近づくでしょう。
2022年度(最新の過去問1/28分)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】(直鎖アルコールの性質・反応・分子式決定、単分子膜)
問1:有機化合物の水溶性に関する論述問題でした。親水基と疎水期の兼ね合いから水溶性が決まることをきちんと押さえておきましょう。
問2(1):液体同士の混合により体積が変化することについての論述問題でした。アルコール、水分子が水素結合することに言及できたかどうか。
問2(2):アルケンの付加反応に関する問題でした。付加反応を利用した検出や付加重合については基本なのできちんと押さえておきましょう。
問3(1)、(2):元素分析から分子式を決定する問題でした。基本問題です。
問3(3):カルボン酸、アルデヒドの検出に関する問題でした。論述はありますが、基本知識で解答できます。
問4:高級脂肪酸の単分子膜でアボガドロ定数を求める実験についての問題でした。実験の概要と、その計算方法については頻出事項なので、きちんと押さえておきましょう。
【第2問】(リン化合物の反応と性質、同素体、リン酸ナトリウム水溶液のpH)
問1(1):リン酸カルシウムとけい砂の反応式を答える問題でした。見慣れない反応ですが、問題文中に生成物が書かれているので平易でした。
問1(2):一酸化炭素の性質をきちんと理解していれば平易な問題でした。
問1(3):同素体に関する問題でした。定義、黒鉛の同素体ともに基本事項です。
問2:リンの燃焼で得られた十酸化四リンをリン酸にする反応に関する計算問題でした。十酸化四リンは酸性酸化物であり、こうした反応を起こすことは基本事項です、しっかりと押さえておきましょう。
問3(1)、(2):リン酸の多段階電離に関する電離平衡の問題でした。緩衝液に関する知識が理解できているかどうかで大きく出来が変わったものと思われます。特に、(2)のグラフから電離定数を求める問題は近年様々な大学で頻出なので、考え方をきちんと理解しておきましょう。
問3(3):緩衝液のpHを求める問題でした。使うべき電離定数の判断と、計算を手早く行えるようにしておきましょう。
【総評】
基本的な問題が多く、時間的にもそれなりに余裕のある問題構成でした。各論述や、第2問のpH計算で差がついたものと思われます。論述問題に対する対策をきちんと行えていたかどうか、また理論化学の計算問題に習熟できていたかどうかで合否がわかれたでしょう。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…8~9割
他教科を得点源にしたい受験生…7~8割
まとめ
というわけで、今回は聖マリアンナ医科大学の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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