京都医塾化学科です。
このページでは「金沢医科大学の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“金沢医科大学”の受験を考えている方
・“金沢医科大学の化学がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2022年度
形式:マークシート方式
制限時間:理科2科目で90分
配点:75点
出題の傾向と特徴
【毎年恒例の出題形式】
小問集合形式で、例年30台前後が出題されています。理論化学が最も割合が多く、出題分野も多岐に渡るので、苦手をつくらないような学習を心掛けましょう。計算問題の割合も多いので、ケアレスミスなどが無いように正確に解く訓練も必要になります。典型的な問題が多く並ぶので、基本的な知識と、典型的な解法については確実にマスターしておきましょう。
【制限時間に対する問題量】
解答時間が他の大学に比べると短いので、計算問題等にあまり時間をかけている余裕はありません。上述のとおり、典型的な問題が並ぶので、それらを解くために、立式等を手早く行えるように訓練しておきましょう。
2022年度(最新の過去問1/28分)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【出題内容】
(1):結晶の分類に関する問題でした。各元素が作る結合とそれによりつくられる結晶については基本事項なので、きちんと理解しておきましょう。
(2):周期表上で原子量と原子番号が入れ替わっている元素について答える問題でした。やや細かい知識なので、答えられなかった人も多かったでしょう。
(3):酸・塩基に関する正誤問題でした。酸・塩基、それらの強弱や塩について定義をきちんと押さえられていたかどうか。
(4):気体の発生についての正誤問題でした。気体の発生方法と気体の性質は基本事項なのでしっかりと押さえておきましょう。
(5):エステル化に関する計算問題でした。アジピン酸が2価カルボン酸であることに注意すれば計算は容易。
(6):酢酸の電離度・電離定数・pH計算に関する問題でした。近似が使えない条件に気を付けて計算出来れば、あとは典型的な問題でした。
(7)(ⅰ):付加反応、付加重合に関する空欄補充問題でした。基本事項です。
(7)(ⅱ):炭素間二重結合・三重結合の検出に関する問題でした。基本事項です。
(7)(ⅲ):同位体と付加生成物に関する問題でした。同位体の存在比から生成物の存在比を確率的に求める問題は頻出なので、しっかりと理解しておきましょう。
(7)(ⅳ):ポリスチレンの用途を答える問題でした。高分子化合物の用途については様々な場面で問われるので、しっかりと押さえておきましょう。
(7)(ⅴ):ポリスチレンの平均重合度を求める問題でした。典型問題なので、取りこぼしの無いようにしたい。
(8)(ⅰ):核酸中の五炭糖の構造を選ぶ問題でした。穴になりやすい分野ですが、しっかりと押さえておきましょう。
(8)(ⅱ):核酸中の有機塩基に関する空欄補充問題でした。こちらも基本事項です。
(8)(ⅲ):ヌクレオチドの重合における結合箇所を答える問題でした。基本事項です。
(8)(ⅳ):塩基対同士が水素結合していることを答える問題でした。基本事項です。
(8)(ⅴ):有機塩基の組成割合とDNAの質量に関する計算問題でした。どちらも典型的な問題です。
【総評】
基本問題、典型問題が多く並ぶ問題構成でした。難問の類はなかったので、各問題をどれだけ取りこぼしなく正答できたかで合否が変わってきたものと思われます。計算問題の割合がやや高いので、制限時間内に全ての問題に解答できるよう、日々の演習から計算速度を意識して学習に取り組んでおきましょう。
≪2022年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生…7~8割
他教科を得点源にしたい受験生…6~7割
まとめ
というわけで、今回は金沢医科大学の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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