京都医塾英語科です。
このページでは「北里大学医学部の英語」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“北里大学医学部”の受験を考えている方
・“北里大学医学部の英語がどのような問題か知りたい”という方
オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2023年度
形式: マークシート択一式
制限時間: 70分
配点: 150点
出題の傾向と特徴
2022年度より大問2に類語選択問題が加わり、他の大問でも問題数や形式が少し変更されましたが、出題の狙いについては前年度と大きく変更はありません。
大問1:長文読解(12題)
大問2:(NEW!)類語選択(5題)
大問3:文法問題(8題より5題に変更)
大問4:中文空所補充(5題)
大問5:長文読解(4題より3題に変更)
大問6:長会話文読解(空所補充+内容一致の形式に変更)
大問7:語句整序(2題)
【毎年恒例の出題単元】
全範囲より
【頻出の出題単元】
全範囲より(単元を絞った学習はむしろ逆効果です)
【制限時間に対する問題量】
全体的に文章量が多いわけではありませんが、問題数が多いため、場合によっては長文問題に捨て問を作らなければ制限時間を超えることがあります。ただし、各大問ごとに解き方の法則がある程度決まっているので、それを把握し効率的に解くことができれば制限時間内に解くことが可能となります。
2023年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
問題形式は、空所補充が6題、空所に文章を挿入する問題が1題、下線部の意味や内容を問う問題が2題、そして内容一致問題が2問で合計12題となっています。内容的には、「地球規模での食料システムの見直し」をテーマとしており、環境問題系テーマと少し重複するところもあるので、比較的読みやすい文章と言えるでしょう。語彙は標準以上のものは多くはありません。例年の北里大学の大問1とは異なり、医療系の語彙も少なかったですが、この傾向が続くとは言い切れませんので、基本的な医療系英単語は、『シスタンメディカル』などで事前に確認しておくとよいでしょう。
問題は時間です。以降の大問を考えると25分以内で第1問を解き切る必要があります。解法的には共通テストや一般的な私立医学部と大差ありませんので、並列関係やディスコースマーカーを効果的に使いながら内容を理解すれば時間短縮が可能でしょう。それでも時間が厳しいのであれば、内容一致問題があらかじめ課されていることを確認しておき、その他の小題を解きながら本文内容や筆者の意見などを覚えておく、といった解き方の工夫を設けるとよいでしょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 12問中9問以上正解(空所補充はすべて正解したい)
他教科を得点源にしたい受験生… 12問中7問以上正解
【第2問】
2023年度より新設された、短文中の下線部の語彙と類似する意味の語句を選択肢より選ぶ問題です。下線部、選択肢共に標準的な語彙しか使われていませんので、難しいと感じる人は少ないでしょう。日ごろから受験標準レベルの語句を確実に定着させることで1問も取りこぼさないようにしましょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 5問中5問
他教科を得点源にしたい受験生… 5問中4問
【第3問】
特段珍しいも出題されない標準的な難易度の文法問題です。語法系の問題が少なく、多角的に文法を考えさせる問題が多いことが特徴でしょうか。また、文法問題にしては文が長いものが出題されますが、内容を読まなくても選択肢を切れる問題もあれば、そうでない問題もあります。「できるだけ速く解きたい」と感じる問題ですが、選択肢の品詞や問題文の構文を正確に把握しながら取り組み確実に点を稼ぎたいところです。感覚的に訳しながら解いてしまうと無駄に時間がかかりますので、効率的な解き方を見つけ出せるかがカギとなります。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 5問中5問
他教科を得点源にしたい受験生… 5問中4問
【第4問】
問題は語法・文法問う問題と、文意を把握するものが混在しています。ですので、英文の内容だけではなく、選択肢をしっかり読み込むことが必要です。本文および選択肢の単語は標準的なものしか出ませんので、日ごろから真面目に暗記学習に取り組んでいる方は苦戦しないでしょう。速読と音読を組み合わせて、前から一読で文意を取る訓練をしておけば確実にものにできる問題ばかりです。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 5問中4問
他教科を得点源にしたい受験生… 5問中3問
【第5問】
前年度同様、本文内容一致問題が3題出題されました。テーマは、「メイヨークリニックの歴史」という医療系寄りの人文科学ネタでした。内容や語彙レベルは標準的ですので、日ごろの読解学習の中で、本文に取りかかる前にあらかじめ選択肢を吟味し、出題者側が問うている内容を正確に把握する練習を積んでおきましょう。本文中に該当範囲を見つけることさえできれば苦戦することなく設問は解くことができるでしょう。下線部と意味が類似する選択肢を選ぶ問題は比喩的な内容の問題が出題されました。それでも、パラグラフ内容と全体的な文意をまとめながら読む癖をつけておけば十分対応可能です。
気を付けたいのは、北里大学は大問1もしくはこの大問で医療系の語彙が出題される傾向があるということです。基本的な医療系語彙は確認しておくことをお勧めします。単語帳でなくとも、過去問を数本解く中で出題された語句をまとめ、暗記するだけでも効果的でしょう。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 3問中3問
他教科を得点源にしたい受験生… 3問中2問
【第6問】
昨年の本文内容一致問題のみの形式から、5つのセリフを会話文中に設けられた5箇所の適する空所に入れる形式+本文内容一致1問へと変更されています。本文・選択肢中の語彙や表現に難解なものはありませんので、前からしっかり読み、話の情景や話者の意見をまとめながら読めばそこまで難しくはありません。各話者の意見など読み取れた情報を、適宜空白にメモしておくと解答が非常に楽になります。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 6問中5問
他教科を得点源にしたい受験生… 6問中4問
【第7問】
一応「文整序問題」と言えますが、文も長く、適語を挿入するところも飛び飛びになっているので、北里大学独特の形式と言えます。例年通り2問出題されていますが、どちらも和文が若干堅苦しく、解答のポイントとなる表現も品詞判断や語法が難しいことが多いので、並べ替え問題が得意という人でも苦戦する可能性があり、時間に対するコストパフォーマンスは悪いと言えます。パラグラフ全体の構文を把握するよう徹底し、品詞や語法、文法を総動員して取り組むことが要求されます。それでも、筆者が指導を担当した生徒は、一度正しい解き方や視点を獲得できて以降、失点することはなくなりましたので、コツをつかめば周りと差をつけることができる問題でもあります。ですので、志望度が高い受験生は過去問をやりこんで物にしておくことを強く勧めます。
≪2023年度の目標値≫
英語を得点源にしたい受験生… 2問中2問
他教科を得点源にしたい受験生… 2問中1問
【総評】
全体として難問・奇問は出題されておらず、しっかりとした英語力さえあれば得点できる問題になっていますが、とにかく時間に対する分量が多い。過去問を数年分解いてみて、あまり点が取れないことがわかった問題にはあまり時間をかけない、あるいは解法面を工夫するなどの対策が必要になる人もいるでしょう。その意味では制限時間をしっかり守って、各設問に効率的に取り組むことが非常に重要な大学です。
まとめ
というわけで、今回は北里大学医学部の英語についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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