京都医塾生物科です。
このページでは「近畿大学医学部の生物」2023年の出題を分析します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“近畿大学医学部”の受験を考えている方
・“近畿大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2023年度
形式:記述式
時間:理科2科目120分
大問数:3(前年まで4)
配点:理科2科目200点
出題の傾向と特徴
大問数が4問から3問に減少したのが大きな変化です。小問数は昨年が6,8,9,4の合計27問、今年が8,11,6の28問となっており全体として小問数の多い長い問題が増えたことになります。記述問題の数は昨年が8、今年が7。平均字数はともに約60字で大きな変化はありませんが大問が減ったのに記述小問が増えているので記述問題のウエイトは大きくなっています。問いの難度としては基礎知識を答える問題が非常に多く、記述問題も多く、計算や論理的な問題は少ないという近大の従来の傾向は維持されています。以上から、全体として「やや難化した」と言えます。
【頻出の出題単元】
今年度、大問数が3問に減ったにもかかわらず、遺伝情報の問題が2問も出題されているのが大きな特徴です。今後もこの傾向が続くかどうかは分かりませんが、本学受験生にとって遺伝情報の単元は最重要且つ必須であることは間違いありません。
【制限時間に対する問題量】
例年以上に文字数の制限がある論述問題が多く出題されていましたので、論述問題の経験値に左右されると思います。一方でこれも例年通りですが複雑な計算や細部までの読解を要求する問題は少なかったので、時間内にすべての問題に着手することは十分に可能です。
2023年度(最新の過去問)の分析
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【1 遺伝情報】
遺伝子導入の実験といわゆるブルー・ホワイトセレクションに関する典型問題です。類題を一度解いたことがあれば迷わず正解に達することができるでしょう。語句を答えさせる問題はすべて基本用語なので必答です。実験結果を答えさせる記号式問題も慎重に考えると落とすことはないでしょう。50字の論述問題が2問ありますが、1問(逆転写酵素を使用してcDNAを作成する理由)は非常に良く問われる内容なので、模範的な解答文は覚えておいた方がいいでしょう。
【2 恒常性、血液】
血液に関する出題で、50字以内の記述1問を含め内容は標準的ですが細かい知識を問われます。ヒトの体重に対する血液の割合、ヒトの血液のpHの正確な値、赤血球の数、ヘモグロビンの分解産物、酸素濃度によるヘモグロビンの色の変化、凝固因子を産生する器官など、いずれも教科書内容ではありますが忘れている人が多いでしょう。グラフ(酸素解離曲線)を描かせる問題がありますが、普通に勉強していれば問題なく描けます。
【3 遺伝情報】
細胞の初期化とクローン技術を素材とした問題。前2問に比して難度が高くなっています。記述式解答の1問は150字以内と長く、内容も一見して何を書けばいいか分かりにくいものとなっています。語句を答える問題でも、ピリミジン(ダイマー)、エピジェネティクス、ヌクレオソーム、(DNAの)アセチル化・メチル化などあまり出題されない語句が多くなっています。記述式の問いは15字以内、60字以内、150字以内、50字以内と実に4問も出題されています。2023年に限って言えば、この問題3でどれだけ得点できるかが合否の分かれ目になったと思われます。
【総評】
数年前の近畿大学で見られた「空欄が多く読みにくい」、「免疫の細かい知識が要求される」といった難しい設問は見られませんでした。知識問題が圧倒的な分量で、基礎知識を覚えていない受験生は不利というか合格の見込みはほとんどないと言えます。本学の出題傾向は明確なので、教科書を丁寧に何巡も読み返し、基礎的な単語はすべて書けるようにすること、そして標準難度の問題集、特に記述問題に多く取り組むことで満点近い得点も狙えます。
≪2023年度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割
まとめ
というわけで、今回は近畿大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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