京都医塾生物科です。
このページでは「獨協医科大学医学部の生物」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“獨協医科大学医学部”の受験を考えている方
・“獨協医科大学医学部の生物がどのような問題か知りたい”という方
にオススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2024年度
形式:マーク式
時間:理科2科目100分
配点:理科2科目200点
出題の傾向と特徴
生物・生物基礎の各範囲から出題されますが、「生態と環境」「生物の進化と系統」など他の医大では出題が少ない分野からも出題されています。単純に解答を選択する問題だけではなく、適語の組み合わせを選択する問題や計算結果を答える問題もあります。
【頻出の出題単元】
「代謝」、「遺伝情報の発現」、「生殖と発生」、「生物の生活と環境」、「生態と環境」などがよく出題されています。
【制限時間に対する問題量】
2科目100分に対して大問が5つあり、問題量が多く、一部に難易度の高い設問が含まれているため、時間内に全て解くのはかなり厳しいです。全問を必ず解かねばならないと考えるのではなく、解ける大問を選択してできるところから素早く解いていくことで得点を伸ばしましょう。
2024年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。獨協医科大学の入試は2日間ありますが、以下の分析は1日目(1/21実施分)についての内容です。
【第1問】
呼吸と発酵に関する問題でした。
化学反応の過程について、少し詳しい知識まで問われる問題になっていました。1つ1つの過程においてどのような酵素が関与して何が生じるか、生成物が次に何に用いられるか、などが正しく理解できている必要があります。反応阻害により影響を受ける範囲を判断する際に、反応の流れを理解していることは非常に重要です。
【第2問】
遺伝情報の発現に関する問題でした。
Aの転写、Cのオペロン説の問題は、根本のしくみを理解して知識を身につけていれることが必要な問題でした。核酸の方向性などを扱う問題は出題頻度が高いので、正しく理解しておきましょう。Bの選択的スプライシングの問題は、確率の計算を行う必要があるものでした。生じるmRNAの組み合わせを考える様式の問題は、他の条件での出題もよく見られます。類題を多く解いて対応できるようにしておきましょう。
【第3問】
植物の環境応答に関する問題でした。
植物ホルモンや光受容体の名称やはたらきは、似ているものを区別できるように整理して覚えましょう。CのABCモデルの問題は、遺伝子の発現状況から花構造を推測したり、逆に花構造から遺伝子の発現状況を推測したり、と思考力を問う形になっていました。調節遺伝子のはたらきと形態形成については新課程で扱いが大きくなっている領域ですので、動物の発生も併せて確認しておきましょう。
【第4問】
個体群と生物多様性に関する問題でした。
教科書レベルの知識を正しく理解できていれば対応できるものが多かったものの、「メタ個体群」といった聞き慣れない概念について問われるものもあり、戸惑った受験生も多かったのではないかと思われます。多様性や環境問題も含めて、図録などを用いて詳しい知識にも目を通しておきましょう。
【第5問】
生物の進化に関する問題でした。
この分野の知識問題は複数の選択肢の正誤を組み合わせて判断する必要がある形式での出題が多いため、根拠を持って選択することができるように知識習得に努めましょう。ハーディ・ワインベルグの法則や分子系統樹の計算問題は、他の大学も含めて出題頻度が上がる可能性が高いため、典型的な問題は着実に解けるようにしておきましょう。
【総評】
問題を処理する速度と基礎的な内容に対する安定感が求められます。1日目の問題全体を見渡すと、特に第1問に少し解きづらいものが多かったため、前から順に解いていると時間配分に失敗する可能性が高かったように思われます。出題される分野が幅広いため、高校で学習する範囲全体を満遍なく丁寧に学習して知識を蓄えて臨みましょう。
≪2024度の目標値≫
生物を得点源にしたい受験生… 8.5割
他教科を得点源にしたい受験生… 7.5割
まとめ
というわけで、今回は獨協医科大学医学部の生物についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
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