京都医塾数学科です。
このページでは「藤田医科大学の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“藤田医科大学”の受験を考えている方
・“藤田医科大学の数学がどのような問題か知りたい”という方
におススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
目次
概要
【形式・制限時間・配点】2024年度(最新の問題より)
形式: 第1問マークシート形式、第2、3問記述式
※マークシートには、 ア イ ウ に32を答える場合、032として答えなければならない特殊なものがあります。注意事項はきちんと読むようにしましょう。
制限時間:100分
配点:200点(筆記試験の総得点は600点)
※英語、数学の第1問には基準点(約50%)が設けられており、それに満たない場合は、その時点で不合格となります。
出題の傾向と特徴
2017年度以降の6年分についての傾向をまとめます。
【頻出の出題単元】
基礎学力が入学の必要条件とされているため、第1問の小問集合では、バランスよく広い分野から出題されています。その中でも、数学ⅠAの確率、整数、数学Bのベクトルや数列、数学Ⅲの微分法・積分法、複素数平面はほぼ毎年出題されています。
また、第2問、第3問では数列、グラフの概形図示を含む求積問題や証明問題の出題が目立ちます。
【制限時間に対する問題量】
制限時間に対する問題量は適切な量です。しかし、第1問の小問集合で基準点に満たない時点で不合格になる、かつ、小問とはいえ、複雑な計算を要求される問題も出題されるため、時間配分が非常に重要になります。そのため、過去問による練習は必ず行っておきましょう。
2024年度(最新の過去問)の分析
ここまでは近年の傾向を見てきましたが、ここではさらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問 小問集合】(難易度:易~標準)
2023年度と比べると逆関数の導関数など抽象的な問題が混ざってますが、難易度は変わっていません。しかし、例年通り複雑な計算を要求される問題が出題されているため、典型的な解法で、正確な処理ができるかが高得点をとる鍵になります。
(1) 余事象の確率の問題です。5つのサイコロの目の最小値が3以下であるとはすべてのサイコロの目が4以上であることの余事象に気付きましょう。
(2) \(\displaystyle 2024^{2}\)の正の約数の個数を求める。基本です。
(3) 2直線のなす角の最大値を求める。\(tan\theta\)の加法定理と相加平均相乗平均の関係を用いることが早いでしょう。
(4) 内接円の半径を求める。通常ならば面積から考えるが、\(y\)軸に線対称な三角形を考えているので点と直線との距離を利用した方が早いです。
(5) 3文字の対称式の値を求める問題。\(\displaystyle x^{3}+y^{3}+z^{3}\)の変形は覚えておきましょう。
(6) 2変数の最大・最小。\(x\)と\(y\)に関して、それぞれで平方完成をしましょう。
(7) 定積分の計算。\(\displaystyle x^{4}+2x^{3}-3x^{2}-4x+4=(x-1)^{2}(x-2)^{2}\)と変形できれば、絶対値記号の付いた積分になります。あとは積分区間を分けて計算するだけです。
(8) 複素数平面における角を求める問題。\(\displaystyle \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=r(\cos\theta+i\sin\theta)\)として考えて下さい。
(9) 対数計算。\(\displaystyle a^{log_{a}b}=b\)を知っていればすぐに求まります。
(10) 逆関数の導関数。\(x\)と\(y\)を入れ替えて、\(\displaystyle \frac{dy}{dx}=\frac{1}{\frac{dx}{dy}}\)に注意して計算して下さい。
≪2024年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答
他教科を得点源にしたい受験生…(4), (10)以外完答
【第2問 数列】(難易度:標準)
(1) \(\displaystyle na_{n+1}=3\sum_{k=1}^{n}a_{n}\) 和が混ざった漸化式です。項をずらして差を考えることは基本です。結果得られる漸化式\(\displaystyle a_{n+1}=\frac{n+2}{n}a_{n}\)は見慣れないかもしれませんが、\(n\)を\(1, 2, 3, ···, n-1\)として辺々を掛けることで一気に約分できます。(2)は分数式型の数列の和です。部分分数分解をして項を打ち消していきましょう。
≪2024年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答
他教科を得点源にしたい受験生…完答
【第3問 ベクトル・図形と方程式・積分法の応用】(難)
(1)は2つの媒介変数で表された領域です。一方を固定しながら範囲を確定させなければいけないので手が付いた人は少ないかと思います。(2), (3)は(1)ができれば標準的な面積、くり抜きの体積ですから難しくありません。減、極値、グラフの概形図示の問題は確実に得点したい問題です。(3)以降は難易度が高くあまり差がつかない問題ですが、(4)に関しては、誘導を適切に利用して正答したい問題です。
≪2024年度の目標値≫
数学を得点源にしたい受験生…完答
他教科を得点源にしたい受験生…(1)ができたら完答したいが難しいだろう。
【総評】
例年通り、第1問を素早く、正確に処理し、第2問で得点したい。2024年度は第2問、第3問がともに(1)が難しいため、数学を不得手にしている受験生には苦しい戦いになったはず。どうしても手が付かないならば第1問の検算を繰り返して行い失点を減らす戦略に切り替えましょう。
まとめ
第1問で基準点をとることが大前提であるため、典型問題を素早く正確に処理できるように、使い慣れた問題集で訓練しておきましょう。また、第1問の配点が120点であることも考慮すると、数学の得意不得意で、時間配分が大きく変わってきます。そのため、過去問を解くことで時間配分をある程度考えておくことをおすすめします。
京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。
