京都医塾化学科です。
このページでは「近畿大学医学部の化学」についての過去問分析コメントを紹介します。
・“医学部受験に興味がある”という方
・“近畿大学医学部”の受験を考えている方
・“近畿大学医学部の化学がどのような問題か知りたい”という方
オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。
概要
【形式・制限時間・配点】2024年度
形式: 記述式
制限時間: 理科2科目120分
配点: 理科2科目200点
出題の傾向と特徴
例年大問三題の構成となっています。全ての分野からバランスよく出題されているので、満遍なく学習を行なっておきましょう。
【制限時間に対する問題量】
煩雑な計算が多く、計算問題に時間をかけすぎると時間が足りなくなってしまいます。そのため、知識を問う問題や基礎〜標準レベルの問題を素早くとき、計算問題に時間を割けるようにしておきましょう。また、過去問を解き、解くべき問題を取捨選択する判断力も養っておきましょう。
2024年度(最新の過去問)の分析
さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。
※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。
【第1問】
問1
(a)~(e)
ハロゲンに関する問題でした。基礎知識が多かったので、是非とも得点したいところです。とりわけ、ハロゲン化水素の酸としての強さに関する問題は頻出なので、理由も含めて答えられるようにしておきましょう。また、弱酸のpHに関する問題も出題されていますが、この分野では他にも緩衝液や塩の加水分解に関する問題も頻出なので、解法を確認しておきましょう。
問2
(a)
実験器具に関する問題でした。是非とも正解したいところです。
(b)~(f)
逆滴定に関する典型問題でした。問題文がある程度長いので、流れ図を描くなどして情報を整理しながら解いていきましょう。また、沈殿に関する知識を問う問題も出題されています。沈殿の色なども併せて覚えておきましょう。
≪2024年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生… 9割
他教科を得点源にしたい受験生… 7割
【第2問】
問1
(a)
各物質の極性の有無をわかっていれば解ける問題でした。
(b)
反応速度を上げる要因に関する記述問題でした。初見の受験生も多いかと思いますが、推測可能な問題です。
(c)〜(d)
与えられた式を利用して式を導出し、その式に代入する問題でした。丁寧に解けば正解できる問題ですが、苦戦する人もいると思います。
(e)
(c)で求めた式を用いて解く問題でした。流れ図等を活用しながら情報の見落としや計算ミスの無いように解いていきましょう。
(g)〜(j)
ヘキサンが100mLから50mLになり、有機層を途中で入れ替えたことを除けば、(a)〜(e)と基本的な考え方は同じ問題でした。時間を掛けすぎないように注意したいです。
≪2024年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生… 7割
他教科を得点源にしたい受験生… 5割
【第3問】
(a)〜(b)
ナイロン66とビニロンに関する基本的な問題でした。(a)の人名は知らなかった受験生もいたかもしれませんが、これを機に覚えておきましょう。
(c)~(d)
問題文は少し複雑で、苦戦する人が多い問題です。しかし、反応式を書いて(係数比)=(物質量比)を使えば、正解できる問題でした。(d)は、その式をもとにmを大きくするにはどうすれば良いかを考える問題でした。
(e)
ナイロン66の合成の反応式を問う基本的な問題でした。
(h)
ナイロン66の合成の際になぜNaOHaqを加えるのかという問題でした。知らない場合は、思考することが難しかったと思います。
(g)〜(h)
ビニロンに関する基本問題でした。とりわけ、(h)の計算問題は、頻出の問題なので、しっかり復習しておきましょう。
≪2024年度の目標値≫
化学を得点源にしたい受験生… 8割
他教科を得点源にしたい受験生… 6.5割
【総評】
問題文を読んで式を導出し、それを利用して計算したり思考したりする問題が多いです。そのため、普段から式を丸暗記するのではなく、しっかり理解するようにしましょう。また、大問2の分配平衡は馴染みのない受験生もいたのではないでしょうか。平衡というと気液平衡や電離平衡、溶解平衡がメジャーな印象がありますが、今回のように異なる種類の平衡が問われることもあるので、問題文をよく読んで慌てずに解きましょう。
まとめ
というわけで、今回は近畿大学医学部の化学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!
京都医塾ではご相談・体験授業を随時募集しています。下記リンクからお気軽にお問い合わせください。