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2024年度近畿大学医学部の数学過去問対策・分析

京都医塾数学科です。

このページでは「近畿大学医学部の数学」についての過去問分析コメントを紹介します。

・“医学部受験に興味がある”という方
・“近畿大学医学部”の受験を考えている方
・“近畿大学医学部の数学がどのような問題か知りたい”という方

オススメの記事となりますので、興味のある方はご一読ください。

概要

【形式・制限時間・配点】2024年度

  • 形式:マークシート
  • 制限時間:60分
  • 配点:100点(全体試験のうち、数学は約25%)

近畿大学では2023年度までは医学部独自の問題が出題されていましたが、2024年度より他学部と共通のマークシート形式となりました。60分で全3問という形式になっていますが、問題の難易度が下がったため高得点勝負となることが予想されます。

出題の傾向と特徴

【出題単元の特徴】

近畿大学医学部は、医学部としては珍しく「数学Ⅲの単元からの出題がない」大学です。そのため、試験範囲は数学ⅠAⅡBのみとなりますが、これらの単元からは幅広く出題されており、難易度も教科書レベルから入試標準、難関レベルまで、様々です。最低限、標準レベルの問題を解き切ることのできる力は求められますので、数学Ⅲの知識は問われないとはいえ、決して簡単な試験とはいえません。

【頻出の出題単元】

ここ5年間では、場合の数・確率、図形、微分積分(数学Ⅱ)、数列などの単元が頻出です。場合の数・確率では、典型パターンから外れた問題が出題されることが多いため、普段から数え上げなどに慣れておく必要があります。図形分野では、平面図形・空間図形ともに、難易度の高い問題が多く、相応の実力が要求されます。また、ベクトル等の問題であっても、幾何の定理を上手く利用した方が解きやすい問題なども出題されていますので、図形の扱いには十分に習熟しておかなくてはなりません。微分積分は、典型的な、極値や最大最小を求める問題、面積計算、微分係数の定義式など、基礎~標準レベルの問題が多く出題されています。微分積分の計算だけでなく、多項式関数については、グラフの概形や方程式の解とグラフの交点との関係など、基本的な知識は確実に押さえておきましょう。

【制限時間に対する問題量】

60分3問ということで、時間に余裕がありそうに見えますが、実際に解いてみると、かなりの作業量が要求されます。内容から考えると、60分の時間設定はかなり厳しいものであり、日頃の学習の質と量が問われる試験となっています。解法の定着、正確かつ素早い計算の技術は当然身につけているものとして、図形処理の能力や、行き詰まったときに試行錯誤して答えを導き出す粘り強さも求められます。

2024年度(最新の過去問)の分析

さらに踏み込んで、最新の入試問題を具体的に分析したいと思います。

※以下、過去問をお手元にご覧になるのが理想的ですが、過去問がなくても問題なくお読み頂けます。

【第1問】(難易度:標準)

座標平面上の2つの円周上にある2つの動点を結んだ線分・直線について考える問題です。いずれも基本~標準的な問題ですが、後の小問になるほど難易度が上がっていきます。分野が図形と方程式なので図を描けば見通しがよくなります。

(1)(2)は図形と方程式の基本的な問題です。(3)は点P,Qが直線OA上にある場合に最大ないし最小をとることに気付きましょう。実はPとQの具体的な座標を求める必要はなく、(OAの長さ)±(2円の半径の和)で出ます。円はこういう図形的性質を利用した工夫が多く、慣れが必要です。

(4)は直線PQが2円の外側で接する共通接線になる場合が境界になることに気付けるかが鍵になります。この領域で囲まれた部分の面積を求めるためには、扇形と多角形に分けて求めるのが常道です。

(5)が第1問最大の関門です。最小値は明らかに\(β=0\)の場合なので簡単に出るでしょうが、最大値の場合が手ごわく、例えば接点を置いて座標計算を行うことで求める方法では非常に時間がかかります。相似な三角形を見つけることで遥かに短い時間で答えが出せますが、難しいので本番では後回しにするのが賢明でしょう。
(6)は(5)ができさえすればそのまま\(\tan\)の加法定理を適用するだけですが、最後の最後で計算ミスをしないように気をつけましょう。

≪2024年度の目標値≫

数学を得点源にしたい受験生… 8割程度

他教科を得点源にしたい受験生… (4)まで

【第2問】(難易度:標準~やや難)

群数列の問題です。ガウス記号が絡む見慣れない規則に戸惑うかもしれません。(2)(iii)が多少面倒ですが、これが解けなくても(3)は解答可能なので諦めずに考えてみましょう。

(1)\(45^{2}\)=2025を知らずとも、2000=40×50から\(\sqrt{2024}\)=45程度とあたりをつけていくとよいでしょう。

(2)よくわからない数列が出てきた際は、とりあえず書き出して実験してみるのが重要です。少なくともS10を求めるのは書き出したほうが早そうなので、後の設問への手掛かりを掴むためにも書き出しましょう。
ただし数列の性質に気付けたとしても総和を求めるのはそれなりに面倒です。セオリー通り第n群までの総和と、第n群の末項が第何項なのかを式にするという手順から始めればよいですが、考える内容が多く計算ミスが起こりやすいため正答することは容易ではありません。

(3)の(i)は書いてある規則を把握すれば正答できるため、(2)で躓いたとしてもここはしっかりと得点したいところです。これに限らず、見慣れない題材の問題の1問目はその題材に慣れるための導入問題として簡単になっていることが多いため、見る前から捨てるのは得策ではありません。(ii)、(iii)は難しいので、わからなければ飛ばしてほかの大問に取り組むという判断も重要です。

≪2024年度の目標値≫

数学を得点源にしたい受験生… 7割程度

他教科を得点源にしたい受験生… (1)、(2)(i)、(3)(i)

【第3問】(難易度:やや易)

対数関数の問題です。真数条件を見落とさないなど対数特有の注意すべきポイントはありますが、それにさえ気を付ければ標準的な問題ばかりです。数学が得意な受験生はぜひとも完答を狙いたいところです。

(1)(2)は底を2 (or 4) に変換すればやりやすくなります。(3)は\(\log_{16} x = t\) と置換して2次関数の最大最小問題に持ちこみます。ただし\(t>0\)の条件を忘れないように注意が必要ですね。(4)はまず真数条件を確認するのは大原則で、\(-2<x<8\)という条件が出ます。そのうえで底の変換公式で底を揃えて処理しますが、なるべく簡単な底を選んだほうが計算が楽になります。今回は2の倍数が多いので2に揃えればよいでしょう。数学が苦手でもここまでは最低限得点したいところです。

(5)では底にxがありますが、構わず底の変換公式を適用すると\(\log_2 x\)+\( \displaystyle \frac{1}{\log_2 x} \)を含むあからさまな相加平均・相乗平均の関係の形になります。

(6)は常用対数を利用して桁数を求める典型的な問題です。答えを出すだけなら大雑把に\(\sqrt{2}\)=1.4で計算しても大丈夫なことが多いですが、今回はそれをやると最高位の数字が外れてしまいます。\(\sqrt{2}\)=1.41として計算してようやく正答に至れるという罠がありいやらしい問題です。

≪2024年度の目標値≫

数学を得点源にしたい受験生… 完答をめざしたい

他教科を得点源にしたい受験生… (4)まで

【総評】

 極端な難問はないものの、60分という制限時間を考えると、すべての問題に正解するのは厳しいセットです。問題の取捨選択をし、易しい問題で取りこぼさないことがまずは最優先です。最後の方の小問でも易しいことはありますから、あきらめてはいけません。

まとめ

今回は近畿大学医学部の数学についてまとめてみました。皆さんの参考になれば幸いです!

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