こんにちは、京都医塾 国語科の内海です。今回は、「関西大学の現代文」についてお話したいと思います。
関西大学 現代文の特徴
私が個人的に考える「関西大学・現代文の特徴」は、主に二つあります。その一点目が「“傍線部を利用”した設問がほとんど無い」という点、そして二点目が「選択肢間が共通の構造を持っている」という点です。それでは、以下にこれら二点の特徴について具体的に述べて参りたいと思います。
1) 「傍線部が無い」設問
日本の大学入試における現代文の試験では、その多くが「傍線部Xについて、~とあるが、それはどういうことか。」といった、「傍線部を利用した形式」を採用しています。これは、「大学入試共通テスト」や「国公立大学二次試験」も例外ではありません。そのため、「傍線部が無い」設問を主軸としている関西大学の現代文の試験は、全国的に見てもかなり珍しいタイプの出題形式と言えます。したがって、何の対策もせずに関西大学の現代文の試験に挑戦すると、非常に時間がかかってしまうと予想されます。
では、世にも珍しい「傍線部が無い」設問に対して、どのように挑めばいいのでしょうか? それこそが、関西大学・現代文の二つ目の特徴でもある「選択肢間の共通構造」を利用することです。
2) 選択肢間の共通構造
1)項目では、関西大学・現代文の特徴として「傍線部が無い」を取り上げました。そうすると、皆さんの頭の中には「各設問に挑む際、どうやって『本文の読み返し箇所』を決定すればよいのか?」という疑問がよぎると思われます。この「読み返し箇所」を教えてくれる情報こそが、「全選択肢が共通の構造(および共通の語)を持つ」という関西大学・国語の特徴です。
具体的に述べると、関西大学の国語の試験で準備された一つ一つの設問における選択肢は、見た目が非常に似ています。その類似性は、「主語(主部)」「述語(述部)」に始まり、「用いられている語」や「読点の箇所」など、様々な要素に表れています。一見すると、これは非常に厄介な特徴に思えます。なぜなら、選択肢間の区別がつきにくいからです。しかしながら、全選択肢に共通して見られる用語や表現などがあれば、それこそが「傍線部」の代わりの役割を果たす情報と言えるわけです。その共通の情報を「“見えない”傍線部」として利用すれば、当該の設問が最も強く関係している箇所を言い当てることが可能となるはずです。
さらに言うならば、この「選択肢間の共通構造」を見つける作業は、「選択肢間の相違点」を見つける作業にもつながります。「共通構造」を持った複数の選択肢を“全体的にぼんやり”眺めているだけでは、解答を効率的に進めることはできません。一方で、この「相違点」を把握していれば、本文から見つけ出さなければならない情報が明確となり、効率的に正解へ辿り着くことができるはずです。
これから関西大学の現代文に挑戦する予定のある方々は、ぜひこの「選択肢間の共通構造」に基づく「 “見えない” 傍線部」を利用してみてください。
本日の記事は以上となります。
最後に
繰り返しとなりますが、関西大学の現代文で高得点を獲得するためには、この特殊な「選択肢の形式」に慣れることが何より大切です。これに特化した作戦を習得し、効率的にこの大学の問題を解くことのできる力を身に付けてください。