医学部の入試では、化学と物理、加えて生物の中から2科目を選択し受験に臨むこととなります。
これら3科目は学習内容が異なるため、どの科目を受験するかで合格までの道のりが大きく変わってきます。
そのため、科目選びはとても慎重に行う必要があるのです。
今回は、理科3科目の中でも生物に注目して、難易度や対策方法などについて解説していきましょう。
医学部入試の理科の重要性
医学部の入試では英語や数学、理科といった色々な科目を受験する必要があります。
ここでは、医学部入試で課される科目の中でも、理科の重要性について解説していきましょう。
医学部入試では配点に関係なく全ての科目に力を入れることが必要
医学部の入試では、配点に関係なく全ての科目に力を入れる必要があります。
なぜなら、たった1点の差で順位に大きな差が生まれてしまい、合格の切符を逃してしまうことがあるからです。
そのため、医学部の入試ではテストの配点に関係なく、全ての問題の取りこぼしを無くさなくてはいけません。
理科は少ない時間で仕上げる
私立大学をはじめ多数の大学の受験では、英語と数学、理科2科目が試験問題として課されます。
配点関係なく全ての科目に万遍なく対処する必要があるということは先ほども述べたとおりですが、理科に関しては、少ない時間で仕上げる意識で勉強に臨むと良いでしょう。
理由は、理科を習熟するまでにかかる勉強量にあります。
理科2科目は英語や数学に比べて勉強量が少なく、仮に理科の勉強量を100とするなら、英語は150程度、そして数学は250から300程度となります。
つまり、理科は英語の6割から7割くらい、数学の4割から3割くらいの勉強量で学習を修めることができるのです。
浪人生の場合は、学習進度に優先順位を付けるとするのなら理科を早めに仕上げおくことをおすすめします。
現役生は、学校の進度の関係上、早い時期に仕上げることは難しいかもしれませんが、少ない時間で効率よく仕上げることを意識するだけでも勉強の効率があがるはずです。
勉強の必要量が少ないということは、それだけ学習深度を充実させられることにもつながり、言い換えれば高得点を狙いやすい科目という見方もできます。
科目選択はどれを選んでもいい?
理科の科目選択については、多くの受験生の悩みどころです。
科目選択は医学部受験の合否に直結しますので、ミスをするわけにはいかないと思い悩むのも仕方ないでしょう。
しかし、基本的にはどの科目を選んでも問題ありません。
学習量や方向性が間違っていなければ、毎日の積み重ね次第で徐々に実力がついていきます。
ただ、科目によっては数学の力が必要だったり、文章力が問われたりしますので、性質の差異については明確に知ったうえで自分に合った科目を選んでください。
医学部入試では生物選択がおすすめ!
みなさんもご存じのとおり、医学部受験では理科3科目の中から2科目を選んで受験に臨むことがほとんどです。
理科の場合、多くの受験生が化学を選択するため、残りの科目は生物か物理の中のどちらかを選んで学習を進めていくのが一般的なパターンです。
どちらの科目を選んでも問題はありませんが、より安定した得点を狙うのであれば生物を選択するのがおすすめです。
こちらの項では、医学部入試の理科において、生物の選択がおすすめである理由を3つ取り上げて解説していきましょう。
点数が安定しやすい
生物の特徴には、点数を安定して取りやすいといったものがあげられます。
生物には複雑な計算を要する問題が少ないため、計算ミスによる失点が起こりにくいのです。
物理では前の設問で出した値を使うことが多く、一つのミスが連鎖的な減点を招いてしまうケースもあります。
しかし、生物の計算問題は設問が独立していることから、ちょっとした計算ミスをきっかけに多くの失点を招くことは少ないと言えるでしょう。
ただし、単純な計算問題でのケアレスミスや、用語を書く際の漢字ミスなど、取れるべきところで失点する可能性もあるため注意は必要です。
化学にも活かせる知識
生物には、化学の学習にも知識を活かせるといったメリットもあります。
高分子化合物で取り扱う分野のうち、天然高分子化合物の分野では、核酸や糖、タンパク質などは生物と化学、両方の科目で活かすことができます。
天然高分子化合物は高校で学習する化学の中では後期に学習する分野で、暗記量や計算量も多く毎年多くの受験生が苦労するところですが、あらかじめ生物を勉強しておけば復習感覚で授業に臨めるはずです。
生物か物理で迷った場合、学習効率の観点で判断すると生物を選んだほうがより効率的な学習が望めます。
入学後も役立つ知識
受験勉強を通じて得た生物の知識は、医学部入学後にも役立てることができます。
例えば、大学の医学部では分子生物学や生命科学を学習していきますが、これらの単元は高校生物の基礎があることでスムーズに理解することができます。
もちろん、大学では物理を選択していた人でも内容が分かるように基礎の部分から解説が進められますので、物理選択だからと言って損をすることはありません。
ただ、生物を選択していれば、スタートの時点で多少楽をすることができるのです。
大学における授業の理解度を深めるためにも、生物の学習はとても役に立つのです。
医学部生物の勉強のポイント
医学部の生物を学んでいくにあたって押さえておきたいポイントになるのが、知識や論述面に関する事柄です。
こちらの項では、医学部入試生物の勉強のポイントについて、主なものを3点ピックアップして解説していきましょう。
まずは知識をつける
医学部の生物の試験において非常に重要なポイントになるのが、基礎知識の習得です。
なぜなら、生物の試験では知識量を問われる問題が数多く課されるため、基礎知識が身についていない状態だと、その後のステップで出題される論述問題に全く歯が立たないからです。
加えて、生物は幅広い分野から出題される傾向が強いうえに、各分野をミックスさせた問題も出されることが多々あるため、広範囲の知識を有していないと答えが導き出せません。
このことから、生物の学習において基礎知識の習得は初歩の中の初歩と言えるのです。
生物の学習の開始直後は、とにかく教科書を読み込んで知識の習得に努めましょう。
覚えたことを忘れないようにすることが大切
生物に限ったことではありませんが、覚えたことを忘れないようにすることは学習を進めていくうえでの外すことのできない大切なポイントです。
人間の脳は、一度覚えたことを「短期記憶」という領域に一旦保存しておき、必要な情報であれば「長期記憶」という領域に保存し直し、長い期間情報を取り出せる状態に保ちます。
しかし、必要がないと判断されたものは短期記憶の段階で消去され、取り出すことができなくなります。
生物は広範囲に渡る知識が必要ですから、どれだけ多くの情報を効率よく、この長期記憶に根付かせられるかが、合否のカギとなるのです。
長期記憶については、復習を行うことで情報が定着しやすいことが科学的に証明されていますので、勉強終了後は必ず復習をするくせを身につけましょう。
論述力が得点のカギとなる
医学部の生物の試験で重要なポイントとなるのは、知識量だけではありません。
読解力や思考力が得点の鍵となります。
なぜなら、近年の入試生物では、実験考察問題の比重が高くなっているという傾向があるためです。
実験考察問題では、問題文を正しく理解し、文章や図表から読み取れる情報をまとめる力が必要となります。
単に、実験の結果を暗記しているだけでは対応できない問題も多いでしょう。
必要な答えを導くためには、実験の目的や結果までの過程を考えることが大切です。
また、記述式の問題が出される大学の場合は、論述力の有無も大切な要素として判断されます。
論述力とは、文章で物事を表現し相手に伝える力を指します。
つまり、自分が有している知識を自らの言葉で相手に伝えたり、実験内容に対する考察を文章化したりできるかどうかも評価されるということです。
記述式の出題がある上位クラスの医学部の受験を検討している人は必ず論述力を磨いておきましょう。
医学部生物の勉強方法
医学部の生物の試験の勉強方法にはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
こちらの項では、医学部の入試生物の勉強方法について解説していきましょう。
繰り返し暗記して定着させる
上でもお話したとおり、医学部の生物の受験では基礎知識をどれだけ身につけているかが合否の分かれ目となります。
そのため、その日学習したことはきちんと復習をして、脳に定着させる必要があります。
復習に割ける時間を捻出する余裕がないという人は、移動時間やお風呂の時間など、ちょっとしたすきま時間を活用して知識の習得に励むとよいでしょう。
寝る前の20分から30分ほどを学習時間に充てるのもおすすめです。
また復習時、教科書や図解の資料集も利用して学習すれば、体系的に知識が取り込まれますので、より効率よくインプットが行われます。
標準問題を解く
生物の標準的な知識が身についた人は、標準レベルの問題演習に取りかかっていきましょう。
標準問題を収録した問題集を1冊用意して、何回も解いていくのが実力を高める近道になります。
ここで注意したい点が、複数の問題集に闇雲に手を出さないようにするということです。
なぜならたくさんの問題集に手を出しても知識に偏りが生まれ、重要な箇所が頭から抜け落ちる可能性があるからです。
生物の学習を進めていく際は、心に決めた問題集を1冊だけ用意し、何度も反復して勉強していくとよいでしょう。
過去問対策
医学部の生物の勉強をしていくにあたっては過去問対策も重要となります。
ここでは、医学部の生物の過去問の対策方法について解説しましょう。
大学によって出題傾向はさまざま
医学部の生物の出題傾向は、大学によってさまざまなです。
例えば、正誤問題や知識量を問う問題に比重を置く医学部もありますし、読解スピードを重視する医学部も存在します。
徹底的に論述問題を課す医学部もあるので、文章力がない人は太刀打ちできない場合もあるでしょう。
このように、大学ごとに生物の出題傾向にはさまざまなものがあるため、過去問に取り組んで対策を講じておく必要があります。
応用問題の演習にもなる
過去問は大学毎の出題傾向の把握以外にも、応用問題の演習にもなるといった側面も持ち合わせています。
難関大学の医学部においては、高校生物では学ぶ機会のないハイレベルな問題が出題されるため、基本的な学校の授業だけではこれらの医学部の問題には対応しきれません。
そのため、過去問のデータが難関医学部で出される応用問題の解法を学ぶのに、とても役に立つのです。
まとめ
医学部の入試では英語と数学以外にも、理科2科目が課されるのが一般的です。
多くの受験生が化学を選ぶため、あとは生物と物理の2択となりますが、生物は物理と比較しても点数が安定しやすく、化学の学習にも活かせるというメリットがあります。
ただ、生物は学習範囲が広く知識の定着に時間がかかってしまいます。
また論述問題もありますので、文章力も問われます。
そのため生物を選択して学習を進めてみたものの、思ったより学習が進まず苦労している人もいることでしょう。
そんな人におすすめしたいのが、医学部受験を専門に指導を行っている予備校、京都医塾です。
京都医塾は開校以来、医学部受験において高い実績を築いてきた予備校で、毎年たくさんの受験生を医学部合格へと導いています。
京都医塾では、各教科専門の社員講師が受験生に寄り添い徹底的に指導してくれますから、合格までの辛い道のりも最後まで突き進むことが可能です。
たとえ生物の学習進度に不安がある人でも、入塾時のテスト結果をもとに受験生一人ひとりの実力に合わせたカリキュラムを作成しますので心配いりません。
また、大学ごとの出題傾向についても京都医塾ならではのネットワークで常に収集していますので、最新の情報をもとに志望校ごとのスケジュールを組んでもらえます。
医学部受験を検討している人、生物をもっと伸ばしたい人には京都医塾がおすすめです。
無料の体験入塾は随時受け付けておりますので、興味がある方はぜひ一度お問い合わせください。