受験勉強を効率的に進めていくうえで大切なのが、持続した集中力と勉強に適した環境です。
しかし、ちょっとしたことで集中力が途切れてしまったり、いまいち環境が自分に適さないといった理由で、思い悩んでいる人が多いのもまた事実です。
そこで今回の記事では、勉強に取り組める環境作りの方法と、集中力を高めるためのコツを紹介していきましょう。
集中力の重要性
最初に、集中力の重要性から解説していきましょう。
あなたが受験勉強を開始してから、試験当日までの時間は限られたものとなっています。
そのため与えられた時間を、最大限に有効活用しなければなりません。
これは、あなたのライバルにとっても同様で、彼・彼女らは毎日死にもの狂いで勉強に励んでいます。
あなたがすでに志望校へ合格できるだけの学力を備えているのであれば、手綱を緩めてペースダウンを図っても良いかもしれませんが、少しの油断が命取りになってしまう可能性も否定できないでしょう。
そのため、日々の勉強を怠ることなくスケジュールを進行させる必要がありますし、だからこそ集中力を維持、向上させていく努力が求められるのです。
勉強に集中できない理由
続いて、勉強に集中できない理由についても見ていきましょう。
ここでは、睡眠に関することや環境にもとづくものなど、様々な観点から理由を解説していきます。
睡眠不足
睡眠不足は集中力の低下を招いてしまいますので、大変な注意が必要です。
アメリカでは集中力の低下を起因とするトラックの事故が多発しており、1時間で1人が死んでしまうほどの社会問題となっています。
受験勉強では集中力が切れても事故につながるということはありませんが、睡眠不足に陥ると真っ先に影響を受けるのは脳であり、脳の働きの中でも集中力だということは押さえておいてください。
誘惑が多い
誘惑の多さも、受験生の集中力を低下させる原因の一つです。
自室で勉強している場合、机の周囲にはマンガやテレビゲームなど色々な娯楽があるはずです。
それらのエンターテインメントは、ユーザーを夢中にさせるため、才能のある人たちが時間と手間をかけ生み出した魅力あるコンテンツです。
休憩中にマンガを読み始めたり、ゲームをプレイしてみたところ、ついつい何時間も楽しんでしまったという経験は、誰しも一度くらいはあるのではないでしょうか。
また、図書館や予備校の自習室などにおいてもSNSが気になってしまい、着信が来るたびにスマホを触ってしまうケースも少なくありません。
このように受験生の周囲には数多くの誘惑があり、集中力を妨げてしまう原因となっているのです。
騒音がうるさい
騒音がうるさい環境も、受験勉強における集中力の低下の一因です。
自宅や図書館など、本来は静かな環境で集中して勉強ができる環境であったのに、突如として始まった工事や建築現場の騒音などは、とてもじゃありませんが耐えられるものではありません。
まして、自分は何も悪くないのにいきなり静穏な環境を奪われたのですから、理不尽な感情も生まれてしまうでしょう。
集中できる環境づくり
さて、集中できる環境作りについても見ていきましょう。
ここでは、集中力を維持・向上するための環境作りにはどういった方法があるのか、というテーマで解説していきます。
勉強がはかどる部屋
最初に、勉強がはかどる部屋について見ていきましょう。
レイアウト
勉強をはかどらせ、集中力を維持するために配慮したいのが、勉強部屋のレイアウトです。
とくに机の位置は重要で、真ん前に壁がある配置だと圧迫感を感じてしまい、集中力が低下する原因にもなります。
そこで、おすすめしたいのが、窓際に机を配置するレイアウトです。
窓際に机を置くことで解放感が生まれ集中力の向上が期待できるほかにも、自然の光を浴びることで気分がほぐれるという効果も狙えます。
照明
集中力を持続させる環境作りでは、照明についてもこだわりたいところです。
照明には温かみのある色の「電球色」と呼ばれるものや、白っぽい「昼光色」と呼ばれるものがありますが、勉強部屋に設置するとしたら、明るさのある昼光色のものが適しています。
電球色は目に優しい色合いであるものの、明るさが心もとないこともありますので、寝室やリビングなどのくつろぐための空間への設置がよいでしょう。
室温
勉強中は、快適と思える室温を維持するよう心がけましょう。
暑すぎる温度や寒すぎる温度の部屋では、体力が奪われてしまい、引いては集中力の低下にもつながります。
とくに冬場の寒さは風邪にも直結しますから、試験にも差し障る可能性もあります。
勉強中は快適な室温を維持して、集中力を奪われない環境を作りましょう。
環境音・BGM
環境音やBGM、とくに「自然音」は大きなリラックス効果を持っています。
自然音とは、川のせせらぎの音や、森の中で鳥がさえずる音、海の波が寄せては返す音のことです。
自然に飢えている現代人にとっては、たとえそれがデジタルデータであっても、本能に訴えかけるリラクゼーション効果がありますので、ぜひお試しください。
なお、自然音とは違いますが、自然にちなんだものであれば、電子画像でも人間は癒し効果を得ることができます。
一時的でも構いませんので、パソコンやスマホの壁紙を自然の画像に切り替えてみてください。
勉強がはかどる机周り
続いて、勉強がはかどる机周りの作り方についても見ていきましょう。
必要なものだけを置く
人間は、視覚からたくさんの情報を得ています。
そのため、机の上がゴチャゴチャしていると情報が交錯してしまい、集中力の低下を招いてしまいます
とくにスマホを目に見える範囲に置いていると、着信が来るたびに気になってしまいますので、なるべく視界から遠ざけるよう意識しましょう。
机の上はシンプルに、必要なものだけを配置してください。
座りやすいイスを使う
座りやすいイスも、集中力を高める環境作りには欠かせません。
座り心地のよいイスでの学習であれば、身体へのストレスが軽減され、肩こりなども起こしにくくなります。
高さ調節がついているものや、背もたれが好みの角度まで稼働するものを選ぶとよいでしょう。
環境を整えるだけでは不十分!集中力を高めるための行動5選
さて、集中力を高めるための環境作りを学んだ後は、集中力を高める行動についても確認していきましょう。
ここでは、集中力を高められる行動の中でも主だったものを5点ピックアップして、解説していきます。
決まった時間に起きて朝日を浴びる
日々、規則正しい毎日を送ることは、体調の維持に大きく貢献します。
そして、体調がよい状態をキープしていれば脳内もスッキリしていますので、自然と集中力が湧いてきます。
毎日決まった時間に就寝し、決まった時間に起きるよう心がけましょう。
なお、朝に弱くてなかなか起きられないといった方は、カーテンを遮光性の高いものに取り換えてみるとよいでしょう。
遮光性の高いカーテンは、部屋に日光を取り込みやすい構造になっていますので、朝起きるのが苦手な人にはぴったりです。
服を着替える
自室学習でありがちなのが、寝間着などのリラックスを重視した服装のままでの学習です。
たしかに、スウェットなどの寝間着はゆったりとしているためリラックスができますが、一方で気持ちが緩んでしまう原因にもなります。
制服やスーツなどの服装までとは言いませんが、私服程度には着替えるのをおすすめします。
スケジュールを組んで勉強に取り組む
受験勉強においてとても重要なのがスケジュールです。
行き当たりばったりで勉強を進めていては、どんなに優れた環境に身を置いているとしても、学習の進捗に悪影響が出てしまうでしょう。
受験勉強をするうえでは、スケジュールをしっかり組んで取り組んでください。
もし、スケジュールのプラン立てに自信がない場合は、予備校などに頼ってみるのもよいでしょう。
予備校では、あなたの志望校と学習進度をもとにして、講師がスケジュールを管理してくれますから安心です。
集中が切れてきたら場所を変えてみる
集中力が途切れてきた場合、思い切って勉強場所を変更してみるのも一つの手段です。
自室で学習している場合は、リビングなどに移ることで気持ちのリフレッシュが図れますし、図書館で勉強している場合は、付近のカフェや喫茶店で学習しても同様の効果が得られるでしょう。
また、移動は下半身の運動がともないますから、血行がよくなり脳内の疲労のリセットも狙えます。
ルーティン化する
「ルーティン」とは、日課や決まった手順と訳される英語です。
人間は物事を決断するとき、それなりのエネルギーを消耗してしまいますが、勉強を日々のルーティンとしてしまうことで、集中力の低下を防ぎます。
「今日は勉強どうしようかな、やろうかな」ではなく、最初から「やる」と決めておく習慣を身につけましょう。
勉強がはかどるおすすめの勉強グッズ
最後に、勉強がはかどるおすすめのグッズについて解説していきます。
文房具
まずは、文房具の中からおすすめの勉強グッズを紹介していきましょう。
文房具のカテゴリーでは、ブックストッパーが勉強に役立ちます。
ブックストッパーは本を開いたままにしてくれるグッズで、これを使用することで参考書を開いた状態でノートを取ることが可能になります。
ノートを取っている最中に参考書が突如閉じてしまい、イラっとした経験を持つ人は少なくないはずですが、ブックストッパーがあればもう安心です。
リラックスグッズ
リラックスグッズでとくにおすすめなのが、蒸気タイプのアイマスクです。
何時間にも渡って勉強を続けた後の眼球は、自身が思っているよりも激しく疲労しています。
そんな疲れた目を癒すのに有効なのが、蒸気タイプのアイマスク。
蒸気タイプのアイマスクは、ジワ―っとした心地よい温かみで目の疲れを取ってくれますので、翌日以降の勉強にも良い影響を与えてくれるでしょう。
眠気対策グッズ
眠気対策グッズには数あれども、とりわけ人気のあるのが、ミントガムやドリンクタイプの眠気覚ましでしょう。
ミントガムは清涼感とともに息がスッキリしますので、眠気を覚まして集中力を維持するのにはピッタリのグッズです。
ドリンクタイプの眠気覚ましについても、カフェインを始めとした各種有効成分が眠気を吹き飛ばしてくれます。
これら2種類はコンビニでも手に入りますので、夜間急に眠気に襲われたときでもすぐに買いに行けるのも利点です。
まとめ
受験勉強を進めていくうえでは、集中力を維持・向上させるための環境が必要です。
人間は周囲の環境に左右される生き物ですから、長期学習を進行させていくためには、なるべく苦痛を排除し、できるだけ良好な環境を作り上げる必要があります。
さらに、環境の構築にともなって、集中力を高めるための行動も重要になってきます。
決まった時間に起きて生活リズムを整えたり、集中力が途切れてきた場合は、勉強場所を変更してみるなどの各種工夫を行いましょう。
また、記事の後半では、勉強をはかどらせるためのおすすめグッズを紹介しましたが、どれも効果抜群のものばかりですので、ぜひ日々の勉強に取り入れてみてください。
あなたが志望校に合格できることを、心から願っています。