受験指導をしていると、しばしば「全部落ちてしまったらどうしよう…」「受かる気がしない」など、不安の声を耳にします。
多少のプレッシャーは自己を奮い立たせるために効果的ですが、不安感に押しつぶされてメンタルが不安定になると受験勉強自体に悪影響を及ぼしかねません。
大学受験自体を怖いと感じていては勉強を好循環に乗せきることは難しいため、「不安感へどう対処していくか」を知ることも立派な受験戦略の1つです。
今回の記事では、受験生の不安を時期別・原因別にご紹介したうえでそれぞれの対処法を解説します。
大学受験に向けて不安な気持ちがある、という方に有益な内容となっておりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
受験勉強は不安との闘い
受験勉強をしている中で、日々不安に苛まれてしまうことは少なくありません。
「もしも全部落ちてしまったらどうしよう」
「学力が伸びている感じがしない」
「このまま入試本番を迎えてしまうんじゃないだろうか」
受験勉強を頑張っているからこそ、焦燥感や不安感を抱いてしまうという方もいらっしゃるかと思います。
不安とうまく付き合うことも受験勉強における戦略の1つです。焦りや不安があっても、自分の気持ちを勉強に向ける“対処法”を見出すことが重要です。
しかし、そうは言っても目に見えないものに対峙することは簡単ではありません。
今回の記事では、不安な受験生の助けになるように時期別・原因別に分類した不安への対処法をご紹介します。
受験勉強前半期(4月~8月)の不安解消法
まずは、受験勉強前半期(4月~8月)に抱えがちな不安の解消法についてご紹介します。
①受験勉強が思ったように進まない
受験勉強前半期はまだまだ受験生としての自覚も薄く、時間的に余裕があることからついつい計画をないがしろにしてしまいがちです。
受験勉強をしなければいけないとは思っているけれど切り替えがうまくいかずにダラダラと過ごしてしまったり、無意識的に得意科目ばかりを学習してしまい苦手を放置してしまったり、バランスの悪い学習を繰り返す受験生も多いのがこの時期です。
または、自分がどれぐらいの学習量に対応できるのかがわからずに実現不可能な計画を立ててしまい、計画通りに遂行できずに自己嫌悪に陥ってしまうのもよくあるトラブルです。
上手に“受験モード”に切り替えている友人と比較して「自分は全然ダメだ…」と悩んでしまうケースも少なくありません。
1ヶ月の目標を日割りして計画を立案&実行する。
受験勉強が思ったように進まないと感じたら、まずは1ヶ月単位の目標を設定しましょう。
目標の設定の仕方はさまざまですが、成績ではなく具体的なタスクの完了を目標とすることをおすすめします。
成績は必ずしも勉強量に即座に比例しないので、偏差値や得点ではなく「単語帳を一周終わらせる」「青チャートの例題は全て終える」「1ヶ月で100時間勉強する」など、参考書や時間といった具体的に達成度合いがわかる目標が良いでしょう。
1ヶ月の目標を立案したら、それを日割りの計画にすることでバランスを勘案しましょう。
1日あたりの学習量を達成できなくても、1ヶ月・1週間という単位で再計画して取り戻す感覚を身につけることで、目標達成に一気に近づくことができます。
また、友人との勉強量の差に引け目を感じてしまう場合には、一度無理してでもそろえてみましょう。
受験勉強前半期は、自分がどれだけの時間集中して勉強できるかを測ってみることも重要です。
成り行きに勉強をするのではなく「一日本気を出すとこれだけできる」という勉強時間を算出したうえで、集中力を保つにはどれぐらいの頻度で休憩を入れると良いか、どういった場所・環境で勉強するのがベストかを探ることも重要です。
前半期のうちに自分の学習スタイルを確立させることで、安定した学習時間を確保することができます。
②模試の成績が悪い
受験勉強を頑張っているにも関わらず模試の成績が芳しくなく、
「自分の勉強の仕方が悪いんじゃないか」
「勉強の才能がないんじゃないか」
と、自らの努力や能力を疑ってしまい不安に感じてしまう受験生の姿を目にします。
前半期の模試は成績よりも弱点把握に重点を置く
結論から申し上げますと、受験前半期の模試の成績はどんな成績でも問題ありません。
特に現役生の場合、過年度生を交えての成績算出になるためそれまでの模試よりも低めの成績になることが予想されます。
加えて、前半期の模試は各教科で出題範囲が限られているため単元の得意・不得意によって成績が大きく異なります。
偏差値や判定、志望者内の順位などの具体的なデータが算出されるので焦ってしまう気持ちはよくわかりますが、あくまでも春の時点での参考記録として留めておくことが重要です。
受験勉強前半期における模試は、弱点把握のために正解・不正解の分析に重点を置きましょう。
特に、以下の観点で振り返ることをおすすめします。
①半数以上の受験生が正解しているのに落としている問題はないか(基本問題を落としていないか)
②大問合計で平均点を下回っている大問はないか(未理解の単元はないか)
③カンや根拠が薄い回答で正解しているものはないか
上記①②の観点で分析することで、各教科でどの単元を優先的に復習するべきかが見えてきます。
また、見落としがちなのが③の観点です。
「よくわかっていないけれど当たった」という問題を放置してしまうと後々苦労してしまうので、あてずっぽうの回答や自信のない問題は模試の受験中にマークをつけておき、間違った問題と同様に扱いましょう。
③志望校の過去問が解ける気がしない
志望校の過去問に挑戦してみたものの、まったく歯が立たずに自信を失ってしまい「1年で本当に合格するのだろうか」と不安になってしまう人も少なくないかと思います。
または、大学入学共通テストの過去問に取り組んで「この問題で9割を超えるなんてできるのか」と、求められるレベルに愕然としてしまう人もいるでしょう。
志望校の過去問演習で自信を喪失してしまい、受験勉強に身が入らなくなってしまった場合にはどのように対処すればいいのでしょうか。
前半期は過去問に取り組む必要はない
まず、不安になるくらいならあえて取り組まない、というのが1つの対処法です。
現役生・過年度生ともに、受験勉強の前半期は弱点の洗い出しとその補完が重要な時期です。
この時期に苦手な単元や未履修の範囲の基礎学習を徹底的に行うことで、夏以降に演習量を増やした際に大きく戻る学習を減らすことが大切です。
もちろん、ゴールとの距離を測るために過去問に取り組むことは有益です。
ただ、解けないからといって落ち込む必要はまったくありません。
解けるレベルに仕上げるのは後半期で十分なので、「出題傾向や難度の把握のために取り組んだんだ」と割り切って受け止めましょう。
受験勉強後半期(9月~12月)の不安解消法
次に、受験勉強後半期(9月~12月)に抱えがちな不安の解消法についてご紹介します。
①早めに進路が決まる人が出てきて不安になる
9月から10月頃になると、推薦やAO入試で進路が決定する人が出始めるため焦りや不安を感じる受験生が多くいらっしゃいます。
自分の進路が未確定な状態で、合格をした友人の様子を見るとなんとも言えない陰鬱な気持ちになることは想像に難くありません。
周りと比較するのをやめる
推薦やAO入試などで早めに進路が決まる人が出てくると不安に感じるのは自然なことです。
また、場合によっては「自分も推薦やAO入試を受けていればあるいは…」と想像してしまうこともあるでしょう。
ただ、推薦やAO入試には入念な準備が必要です。
受験資格に制限があるだけでなく、小論文や自己PR・事前課題などの学力以外を見る試験が中心のため、一般入試とは別の対策が求められます。
それでいて、決して合格の可能性は高くないため一般入試以上にリスクがある受験方式とも言えます。
推薦やAO入試で合格を勝ち取った受験生は、それだけのリスクを背負って挑んだ結果であることを忘れてはいけません。
大学受験は、自分の力を最大限に発揮できる入試方式で合格点を取れるかどうかで合否が決まります。
一般入試に全力集中することを選んだのであれば、推薦やAO入試へのタラレバは考えないほうが賢明です。
周りと比較するのではなく、自分の目標に向かって一生懸命な一年を過ごしましょう。
②模試の判定が悪い
受験勉強後半期に差し掛かると、受験生は模試の判定を実際の試験結果に近しいものとしてとらえるようになります。
志望校の判定がE・D・Cと合格ラインを割り込んでいると、時期も相まって「現実的に志望校の再考が必要なのではないか」と悩んでしまい、ふとした瞬間にいつも不合格のことを考えてしまう…という受験生のお悩みを耳にします。
模試の判定は参考程度に留める
受験勉強後半期であっても、模試の判定は参考程度に留める考えを変える必要はありません。
模試の判定は、志望校として記入した受験者の成績を分布化したうえで合格ラインを割り出して算出します。
そのため、本番の受験予定者と完全一致することはありません。
また、当然ではありますが模試はあくまでも「その試験の成績」で、試験本番の結果を保証するものではありません。
たとえ模試でA判定を取り続けても志望校の合格は確約されませんし、E判定を取り続けても本番で合格点を取れば合格です。
判定の良し悪しに一喜一憂することは建設的ではありません。あくまでもデータとして参考程度に留めましょう。
入試直前期(1月~3月)の不安解消法
次に、入試直前期(1月~3月)に抱えがちな不安の解消法についてご紹介します。
①全落ちに対する不安からプレッシャーを感じてしまう
入試直前期は多くの受験生が「全部不合格だったらどうしよう」という“全落ち”への恐怖感をプレッシャーに感じています。
全落ち=進学先なしとなると、不安を抱えながら過ごした受験勉強期間をもう一年続けることとなります。
自分自身の生活・学力の不安感はもちろんのこと、支えてくれる保護者へ負担をかけてしまう罪悪感や同学年から遅れてしまう感覚に苛まれることを想像してしまい、プレッシャーから勉強に身が入らなくなってしまうケースは少なくありません。
常に「成功した自分」をイメージする
大学受験はなりたい自分になるための第一歩です。
せっかく挑戦するのであれば、常に成功した自分をイメージするようにしましょう。
「失敗したらどうしよう…」と落ち込みそうになったら、反対に大学に受かったらやりたいことを書き出してみたり、合格後に必要な買い物リストを作ってみたり、ポジティブな考えと具体的な作業を結びつけることをおすすめします。
開き直って「全落ちした時はこうする」と心づもりしておく
それでも「全部落ちてしまったら」と不安になる気持ちもよくわかります。
しかし、不安な気持ちばかり抱いてしまって一番大切な直前期の時間を無駄にしてしまっては本末転倒です。
あまりにも不安感がぬぐえない場合には「全部落ちたときはこうしよう」と先に腹を括ることも効果的です。
「ダメならこうする」と決めておくことで、それ以上思考をめぐらすことを封じることができます。
目の前の学習に最善を尽くすにあたって、開き直ることも重要です。
悔いが残らないように全力で駆け抜けましょう。
②合格発表まで不安
入試終了後、合格発表までの期間が不安で取るものが手につかない人も多いかと思います。
進学先がない場合を見越して勉強したほうがいいのか、不安な気持ちのまま過ごしたほうがいいのか…迷う方も多いかと思います。
いったんすべて忘れて自分をねぎらう
志望校の入試を終えたら、まずは1年間頑張った自分を褒めてあげましょう。
何かを1年間継続して頑張り続けるということは、なかなかできることではありません。
試験の結果がどうであれ「1年間受験勉強をやり抜いたこと」に自信をもちましょう。
合格発表まで落ち着かない日々になりますが、いったんすべて忘れて1年間考えていた「受験が終わったらやりたいこと」を1つずつやってみることをおすすめします。
医学部進学後まで見据えた進路指導! 医学部合格を目指すなら京都医塾
入試当日というゴールに向けて走り続けることから、大学受験はしばしば長距離走に例えられます。
たしかに、十分な準備やペース配分が必要な点などつながりを感じる点は少なくありません。
長距離走においてペース配分は成功に向けた重要な要素です。
無理をして効率を悪化させてしまう場合もあれば、マイペースに進みすぎてゴールにたどり着けないこともあります。
「メンタルケアと学習のペースメークを行ってくれるサポートの手厚い予備校があれば…」と考えたことがある方も多いかと思います。
そこでおすすめなのが、医学部専門予備校「京都医塾」です。
京都医塾は、京都にある医学部専門予備校です。
これまで多数の国公立大学医学部合格者を輩出する名門予備校で、生徒のメンタルケアと学習ペースの管理に定評があります。
以下では、京都医塾について詳細にご紹介します。
目標から逆算して個別カリキュラムを作成&実行管理
医学部合格には、スタートの学力を把握したうえでゴールまでのギャップをどう埋めるかの逆算が重要です。
京都医塾では、生徒一人ひとりの学力を徹底分析し、「何を」「いつ」「どのように」学習すれば、医学部合格に至れるのかを具体化することで、1年間の個別カリキュラムを立案します。
得意科目や自分に合った学習方法が異なる生徒たちの学力を効率的に伸ばすべく、科目別・レベル別に適切な学習プランを立てています。
また、プランに合わせて日々どのような学習を進めていくべきかスケジュール化し、To doを可視化することで自主学習の時間であっても必要な学習だけを集中して取り組むことが可能です。
生徒1人に担任2名の充実したサポート体制
京都医塾では、生徒1人につき2名の担任制でサポートを行っており、週に1度生徒との1:1のカウンセリングを実施しています。
カウンセリングでは、学習相談はもちろん精神的な不安や気になることまでなんでも相談が可能です。
勉強法の見直しや生活リズム改善のアドバイスなど、一人ひとりの状況に応じてきめ細やかにサポートしています。
生徒が抱えるさまざまな悩みに真摯に寄り添い、解決に向けてアドバイスをしています。
質問対応専任講師がいつでも質問対応!
京都医塾では、質問対応専門の講師が常駐しているため開講中は全教科いつでも質問が可能です。
一般的な予備校では、質問できる時間や教科が限られていたりチューターが対応するためレベルの高い質問は後日の回答となったりと思うように質問ができないケースが散見されますが、京都医塾では「プロの講師」が質問に対応しているため医学部レベルの質問であってもその場で回答可能です。
自学だけでは理解しきれないポイントも質問対応を活用することで効率的に学習可能です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大学受験は不安との闘いの連続です。
一人では耐えきれないときには、抱えすぎずに身近な人に悩みを打ち明けてみることも大切です。
記事を読んで京都医塾に興味をもってくださった方もいらっしゃるかと思います。
京都医塾の指導方針の大まかな内容はホームページでもご確認いただけますが、より詳しい内容を知りたい方は『一泊二日医学部合格診断』へのご参加をおすすめしています。
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