医学部の入試では、集団討論が課される大学があります。
集団討論は、ぶっつけ本番でこなせるほど簡単なものではありません。
それでは、集団討論で高評価を得て、合格をつかむためにはどのようにすればよいでしょうか。
そこで今回の記事では、集団討論で重視されるポイントや集団討論の流れ、対策の取り方について詳しく解説します。
集団討論がある大学についてもまとめてありますので、気になる人はぜひチェックしてください。
集団討論とは
集団討論とは
集団討論は、与えられたテーマについて受験生同志が討論する様子を評価する試験です。
複数の受験生が1つの部屋に集められて討論を行い、そばにいる面接官が見守り評価を行います。
集団討論では、最後にテーマについての結論を出すかどうか、最後にグループで出した結論を発表するかどうかといった細かい点が、その時々で異なります。
そのため、面接官の指示をよく聞いて臨機応変な対応が必要となります。
集団討論は、個人面接や集団面接のように聞かれそうな質問にあらかじめ回答を準備するだけでは対応できない非常に難易度が高い試験といえるでしょう。
集団討論の目的は?
集団討論の目的は、従来の個人面接や集団面接では見ることのできない受験生の人物像を評価するために行われます。
将来の医師としての資質や能力を、受験生と面接官との関わりではなく、受験生同志の関わりから判断するためともいえるでしょう。
つまり、集団討論から、1対1の面接では測れない他者との協調性やコミュニケーション能力、表現力、積極性など受験生の多面的な評価がなされるのです。
集団討論で重視されるポイント
それでは、集団討論ではどのようなポイントが重視されるのでしょうか。
ここでは、面接官が受験生を評価する際に重視するポイントについて解説していきます。
結論を出す場ではなく過程が重要
集団討論で重要なのは、結論を出すことではなく「どのように討論しているか」という過程を重視する傾向があります。
なぜなら、討論の過程で見られる他者との共同作業が重視されるからです。
たとえば、自分の意見を出しながら他者の意見を傾聴しているか、自分の中にない意見を聞きながら、お互いに問題点を見つけ解決策を出し合っていけるか、といった点が挙げられます。
つまり、受験生が他の受験生と討論を進めていく様子が評価されているのです。
相手の意見を論破すればよいわけではない
集団討論では、討論の勝ち負けが評価されるわけではありません。
自分の意見の正しさを主張して、他者を言い負かそうとして反論するという態度はマイナス評価につながります。
複数人との話し合いの場面で、将来、医師として適切に振舞えない人物と判断されてしまいます。
あくまでもグループ全体のバランスや雰囲気を尊重し、過度の主張は控えるようにしましょう。
論理的思考
与えられたテーマに対して、現状を把握して問題点や解決策を見出すといった論理的思考は、重視されるポイントです。
医師として他者と話しをする上でも、論理的思考は必要な能力です。
発言の内容が支離滅裂であっては、他者に話したいことが伝わらず討論も深まりません。
具体的には、現在どのような課題があり、将来どのような問題が生じるか、考えられる解決策というように他者に話の道筋が伝わるような発言が求められます。
コミュニケーション能力
集団討論では、集団の中でのコミュニケーション能力が問われます。
自分の意見にこだわりすぎず他の受験生の意見を聞けているか、グループ全体で話題を理解し、結論に向けて討論を深めているかという点が評価対象となります。
誰かが発言しすぎたり、急に黙り込む人がいたりすると、グループ全員の評価を落としかねません。
発言しやすい雰囲気づくりや他の受験生への配慮や声掛けで、全員が気持ちよく発言できる場づくりに心がけましょう。
討論を深めて有意義なものになれば、グループ全体の評価につながります。
集団討論の実施方法
時間
一般的に15~20分、長くて30分程度の時間が与えられます。
自己紹介で時間を長めにとると、討論を深める時間がなくなってしまうので時間配分に気をつけて行いましょう。
人数
受験生は4~6人のグループに分けられます。
1グループに対して面接官が2~3名配置されます。
集団討論の流れ
まず、グループ分けされた受験生が室内に集められます。
グループ毎に面接官がついて、討論の様子について評価を行います。
司会役は面接官が行う場合もあれば、受験生の中から希望者が担当することもあります。
テーマが与えられ、数分それぞれで考えをまとめる時間が与えられます。
面接官の合図で、受験生同士が討論を開始します。司会が発言する順番を決めることもあれば、挙手して発言していく場合もあります。
いずれにしろ制限時間の中で、与えられたテーマについての是非を受験生同士が討論するというのが一般的な集団討論の流れです。
また、発言の前には自己紹介が求められることがあります。
自己紹介の内容としては、受験番号、出身高校、氏名の他に、高校生活で取り組んだことや医師を目指す理由などについても端的に話せるよう準備しておきましょう。
ダラダラと長話にならないように、簡潔に内容をまとめ全体として1分程度で述べられるようにしておくことがポイントです。
テーマ
大学によって扱われるテーマに幅があります。
受験する大学が過去にどのようなテーマを扱っているか確認しておくことが重要です。
ここでは、医学部で扱われることが多い医療に関するテーマと、社会問題に関するテーマについて解説します。
医療に関するテーマ
医療に関するテーマとしては、尊厳死や出生前診断、医師不足を改善させる方法など与えられたテーマについて討論します。
受験生の医師としての適性もチェックされていることを念頭におき、発言することが重要です。
テーマに対して過激な発言は控え、医師としてふさわしいバランスの取れた発言が望ましいでしょう。
社会問題に関するテーマ
高齢化社会の課題、いじめ問題の解決法、国際社会における日本の役割といった事柄がテーマとして出題されています。
テーマについて知っておかないと自分の考えを発言できず、討論に参加できなくなってしまいます。
日頃からニュースや新聞には目を通し、話題となっている社会問題についてはチェックするようにしましょう。
集団討論を実施する大学
下記の表は、集団討論を実施する大学についてまとめたものです。
国立大学医学部と私立大学医学部に分けて表記しています。
国公立大学医学部
大学名 | 試験日程 |
旭川医科大学 | 前期、後期 |
名古屋市立大学 | 前期 |
富山大学 | 前期、後期 |
岐阜大学 | 前期、後期 |
滋賀医科大学 | 前期 |
香川大学 | 前期 |
私立大学医学部
大学名 |
東邦大学 |
日本医科大学 |
自治医科大学 |
金沢医科大学 |
福岡大学 |
大学によって、集団討論の方法が大きく異なります。
討論にかけられる時間、司会の有無、与えられるテーマ、結論を出すかどうかといった内容が違いますので、必ず過去の情報に目を通しておくことが必要でしょう。
集団討論の対策
自分の考えを整理しながら結論を出す練習
集団討論では、自分の考えを整理しながら結論を出すことが求められます。
なぜなら課題となるテーマは、賛否両論の意見があって結論が出しにくいものが選ばれるからです。
そのため、「自分が考えていること」を整理して相手にわかりやすく意見することが極めて重要です。
さらに、自分は賛成なのか反対なのか、安易に結論だけを述べるのではなく、結論に至るまでの考えも相手に伝えられるようにすることも必要です。
普段から、ニュースや新聞などでテーマになりそうな問題に対して、自分の考えを整理して意見をする練習をしておくとよいでしょう。
受験予定の大学のテーマについては知っておく
受験予定の大学がある場合は、過去のテーマについて必ず知っておくべきです。
なぜなら、集団討論で課題となるテーマは大学によって大きく異なるからです。
医療に関するテーマばかり扱う大学もあれば、社会問題に関するテーマを多く扱う大学もあり、医学部といえども幅があります。
過去に出たテーマは大学の傾向を知る最良の情報源ですので、必ず目を通して対策を練ることが肝心です。
必ず一度は練習
実際に模擬討論を経験して慣れておくことが、集団討論の対策として最も肝心です。
どんなに発言する練習をしていたとしても、グループでお互いに意見を交わす形式となると緊張してうまく話せないということもあるかもしれません。
高校や予備校などの模擬討論に参加して、グループで討論する場を経験してみましょう。
出来れば志望校と同じ形式の模擬討論に慣れることが望ましいです。
せめて1度でも模擬討論を体験しておくことで、自分に必要なことが明確になり本番への余裕にもつながるでしょう。
集団討論対策なら京都医塾
集団討論は面接試験の中でもとくに難易度が高い試験です。
また、与えられるテーマやグループで一緒になるメンバーなど当日にならないとわからない要素が多くあり、集団討論の対策の立て方で悩む人も多いでしょう。
志望校合格を確実にするためには、医学部専門予備校を頼るのも1つです。
医学部専門予備校であれば、最新の医学部の入試情報から出題傾向の分析もされており、自学自習より効率良く対策がとれるでしょう。
面接対策を徹底的に支援
集団討論のある大学を志望する人にとくにおすすめなのが、京都医塾です。
京都医塾では、面接対策もしっかりとサポートしています。
集団討論については、過去の試験内容の分析を行い、模擬討論の練習をすることができます。
面接官の視点にたった講師からアドバイスをもらい、個別指導によって発言の仕方を何度も練習し洗練させていくことも可能です。
自分1人ではとくに難しい集団討論の対策ですが、講師が1人ひとりに必要な指導を行いますので、自信をつけて本番に望めるでしょう。
志望校合格のための情報提供
医学部受験は、情報戦ともいわれています。
毎年更新される受験情報の収集は、医学部受験のプロに任せても良いでしょう。
京都医塾では、独自の情報網を駆使して最新の情報が揃うよう常にアップデートしています。
集団討論のように大学ごとに扱うテーマや形式が異なる場合であっても、しっかり把握し出題傾向をつかんでおりますので安心です。
最後まで寄り添うサポート
国公立大学医学部では、後期試験に集団討論を課す大学があります。
京都医塾では、試験が終わった当日も指導を緩めることなく、次の入試の合格を目指します。
そして後期試験の最後の最後まで、重要事項の確認や不安なところを生徒と向き合いながら納得がいくまでサポートを続けます。
そのような指導と生徒達の努力が実り、後期試験で毎年たくさんの生徒が合格を勝ち取ってきています。
まとめ
集団討論は多くの人にとって馴染みが少ない試験ですが、入試で集団討論を課す大学を受験する場合は避けることができません。
自己紹介やテーマに沿った発言の仕方は、自分である程度対策を立てて練習をすることができます。
しかしながら、グループという複数人いる中で話し合う練習は、自学自習では難しいでしょう。
受験生の中には、集団討論の対策をしっかり予備校でやってほしいと思う人もいるはずです。
そんな人におすすめなのが、医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾では、徹底した面接対策、志望校合格への情報提供、受験生活の最後まで生徒をサポートし続けます。
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