医学部は6年間という長期の就学期間があり、その間の学費や教育内容、さらには卒業後の進路まで考慮して選ぶ必要があります。
特に近年は、大学病院での研修制度の変更や、医師の働き方改革など、医療を取り巻く環境が大きく変化しています。
そのため、単に「医師になりたい」という思いだけでなく、より具体的な将来設計を見据えた大学選びが重要になってきているのです。
そこで今回の記事では、違いを踏まえた医学部の選び方から特徴、難易度がわかりやすいポイントまで解説します。
国公立大学と私立大学では教育方針や特色が異なり、それぞれに魅力的な点がありますので、ぜひ参考にしてください。
目次
医学部大学は大きく『国公立医学部』と『私立医学部』にわけられる
医学部は、大きく国公立医学部と私立医学部の2つに分類されます。
両者は学費や受験科目、教育方針など多くの面で異なる特徴を持っており、進学を考える際は自分の目指す医師像や経済状況に合わせて選ぶ必要があるため、以下で違いを解説します。
国公立大学医学部
国公立大学医学部の特徴は、大学入学共通テストで以下の5教科7科目を受験する必要があることです。
合格するためには90%以上の高得点が必要で、1科目でも点数が低いと合格は困難です。
- 国語
- 数学I・A・II・B
- 英語
- 理科2科目(物理・化学・生物から2つ)
- 地理歴史・公民から1科目
また、二次試験でも英語・数学・理科など複数科目が課されることも多く、まんべんなく高い学力が求められます。
国公立大学医学部は研究設備の充実度が高いことから、将来研究医を目指す学生に適していると言えます。
私立大学医学部
私立大学医学部の受験科目は各大学が独自に設定しており、英語・数学・理科の3教科が一般的です。
中には理科1科目のみの大学もあり、受験生は得意科目を活かして受験できます。
また、大学によって入試日程が異なるため、複数の大学を受験できることも特徴です。
臨床実習に力を入れており、将来開業医や臨床医を目指す学生に向いています。
ただし、学費は国公立の5倍以上かかることが多く、家計の余裕は必要となります。
どこに行けばいいか悩むならさまざまな項目で比較検討を
医学部選びで考慮すべき項目は、受験科目や設備以外にも数多くあります。
大学の地域性や知名度、国家試験合格率、研究実績、附属病院の規模なども判断材料として挙げられる一例です。
卒業後のキャリアパスも大学によって特色があり、大学病院に残りやすい大学もあれば、開業医を多く輩出する大学もあります。
志望校選びの際は、自分の目標や環境に合わせて、多角的な視点で検討することをおすすめします。
次章以降では、より詳しく比較ポイントについて見ていきましょう。
大学による違いが大きい医学部の学費
医学部の学費は、国公立大学と私立大学では雲泥の差があります。
国立大学医学部の場合、入学金は28万2,000円、年間授業料は53万5,800円と全国一律で定められており、6年間の総額はおよそ350万円程度です。
一方、私立大学医学部の学費は桁違いに高額です。
もっとも安い国際医療福祉大学でも6年間で総額1,850万円、もっとも高い東京女子医科大学では4,621万円にまで跳ね上がります。
公立大学医学部の学費は、授業料については国立大学と同様の水準ですが、入学金は大学所在地の出身者かどうかで金額が異なるのが特徴です。
例えば大阪市立大学の場合、大阪市内在住者は22万2,000円、市外在住者は34万2,000円と、約12万円の差があります。
このように医学部の学費は、同じ医師になるための教育を受けるにも関わらず、進学先によって数千万円単位の開きが生じます。
そのため、医学部進学を考える際は、家庭の経済状況も判断材料としてみるのも良いかもしれません。
医学部受験において大学による違いはある?
医学部受験では、国公立大学と私立大学で受験方式に大きな違いがあります。
まず、国公立医学部の場合、共通テストと二次試験の両方で高得点を取る必要があります。
特に共通テストでは80%以上の得点率が求められ、下回ると二次試験での逆転合格は極めて困難です。
一方、私立医学部の場合は一般的に数学・理科2科目・英語による一次試験と、面接や小論文を中心とした二次試験という構成です。
私立医学部では共通テストが不要なため、この科目に集中して対策を立てることができます。
このため、受験勉強のスケジューリングという観点では国公立医学部の方が難しいといえます。
共通テスト対策と二次試験対策を並行して進める必要があり、より計画的な学習が求められるためです。
国公立医学部では地域による難易度の差も大きく、都市部に近いほど難度が上がる傾向にあるでしょう。
ほとんどの医学部は偏差値60以上
医学部の難易度は、国公立・私立を問わず高水準です。実際、ほとんどの医学部で偏差値は70程度となっており、中には東京大学理科三類のように偏差値72.5を超える超難関校も存在します。
特筆すべきは、私立医学部の難化傾向です。
1980年代には偏差値50以下の医学部も6大学ほど存在していましたが、現在ではすべての私立医学部が偏差値60.0以上となっています。
中でも慶應義塾大学、日本医科大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学といった「医学部四天王」と呼ばれる大学は、一部の地方国公立大学よりも難関として位置付けられています。
このように、医学部志望者は国公立・私立を問わず、極めて高い学力が必要です。
近年は特に女子の医学部志望者が増加傾向にあり、今後も医学部全体の難易度は高止まりするでしょう。
医学部における授業内容やカリキュラムの特徴・特色は?
医学部の授業内容やカリキュラムの面を見ても、国公立と私立で異なる特色を持っています。
国公立医学部は研究分野に重点を置き、基礎医学や先端医療研究に力を入れているのが特徴です。
1年次から研究室に出入りできる機会が多く、医学研究者としての素養を育てることを重視しています。
一方、私立医学部は臨床医学教育に力を注ぎ、各診療科目における実践的な知識とスキルの習得を重視している傾向にあります。
早期から病院実習を取り入れたり、シミュレーション設備を充実させたりすることで、即戦力となる医師の育成を目指しているためです。
ただし、一般的な傾向であり、すべての大学がこの通りというわけではありません。
例えば、国公立でも臨床重視のカリキュラムを組んでいる大学もあれば、私立でも研究に力を入れている大学も存在します。
共通しているのは、6年間の教育期間のうち、はじめの2年間は教養科目と基礎医学を学び、その後4年間で専門的な医学知識と臨床実習を行うという基本的な流れです。
医師国家試験の合格を見据えたカリキュラム構成は、どの大学でも重視されています。
医学部は就職先にも大学による違いが出る
医学部卒業後の進路選択は基本的に個人の自由ですが、大学によって特色のある教育内容や研究環境が整備されているため、結果として就職先に違いが生まれることもあります。
例えば、基礎研究に力を入れている大学の卒業生は研究職に進む割合が高くなり、実践的な臨床実習を重視している大学では、卒業後すぐに臨床現場で活躍する医師を多く輩出しやすいなどです。
また、大学院や研究施設が充実している医学部では、より専門的な研究キャリアを目指す卒業生が多くなるでしょう。
各大学医学部が持つ独自の人脈やネットワークにおいて、関連病院との強いつながりを持つ医学部では、卒業生の多くが関連する医療機関に就職しやすくなるでしょう。
研究医と臨床医のどちらを目指す?
医師のキャリアパスは、大きくわけて研究医と臨床医の2つに分類されます。
進路選択の際は、各大学医学部の特色や強みを十分に理解した上で、自分の将来像に合った大学を選ぶことが大切です。
特に旧帝大をはじめとする研究型の国立大学医学部では、基礎医学研究に重点を置いた教育が行われており、研究医を目指す学生が多く集まる傾向にあります。
充実した研究設備と指導体制が整っており、将来的に医学研究の最前線で活躍することを目指す学生にとって理想的な環境です。
一方、臨床医を目指す場合は、実践的な医療技術の習得に力を入れている大学医学部を選ぶのが賢明です。
特に開業医を視野に入れている場合は、自分が専門としたい診療科目の教育が充実している大学を選ぶと良いでしょう。
臨床医には勤務医という選択肢もあり、大学病院や関連病院での実地研修が充実している医学部は、即戦力となる臨床医の育成に定評があります。
「偏差値40で医学部合格」を目指すなら京都医塾
30年以上の指導実績を持つ京都医塾では、生徒1人ひとりに合わせたオーダーメイドカリキュラムと、徹底的な学習サポート体制を整えています。
医学部合格への道のりは決して平坦ではありませんが、偏差値40台からでも医学部合格を目指すことが可能です。
以下では、京都医塾の特徴を3つに分けて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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70名以上在籍する社員講師の7割が京都大学出身のハイレベルな講師陣が、生徒1人ひとりの学力を徹底的に分析し、個別授業と集団授業を最適にブレンドしたカリキュラムを作成いたします。
もちろん、中学レベルまで遡って基礎から着実に実力を積み上げていくことも可能です。
講師陣は柔軟にカリキュラムを調整しながら、医学部合格という目標に向けてチーム一丸となってサポートします。
数々の合格者を輩出!驚きの実績
京都医塾では、偏差値40台からスタートして医学部に合格した実績が多数あります。
2023年度も偏差値30台から医学部合格者を輩出するなど、着実な成果を上げ続けてきました。
この実績を支えているのが、完全1対1の個別指導と少人数制の集団授業を組み合わせた効果的な指導方法です。
個別指導では1人ひとりの弱点を徹底的に克服し、集団授業では実践力と競争力を養成します。
担任による週1回のカウンセリングで学習進捗を細かくチェックすることで、迷うことなく志望校の医学部合格を目指せるのです。
遠方からでも安心!学寮をしっかり完備
全国各地から集まる生徒のために、京都医塾では充実した学寮環境を整備しているのも特徴の1つです。
校舎から徒歩5分という好立地に位置する学寮には、24時間体制で寮母が常駐し、全室家具家電完備で勉強に集中できる環境が整っています。
校舎内には一人一台の個人ブースを用意しているほか、管理栄養士監修の食事提供や、起床から就寝までの生活リズム管理など、学習効率を最大限高めるためのサポート体制も万全です。
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まとめ
医学部選びは、国公立と私立で大きく異なる特徴を理解することが重要です。
以下は、今回の記事で取り扱った違いをまとめた表です。
比較項目 | 国公立医学部 | 私立医学部 |
学費(6年間総額) | 約350万円 | 1,850万円〜4,621万円 |
入学金 | 28万2,000円(国立)22万2,000円〜34万2,000円(公立) | 大学により異なる |
受験科目(一般入試) | ・共通テスト5教科7科目必須・二次試験複数科目 | ・3教科が一般的(英語・数学・理科)・理科1科目のみの大学も存在 |
求められる共通テスト得点率 | 90%以上 | 不要な大学も多い |
教育の特徴 | ・研究分野重視・基礎医学・先端医療研究に注力・研究室での活動機会が多い | ・臨床医学教育重視・実践的な診療スキル習得・早期からの病院実習 |
設備の特徴 | 研究設備が充実 | 臨床実習用シミュレーション設備が充実 |
卒業後の傾向 | ・研究医志望者が多い・特に旧帝大は研究者輩出が多い | ・臨床医(開業医・勤務医)志望者が多い・即戦力の医師を育成 |
偏差値レベル | ・都市部ほど高難度・東大理III:72.5以上 | ・すべて偏差値60以上・医学部四天王は地方国公立より難関 |
進学先を決める際は、学費や受験科目だけでなく、大学の教育方針、研究設備、附属病院の規模、国家試験合格率なども総合的に検討しましょう。
医学部受験は確かに難関ですが、早期から計画的な準備を進め、適切なサポートを受ければ、決して手の届かない目標ではありません。
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