学科試験を無事終えたあと、次に控えているのは面接です。
志望理由や自己PRなど必ず聞かれる質問については対策をしていても、「ほかに何か聞かれることはあるかな」「答えられない質問があったらどうしよう」と不安に思っている受験生もいるかもしれません。
そこで今回の記事では、面接の定番質問とは違った「変わった質問」の実例や目的、答え方について解説します。
目次
医学部面接で聞かれる「変わった質問」とは?

まずは、医学部受験の面接における「変わった質問」にはどのようなものがあるかについて少し見てみましょう。
医学部面接で実際に聞かれた変わった質問例
医学部受験の面接で聞かれた質問例には、以下のようなものがあります。
「100万円使えるとしたら何に使いますか?」 「もし世の中からスマートフォンがなくなったらどうなると思いますか?」 「英語で自己紹介をしてください」 「もし給料が3分の1になっても医師をやりたいと思いますか?」 「AI(人工知能)が医療現場にもたらす影響にどんなことがあると思いますか?」 「○○(地域)の特産品は知ってる?」(地域枠受験者向け) |
また、医学部受験では、面接だけでなく小論文でも以下のような変わったテーマが出題された例もあります。
順天堂大学:「戦時中の特攻隊員の家族への手紙を書く」「アザラシの気持ちの記述」東海大学:「リンゴの皮を剥いたことがない子どもに向けたナイフの使用説明書」 愛知医科大学:「3年間交際した婚約者に別れの手紙を書く」 |
医学部の面接が変わった新形式「MMI」の導入
近年では質問内容だけでなく従来とは違った「MMI」という面接形式を取り入れる大学も出てきています。
「MMI(Multiple Mini Interview)」とは、個人面接の一種です。
「Multiple(複数の)」という名の通り、MMIでは複数の「ステーション」と呼ばれる面接場所が設けられています。
受験生はこれらのステーションを順に回り、各ステーションで異なる面接官と短時間で対話する形式で面接を行うのが特徴です。
MMIは短時間で異なる面接官と対話する形式のため、従来の形式の面接と比較して複数の面接官との柔軟なコミュニケーション能力を求められます。
また、MMIでは正解のない問題を問われることも多く、通常の面接よりも与えられたテーマへの対応力や自分の考えを説明する論理的能力が問われます。
医学部の面接での変わった質問で見ているポイントとは?

記事の冒頭で紹介したような一見大学受験とは無関係に思える変わった質問ですが、もちろん面接で問われるからには重要な目的があります。
次に、大学側が面接で変わった質問をする目的と見ているポイントについて解説します。
準備ができていない質問に対する柔軟性
医学部受験において、志望動機や自己PRをはじめとした定番質問に対して何の準備もなく面接試験に臨む受験生はそう多くありません。
長い準備時間をかけ、場合によっては先生や家族などのサポートを受けて完成させた回答は質が高いものになるでしょう。
しかし、それでは受験生本来の姿を見極めることが難しくなります。
そのため、定番質問以外にも事前準備が難しいような変わった質問や状況設定を用意して、その場で生み出される受験生の反応から柔軟性や人間性などを確認することが目的です。
突然の質問に対する対応力
面接で予想もつかないような質問をされると、多くの人は動揺して言葉に詰まったり、焦って的外れな対応をしてしまったりすることもあるでしょう。
しかし、特に医者を目指す医学部の学生には臨機応変な対応力も求められます。
変わった質問は、予期せぬ状況でも落ち着いて適切に対応できるのか受験生のとっさの対応力を測るために行われている側面もあります。
予想外のテーマに対する論理的思考力
あるテーマについて時間をかけて情報を調べたうえで自分の意見を述べるのは、医学部を目指す受験生にとってはそれほど難しくないかもしれません。
しかし、準備のない状態で意見を「その場で」述べるとなると、自分の持っている情報をつなぎ合わせて論理を組み立てる高い思考力が求められるため、難易度が上がります。
そのため、想定外のテーマについて問うことで、知識や興味の広さ、限られた時間で与えられた情報を論理的に分析して論理的な回答を導く能力といった医者にとって欠かせない資質を評価することが可能です。
受験者本来のコミュニケーション能力
学生に求める資質を示した「アドミッションポリシー」において、もっとも多くの大学医学部で挙げられているのは意外にも「コミュニケーション能力」だといわれています。(参考:東洋経済オンライン)
いずれ医者になれば、看護師をはじめとしたほかの医療スタッフとの連携や患者やその家族との関わりにおいてコミュニケーション能力は欠かすことのできない能力です。
そのため、変わった質問を投げかけることで「自分の考えを伝える」「相手の意図を汲み取る」といったコミュニケーション能力を評価しようとしています。
医学部の面接での変わった質問には必ず答えられないといけない?
面接での変わった質問を通じて、大学側は受験生の本来の能力や適性を見極めようとしています。
「予想もつかない質問なんて準備もできないし、どう答えたらいいのかわからない」と心配する受験生も多いでしょう。
しかし、ほかの質問と異なり、変わった質問で重視されるのは回答の内容そのものではなく「受験生の対応」です。
そのため、変わった質問に対して、必ず的確に答えられる必要はありません。
変わった質問で気を付けるべきは「限られた時間で正解にたどり着かないといけない」と焦ってしまい、頭が真っ白になったり見当違いな回答をしてしまったりしないようにすることです。
質問に対して冷静に対応し、自分の考えを論理的に伝える能力を示すことが大切です。
医学部の面接で変わった質問をされたときの答えるポイント

質問に対して必ず「正解」を導く必要がないとはいえ、面接である以上適切な対応は求められます。
次に、面接で変わった質問をされたときの対応のポイントについて解説します。
落ち着いて質問の意図を理解する
予想もつかない質問をされたとき、「どうしよう!」「どう答えたら正解?」と焦ってしまって当然です。
しかし前述のとおり、変わった質問に求められているのは「すぐに正解を答えること」ではなく「適切に対応すること」です。
まずは「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか」と一旦時間を確保したうえで、落ち着いて質問の意図を理解しましょう。
もし考えても問われた内容が理解できなかったら、「そのご質問は○○という意味でよろしいでしょうか」などと丁寧に尋ねることも一つの方法です。
論理的に考え、わかりやすく説明する
面接で面接官が知りたいのは回答自体だけでなく「なぜ、どういう考えでその回答にたどり着いたか」についてです。
そのため、回答に至った理由が面接官に伝わるように、論理的な思考とわかりやすい説明ができると自分の考えをしっかりアピールでき、面接官に好印象を与えられます。
PREP法(Point-Reason-Example-Point)を用いて、主張、理由、具体例、まとめの順で答えを組み立てると面接官に理解しやすい回答になります。
医療や医学との関連性を見出す
医療や医学と関係のないような質問でも、もし関連付けて考えられる質問ならできれば医療や医学とからめて答えると好印象です。
例えば、「もし世の中からスマホがなくなったらどうなると思いますか?」という質問に対しては、遠隔医療や医療情報の共有における課題、人々の健康管理への影響などの観点から考察ができるかもしれません。
また、予期しない質問への対応力を上げるには、普段からテレビや本、ニュースや周囲の出来事について自分なりの視点で考えるくせをつけておくのがおすすめです。
正直に、かつ前向きに答える
どうしても質問に対する答えがわからない場合や即答が難しい場合、黙ってしまうよりは正直にそう伝えてしまいましょう。
ただし単に「わかりません」と終わらせてしまうのではなく、「現時点では答えられませんが、このような観点から考えてみたいと思います」など前向きな姿勢を示すと謙虚さと学ぶ意欲をアピールできます。
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「一度しかない面接で、変わった質問にも適切に対応して面接官に自分の考えを伝える」というのは、面接機会の少ない高校生にはなかなか難しいことです。
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まとめ

面接は学科試験では測れない受験生の資質をみるものであり、変わった質問もその目的の一つとして行われます。
「変わった質問」に対して対策を万全にするのは不可能ですが、面接に必要な考え方や困ったときの対応は練習で身につけられます。
もちろん志望動機や将来の目標など、定番の質問にもしっかりした準備が必要です。
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