北陸に位置し、開校以来、未来の名医を育てる教育に力を入れてきた金沢医科大学医学部。
同大学では充実した学習環境を学生たちに提供していると評判で、受験を希望する人が後を絶ちません。
今回は、そんな金沢医科大学医学部の入試に関する情報を一挙にまとめました。
ぜひ最後までご覧下さい。
金沢医科大学医学部の基本情報
それでは最初に金沢医科大学医学部の基本情報について見ていきましょう。
入学定員、学費、所在地について紹介していきますので参考にしてください。
入学定員
2023年度における金沢医科大学医学部の募集人員は、全部で110名となっています。
内訳は、一般選抜(前期)が72名、同後期が10名、総合型選抜(AO入試)が14名、総合型選抜(卒業生子女枠入試)が8名、学校推薦型選抜(指定校・指定地域)が6名です。
2022年度からの変更点としては、総合型選抜(AO入試)が21名から14名に減員された代わりに、一般選抜(前期)が65名から72名への増員措置がとられました。
また、学生数ですが、2021年5月1日の時点では男性385名、女性294名、合わせて679名となっています。
学費
金沢医科大学医学部の学費は、6年間で39,500,000円です。
私立大学の医学部の平均的な学費は、2,000万から3,000万ですから、他大学と比べて高額と言えます。
キャンパスの場所
金沢医科大学医学部のキャンバスは、石川県河北郡内灘町大学1丁目1番地に所在しています。
公共交通機関を利用して向かう場合はJR金沢駅で降車し、その後はタクシーを利用するとよいでしょう。
なお、金沢医科大学は住宅地に所在しているため、周辺に宿泊施設がほとんどありません。
受験前日に宿泊希望の方は市内中心部の宿泊施設をご利用ください。
金沢医科大学医学部の特徴
金沢医科大学医学部では、「6年一貫型の統合カリキュラム」や「診療参加型臨床実習」という特徴的な教育方法を実践しています。
こちらの項では、金沢医科大学医学部が推進しているこれらの教育について解説していきましょう。
6年一貫型の統合カリキュラム
上でも話したとおり、金沢医科大学医学部では6年一貫型の統合カリキュラムを取り入れています。
このカリキュラムは、世界医学教育連盟が定める国際基準を踏まえて作成されたもので、従来型の縦割り教育を廃止し、教育に必要な分野を一貫型のものに統合したものです。
統合カリキュラムでは臓器別統合型などのユニットが組まれており、各ユニットでは臨床医学や基礎医学を学びます。
また、卒業時に最終目標を達成するため、学年ごとに学修進度をチェックする制度も含まれています。
このように金沢医科大学医学部では、独自の教育システムを採用し学生に高度な教育を施しているのです。
診療参加型臨床実習の導入
金沢大学医学部が導入している診療参加型臨床実習も同大学の特徴的な教育システムです。
診療参加型臨床実習は、医療チームの一員として動くことで症例などの学びを経て、医師になる際に必要な臨床能力を獲得するために実施されます。
実習中の医学生は、多様なメディカルスタッフとともにチーム医療を学習し、医療行為を実施するための技能やコミュニケーション能力を体得します。
高い学費にも理由がある!充実した学習環境
先ほど、金沢医科大学医学部の学費は他大学よりも比較的、高額であると説明しました。
しかし、金沢医科大学医学部では上で紹介した教育システムの他にも、スチューデント・ドクター医局やクリニカル・シミュレーション・センターなど非常に優れた教育方法を取り入れ、学生を未来の名医に育て上げています。
ここまで充実した学習環境を提供してくれるのですから、学費が平均値よりも高くなってしまうのは仕方ありません。
ここから先は、金沢医科大学医学部が実践している教育についてさらに深掘りして解説していきましょう。
スチューデント・ドクター(SD)医局
スチューデント・ドクターとは、大学4年時に課される共用試験に合格し、「診療参加型臨床実習を行うに足る知識・技術・態度を有する者」と認定された学生に付与される資格のことを指します。
金沢医科大学医学部は、6年次の学生を対象として24時間利用可能なSD医局を設置し、集中して学習に専念できる環境を整えています。
クリニカル・シミュレーション・センター
クリニカル・シミュレーション・センターは金沢医科大学医学部の医学教育棟5階に設置されている3つのラボを指します。
こちらのラボは、最新型のシミュレーターで医療スキルを向上させることができるため、学生からも非常に人気です。
医学部の授業以外の時にもトレーニングができるよう、個人使用にも活用しやすい環境が整えられていることも金沢医科大学医学部の特徴と言えるでしょう。
また、ラボの中にはビデオ機器やカメラ、加えてモニターが備え付けられており、振り返り学習にも強い体制が構築されています。
電子カルテシステムの活用
金沢医科大学医学部の学生が実習時に使用する金沢医科大学病院では、電子カルテシステムを導入しています。
電子カルテシステムとは、その名のとおりカルテを電子化したシステムのことで同病院では2000年から取り入れられました。
この電子カルテシステムは院内ネットワークに繋がれており、がん登録支援システムなどに活用されています。
実習中の学生は、この電子カルテに個人情報などを入力し学習を進めていきます。
電子カルテシステムを使うことで情報の記録と取り出しが迅速にできますので、より一層学習がはかどるでしょう。
金沢医科大学医学部の難易度
金沢医科大学医学部の偏差値や倍率は、いったいどのくらいの値となっているのでしょうか。
難関と言われる医学部を突破するためにも、志望校の偏差値や倍率は必ず押さえておきたいところです。
こちらの項では金沢医科大学医学部の偏差値と倍率について取り上げましょう。
偏差値
金沢医科大学医学部の偏差値は65.0で、全国的に見ても平均的なものとなっています。
こちらの偏差値に近い大学は、
・東海大学医学部
・久留米大学医学部
・福岡大学医学部
などがあげられ、偏差値はそれぞれ65.0となっています。
倍率
こちらでは、金沢医科大学医学部の倍率について見ていきましょう。
倍率は、2020年度のものから2022年度のものまでを表にしてまとめています。
倍率の他にも、各年度の募集人員や合格者数などもまとめておりますので、こちらも併せてご覧ください。
▼金沢医科大学医学部の入試データ
・2020年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 16.2 | 65 | 3,038 | 2,810 | 188 |
後期 | 99.1 | 10 | 1,585 | 1,425 | 16 |
・2021年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 12.7 | 65 | 2,481 | 2,205 | 195 |
後期 | 73.5 | 10 | 1,323 | 1,179 | 18 |
・2022年度
入試日程 | 倍率 | 募集人数 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
前期 | 24.3 | 65 | 3,914 | 3,396 | 161 |
後期 | 88.4 | 10 | 1,326 | 1,180 | 15 |
金沢医科大学医学部における2022年度の倍率は、前期・後期ともに高い水準のものとなりました。
とくに前期にいたっては前年度よりも約12ポイント増となり、2倍近くにもなる上昇幅を見せています。
気を引き締めて試験に臨まないと、返り討ちにあってしまうでしょう。
なお、上述のとおり、2023年度の入試では増員措置が図られましたが、7名の定員増が及ぼす影響は今のところは未知数のため、楽観視はできません。
同医学部の受験を考えている方は、これまでどおりのスタンスできちんと学習に取り組み、一歩一歩、力を蓄えていってください。
入試形式と入試科目
ここから先は金沢医科大学医学部の入試形式と入試科目について解説していきましょう。
ポイントのみをピックアップして説明していますので、医学部合格のためにもぜひ押さえておいてください。
入試方式
金沢医科大学医学部の入試方式は、一般前期や一般後期など全部で5種類、用意されています。
ここでは、金沢医科大学医学部が設けている入試方式について解説しましょう。
一般選抜(前期)
前期の一般選抜では、一次試験で英語、数学、理科2科目の学科試験が課され、二次試験では小論文とグループ面接が行われます。
また、2022年度の入試では「試験日自由選択制」が実施されることになりました。
試験日が2日間設けられており、受験日や受験回数を自由に選べるのです。
そのため、2日間のうち都合の良い日を選んで受験することもできれば、2日間とも受験して合計点数の良かった日の結果で判定を受けることも可能です。
一般選抜(後期)
後期の一般選抜では、前期と同じく一次試験で学科試験、二次試験で小論文とグループ面接が実施されます。
ただし、学科試験は英語と数学の2教科のみで、試験日も1日しか設けられていません。
総合型選抜(AO入試)
金沢医科大学では総合型選抜も行っています。
総合型選抜では、本人の学習意欲や使命感、人間性に重きをおいて評価されます。
出願時には、1,000字以内の自己推薦書と1,000字の推薦書の提出が必須となっています。
自己推薦書には、志望理由や勉学目標など指定された項目を記述する必要がありますので、指定の様式を確認しておきましょう。
また、一次試験で基礎学力テスト、二次試験で15分の個人面接が実施されます。
基礎学力テストでは英語、数学、理科2科目に加え、文章理解能力や一般常識の問われる問題が出題されます。
こちらの試験には年齢制限が設けられていますので、受験を検討している人は必ず確認しておきましょう。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜推薦入試には、高校の校長からの推薦書と自己推薦書が必要となります。
AO入試と同様、一次試験で基礎学力テスト、二次試験で個人面接を行います。
また、学校推薦型選抜で入学する場合、卒業後は指定の病院で5年間の臨床研修を行うことが条件となっています。
一般入試の入試科目
こちらの項では金沢医科大学医学部の一般入試の入試科目について詳しく見ていきましょう。
数学(100)、理科2科目(150)、外国語(100)
金沢医科大学医学部では数学や理科2科目、加えて外国語の試験が課されます。
数学は上位私大レベルの問題が出題されますので、徹底的に過去問を解いて対応しましょう。
外国語は例年、長文問題を中心に出題されます。
出題形式が独特なので、過去問を多く解くことがプラスにはたらくタイプの入試です。
物理は、2020年度に大問数が4題から2題へ減少しました。
それに応じて、試験時間も120分から90分へと変更になっています。
近年は大問数や難易度が大きく変動しているので、受験を検討する際には注意が必要です。
難易度は基本~標準で、典型題も多いです。しかし、時間に対しての設問数が多いため、手際よく解き進める必要があります。
化学は医学部としては標準レベルの難易度となっています。
難問を何度も解く学習方法よりも、入試レベルの問題をひたすら解くのがおすすめです。
生物は例年大問3問の出題で、小問集合型の大問を含みます。
全体的に基礎的な知識を問う問題が多く出題されますが、計算問題や考察問題の出題も見られるため時間配分には注意が必要です。
基礎知識をしっかりと身に付けた上で、その知識の運用を標準的な問題演習を通して確認しておくようにしましょう。
小論文
小論文は、指定の論文を読んだうえで要約と意見論述を行う形式となっています。
意見論述は、2020年度から出題されるようになりました。
小論文の試験では書き手の意図を想像しつつ、文章が論理的につながるよう記述してください。
面接グループ面接(討論型)
面接ではグループ討論形式のものが採用されています。
他の大学は個別面接を採用しているところが多いことから、特徴的であると言えるでしょう。
こちらの試験では最初に課題文が与えられた後、9分ほどメモを取る時間が設けられます。
その後、受験者は別室に移動し意見をそれぞれ2分程度交わしたあと、20分間のグループ討論に入ります。
討論のテーマには在宅医療や医療検査に関するものの他、オリンピックの報道に関するものやメディア・リテラシーに関するものも課されるため、過去の出題傾向をしっかり把握して備えておきましょう。
まとめ
金沢医科大学医学部は北陸に位置し、開校以来、未来の名医を育てる教育に力を入れてきた大学です。
こちらの大学では、6年一貫型の統合カリキュラムや診療参加型臨床実習を導入して学生に優れた学習環境を提供しています。
そんな金沢医科大学医学部の偏差値65.0となっており、私立大医学部の中では平均に近い数値となっています。
偏差値で判断すると上位の大学と比べて入学しやすいと判断されますが、それだけに志願者が多く2020年度の一般入試では倍率が50倍を突破しました。
金沢医科大学医学部に合格するためには、50倍を超える倍率を乗り越えるだけの学力が必要とされます。
そのため、日々学業に励み着実に実力をつけてきたものの、この高い倍率を前にして思わず尻込みしてしまう受験者もいるはず。
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金沢医科大学医学部の受験にも強く、20221年度は22名もの生徒を一次合格へ導いています。
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