国内には、国公立大学・私立大学合わせて全部で80以上もの医学部が設置されています。
これらの医学部には、主に設置された年代によっていわゆる「序列」と呼ばれるグループ分けがなされています。
受験生のなかには、「医学部にはどういう序列があるのか」「序列は将来に影響があるのか」について気になっている人もいるでしょう。
そこで、今回の記事では医学部の序列について国公立大学・私立大学それぞれ表で解説するとともに、序列が将来に与える影響について詳しくまとめました。
目次
医学部の序列は何で決まる?
医学部の序列を決定づける要素は主に以下の3つです。
- 設立年代
- 研究成果や優秀な医師の輩出など医学の発展への寄与
- 関連病院の数と規模
設立年代が古いほど長年にわたって医療業界に貢献している、関連病院が多いほど広範囲に医療ネットワークを構築しているといった理由からであり、医学部の序列は「医学界への貢献度」で決まるといえます。
以下で国公立大学・私立大学それぞれの序列と偏差値について見ていきましょう。
医学部の序列ランキング【国公立大学(偏差値付き)】
まずは、国公立大学医学部の序列4グループについて解説していきます。
- 旧帝国大学
- 旧制医科大学
- 旧制医学専門学校
- 新設医科大学
旧帝国大学(通称:旧帝大)
大学名 | 偏差値 |
北海道大学 | 65.0 |
東北大学 | 67.5 |
東京大学(理科三類) | 72.5 |
名古屋大学 | 67.5 |
京都大学 | 72.5 |
大阪大学 | 70.0 |
九州大学 | 67.5 |
(※以下記事内の表は河合塾Kei-Net一般選抜一般枠・前期ボーダー偏差値を参照)
旧帝国大学と呼ばれる7校は、1920年〜1926年の間に設置された医学部群で国公立大学医学部の中では最も序列上位に位置するグループです。
最初に設置されたのは東京大学医学部ですが、その後、同医学部で学んだ医師たちが教鞭を取る形で、全国各地に医学部が設けられました。
全体的に難易度が高い医学部群であることでも知られており、東京大学と京都大学は、国公立大学医学部の中では最高峰の偏差値を誇ります。
旧制医科大学
大学名 | 偏差値 |
千葉大学 | 67.5 |
新潟大学 | 65.0 |
金沢大学 | 65.0 |
岡山大学 | 67.5 |
長崎大学 | 65.0 |
熊本大学 | 62.5 |
京都府立医科大学 | 67.5 |
旧制医科大学と呼ばれる7校は、国公立大学医学部の序列の中でも2番目に位置するグループです。
1919年に施行された大学令にもとづいて、全国に7つの医学部が創設されました。
こちらの医学部群も、東京大学医学部出身者の指導のもと新たな医師の育成が進められ、数多くの医療人を輩出しています。
旧制医学専門学校(通称:旧医専)
大学名 | 偏差値 |
弘前大学 | 62.5 |
群馬大学 | 62.5 |
東京科学大学 (旧:東京医科歯科大学) |
70.0 |
信州大学 | 65.0 |
岐阜大学 | 65.0 |
三重大学 | 65.0 |
神戸大学 | 67.5 |
鳥取大学 | 62.5 |
広島大学 | 65.0 |
山口大学 | 65.0 |
徳島大学 | 62.5 |
鹿児島大学 | 62.5 |
札幌医科大学 | 62.5 |
福島県立医科大学 | 62.5 |
横浜市立大学 | 67.5 |
名古屋市立大学 | 65.0 |
大阪公立大学 (旧:大阪市立大学) |
67.5 |
奈良県立医科大学 | 70.0(※後期) |
和歌山県立医科大学 | 62.5 |
旧制医学専門学校と呼ばれる19校は、国公立大学医学部の序列において3番目に位置づけられるグループです。
名称が長いことから、一般的に「旧医専」と省略されるケースが多く見られます。
主に1940年代に設置され、戦中・戦後における傷病兵や、一般民衆の医療環境を充実させる目的で設立されました。
旧医専は、数多くの医学部で形成されていることから見ても、当時の医師不足をうかがい知ることができます。
ちなみに、旧医専の中でも終戦後に医科大学となった医学部は、「新八医科大学」と呼ばれています。
新八医科大学については当ブログで個別に詳しく解説していますので、関心のある方は、一度チェックしてみてください。
新設医科大学
大学名 | 偏差値 |
旭川医科大学 | 62.5 |
秋田大学 | 62.5 |
山形大学 | 62.5 |
筑波大学 | 65.0 |
富山大学 | 62.5 |
福井大学 | 62.5 |
山梨大学 | 67.5 |
浜松医科大学 | 65.0 |
滋賀医科大学 | 65.0 |
島根大学 | 65.0 |
香川大学 | 62.5 |
愛媛大学 | 65.0 |
高知大学 | 62.5 |
佐賀大学 | 62.5 |
大分大学 | 62.5 |
宮崎大学 | 62.5 |
琉球大学 | 62.5 |
防衛医科大学校 | 67.5 |
新設医科大学と呼ばれる18校は、国公立大学医学部の序列の中では4番目に分類されるグループです。
主に高度経済成長期の1970年代に設立され、都市部と地方の医療格差を是正することを目指しました。
また、この頃には国内で唯一、文部科学省ではなく現防衛省が所管する防衛医科大学校も創設されています。
医学部の序列ランキング【私立大学(偏差値付き)】
次に、私立大学医学部の序列3グループについても見ていきましょう。
- 私立御三家
- 旧制医学専門学校
- 新設医科大学
私立御三家
大学名 | 偏差値 |
慶應義塾大学 | 72.5 |
東京慈恵会医科大学 | 70.0 |
日本医科大学 | 70.0 |
私立御三家は、私立大学医学部の序列の中では最上位に位置するグループです。
設立年は1920年〜1926年で、これらの医学部群も大変古い歴史を誇っています。
どの医学部も説明不要の難関学部で、とくに慶応義塾大学に合格するためには偏差値70以上の実力が必要です。
旧制医学専門学校(通称:旧医専)
大学名 | 偏差値 |
岩手医科大学 | 62.5 |
順天堂大学 | 70.0(※A方式) |
昭和医科大学 (旧:昭和大学) |
67.5(※Ⅰ期) |
東京医科大学 | 67.5 |
東京女子医科大学 | 60.0 |
東邦大学 | 67.5 |
日本大学 | 65.0(※N全学第1期) |
大阪医科薬科大学 (旧:大阪医科大学) |
67.5 |
関西医科大学 | 70.0 |
久留米大学 | 62.5 |
旧制医学専門学校、いわゆる旧医専と呼ばれる10校は私立大学医学部としては2番目の序列に位置するグループです。
こちらの医学部群は、主に1947年〜1950年の間に誕生しました。
戦後復興のために尽力した医師が数多く輩出されている医学部群で、序列に関係なく大勢の受験生からも人気を集めています。
新設医科大学
大学名 | 偏差値 |
自治医科大学 | 67.5 |
獨協医科大学 | 62.5 |
埼玉医科大学 | 62.5 |
北里大学 | 62.5 |
杏林大学 | 65.0 |
帝京大学 | 65.0 |
東海大学 | 65.0 |
聖マリアンナ医科大学 | 62.5 |
金沢医科大学 | 62.5 |
愛知医科大学 | 62.5 |
藤田医科大学 | 65.0 |
近畿大学 | 65.0 |
兵庫医科大学 | 62.5 |
川崎医科大学 | 60.0 |
福岡大学 | 62.5 |
産業医科大学 | 67.5(※B方式) |
新設医科大学(通称:新設医大)と呼ばれる16校は1970年代に設けられた私立大学の医学部群の総称で、序列の中では3番目のグループに位置しています。
こちらの医学部群も、日本の高度経済成長期の医療を支えるべく誕生しており、全国各地にたくさんの医学部が設置されました。
ちなみに、この医学部群とは別に、2016年に設けられた東北医科薬科大学と、2017年に創設された国際医療福祉大学を「2000年代以降の新設医大」として数えることもあります。
医学部の序列と偏差値や合格難易度は必ずしも一致しない
ここまで医学部の序列と偏差値について見てきて気付いた受験生もいるかもしれませんが、医学部の序列は必ずしも入学難易度や偏差値と一致するわけではありません。
入学難易度は現在の受験生の人気によっても影響されるため、受験生の相対的な学力を示す指標である偏差値と乖離するケースもあります。
また、大学医学部に対する受験生の人気は序列だけでなく、大学の立地やカリキュラムなど序列以外の要因にも左右されるでしょう。
ほかにも、序列自体が医学界への貢献度以外の要因で変動する場合もあります。
例えば、「新設医科大学」と呼ばれる国際医療福祉大は6年間で2,000万円を切る医学部としては低価格の学費で、東北医科薬科大は充実した奨学金制度で序列を上げています。
医学部の序列は将来に関係あるの?
医学部への進学を希望している人にとって、序列が与える進路への影響の度合いについては、大きな関心事のはずです。
ここでは、そういった方々に向けて、医学部の序列が将来に与える影響について解説していきましょう。
序列上位の医学部の方が病棟勤務医としての選択肢が豊富
医学部卒業後、病棟における勤務医を目指すのであれば、序列上位の医師の方が選択肢が豊富で有利となります。
その理由の一つに、「関連病院の数の多さ」があります。
序列上位の大学は、設置されている都道府県内の外にも関連病院を保有していることが多く、就職先の選択肢の豊富さという意味では、有利に働く傾向があります。
序列上位の医学部の方が研究医を目指すなら有利
研究医を目指す場合は、序列上位を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、序列上位の医学部には「科学研究費」と呼ばれる助成金の配分が多く、研究をするために必要な環境を整えやすいからです。
また、大学内における要職にもつきやすく、教授などの上位ポストに着任しながら、ご自身の研究を進められるというメリットもあります。
医学部の序列は開業医を目指すならほぼ関係ない
医学部を卒業後、実家の後を継いだり、ご自分で開業する場合については、序列の影響はほとんどありません。
出世や研究とは無縁の環境での活動になりますので、どんな序列の医学部を卒業しようとも、進路に差し障りはないと判断してよいでしょう。
医学部の序列が年収に及ぼす影響は少ない
就職の最初のステップとなる初期臨床研修のマッチングでは、出身大学の序列はあまり関係ないという結果が見られます。
例えば、有名大学の付属病院でも自大学出身者ばかりというわけではなく多くの大学から採用を行っています。
したがって、大学医学部の序列や格付けは就職難易度に大きな影響を与えないといっていいでしょう。
序列より医学部で何を学びたいかが大切
医学部には設立された年代によって序列があることは、これまで述べてきたとおりです。
ただし、大切なことは医学部に進学してから、何を学び、何を実践していくかということです。
医学部へ入ることは、あなたにとって理想の医師となるための、足がかりでしかありません。
序列の上に位置している医学部に入ること自体が、目的ではないはずです。
序列上位の医学部にはメリットもありますので、それらを志望先選びの参考にするのはよいことですが、序列だけにとらわれすぎて大事なことを見失わないように注意しましょう。
本気で医学部合格を目指すなら京都医塾
ここまで見てきたとおり、国内の医学部には旧帝大や私立御三家など、さまざまなグループが存在し序列化されています。
そして、志望先選びの参考材料として、この序列を重んじている人が多いのも事実です。
ただし、どの序列に属している医学部を志望しようとも、共通していることは、一般学部とは比較にならないほどの高水準の学力が求められるということです。
そのため、受験生の方の中にはどんな医学部にもオールマイティに対応してくれる予備校を求めている人も、いるのではないでしょうか。
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まとめ
2025年1月時点における日本国内には、国公立大学・私立大学合わせて80あまりの医学部が設置されています。
これらの医学部は、設立された年代ごとにグループ分けがなされ序列が形成されています。
そして、序列上位の医学部に進めば進路にまつわるメリットが得られやすいため、格付けを志望校選びの参考としている人もいるはずです。
しかしながら、医学部はどの序列に属していようともほかの学部とは一線を画す高い難易度を誇っています。
京都医塾は、医学部受験に特化したカリキュラムや高い指導力を武器に、序列の隔てなく数多くの医学部への合格者を輩出してきた予備校です。
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