国内の大学には、国公立と私立を合わせて、全部で80以上もの医学部が設置されています。
そして、これらの医学部には、設置された年代によってグループ分けがなされています。
一般的に「序列」といった表現が多く用いられますが、この序列とは、具体的にどういったものなのでしょうか。
今回の記事では、医学部の序列について表で解説するとともに、序列が将来に与える影響について詳しくまとめました。
医学部における序列とは?
冒頭でも軽く触れましたが、国内の医学部は設置された年代ごとにグループ分けがなされています。
ここでは、このグループ分けにまつわる情報について、基礎的な説明をしていきましょう。
2022年4月時点において、全国に設けられている医学部数は全部で82学部です。
この82の医学部の中には、国公立大学で形成された4つのグループがあるほか、さらに、私立大学医学部で形成された3つのグループが存在します。
つまり、国公立大学と私立大学の医学部で、7つのグループが形成されているということになります。
そして、これら7つのグループによって、医学部の序列が作られているというわけです。
医学部の序列ランキングは?
さて、医学部の序列に関する解説を終えたところで、序列のランキングについても見ていきましょう。
こちらの項では、医学部の序列を、国公立大学医学部と私立大学医学部に分類し、上位のものから順に表にしてまとめました。
国公立大学医学部
まずは、国公立大学医学部の序列から解説していきます。
旧帝国大学
グループ名 | 大学名 |
旧帝国大学(通称:旧帝大) | 【国立7校】北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学 |
旧帝国大学は、1920年〜1926年の間に設置された医学部群で、国公立大学医学部の中では最も序列上位に位置するグループです。
最初に設置されたのは東京大学医学部ですが、その後、同医学部で学んだ医師たちが教鞭を取る形で、全国各地に医学部が設けられました。
全体的に難易度が高い医学部群であることでも知られており、東京大学と京都大学は、国公立大学医学部の中では最高峰の偏差値を誇ります。
旧制医科大学
グループ名 | 大学名 |
旧制医科大学 | 【国立6校】千葉大学・新潟大学・金沢大学・岡山大学・長崎大学・熊本大学 【公立1校】京都府立医科大学 |
旧制医科大学は、国公立大学医学部の序列の中でも2番目に位置するグループです。
1919年に施行された大学令にもとづいて、全国に7つの医学部が創設されました。
こちらの医学部群も、東京大学医学部出身者の指導のもと新たな医師の育成が進められ、数多くの医療人を輩出しています。
旧制医学専門学校(国公立)
グループ名 | 大学名 |
旧制医学専門学校(通称:旧医専) | 【国立12校】弘前大学、群馬大学、東京医科歯科大学、信州大学、岐阜大学、三重大学、神戸大学、鳥取大学、広島大学、山口大学、徳島大学、鹿児島大学 【公立7校】札幌医科大学、福島県立医科大学、横浜市立大学、名古屋市立大学、大阪市立大学、奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学 |
旧制医学専門学校は、国公立大学医学部の序列において、3番目に位置づけられるグループです。
名称が長いことから、一般的に「旧医専」と省略されるケースが多く見られます。
主に1940年代に設置され、戦中・戦後における傷病兵や、一般民衆の医療環境を充実させる目的で設立されました。
旧医専は、数多くの医学部で形成されていることから見ても、当時の医師不足をうかがい知ることができます。
ちなみに、旧医専の中でも終戦後に医科大学となった医学部は、「新八医科大学」と呼ばれています。
新八医科大学については当ブログで個別に詳しく解説していますので、関心のある方は、一度チェックしてみてください。
新設医科大学
グループ名 | 大学名 |
新設医科大学 | 【国立17校】旭川医科大学・秋田大学・山形大学・筑波大学・富山大学・福井大学・山梨大学・浜松医科大学・滋賀医科大学・島根大学・香川大学・愛媛大学・高知大学・佐賀大学・大分大学・宮崎大学・琉球大学 【大学校】防衛医科大学校 |
新設医科大学は、国公立大学医学部の序列の中では4番目に分類されるグループです。
主に高度経済成長期の1970年代に設立され、都市部と地方の医療格差を是正することを目指しました。
また、この頃には国内で唯一、文部科学省ではなく現防衛省が所管する、防衛医科大学校も創設されています。
◇私立大学医学部
次に、私立大学医学部の序列についても見ていきましょう。
私立御三家
グループ名 | 大学名 |
私立御三家 | 【3校】慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学 |
私立御三家は、私立大学医学部の序列の中では最上位に位置するグループです。
設立年は1920年〜1926年で、これらの医学部群も大変古い歴史を誇っています。
どの医学部も説明不要の難関学部で、とくに慶応義塾大学に合格するためには偏差値70以上の実力が必要です。
旧制医学専門学校(私立)
グループ名 | 大学名 |
旧制医学専門学校(通称:旧医専) | 【10校】岩手医科大学・順天堂大学・昭和大学・東京医科大学・東京女子医科大学・東邦大学・日本大学・大阪医科大学・関西医科大学・久留米大学 |
旧制医学専門学校、いわゆる旧医専は、私立大学医学部としては2番目の序列に位置するグループです。
こちらの医学部群は、主に1947年〜1950年の間に誕生しました。
戦後復興のために尽力した医師が数多く輩出されている医学部群で、序列に関係なく大勢の受験生からも人気を集めています。
新設医科大学
グループ名 | 大学名 |
新設医科大学(通称:新設医大) | 【16校】自治医科大学・獨協医科大学・埼玉医科大学・北里大学・杏林大学・帝京大学・東海大学・聖マリアンナ医科大学・金沢医科大学・愛知医科大学・藤田医科大学・近畿大学・兵庫医科大学・川崎医科大学・福岡大学・産業医科大学 |
新設医科大学は、1970年代に設けられた私立大学の医学部群の総称で、序列の中では3番目のグループに位置しています。
こちらの医学部群も、日本の高度経済成長期の医療を支えるべく誕生しており、全国各地にたくさんの医学部が設置されました。
ちなみに、この医学部群とは別に、2016年に設けられた東北医科薬科大学と、2017年に創設された国際医療福祉大学を「2000年代以降の新設医大」として数えることもあります。
序列は将来に関係あるの?
医学部への進学を希望している人にとって、序列が与える進路への影響の度合いについては、大きな関心事のはずです。
ここでは、そういった方々に向けて、医学部の序列が将来に与える影響について解説していきましょう。
病棟勤務医を目指すなら序列上位の方が選択肢が豊富
医学部卒業後、病棟における勤務医を目指すのであれば、序列上位の医師の方が選択肢が豊富で有利となります。
その理由の一つに、「関連病院の数の多さ」があります。
序列上位の大学は、設置されている都道府県内の外にも関連病院を保有していることが多く、就職先の選択肢の豊富さという意味では、有利に働く傾向があります。
研究医を目指すなら序列上位が有利
研究医を目指す場合は、迷わず序列上位を選ぶことをおすすめします。
なぜなら、序列上位の医学部には「科学研究費」と呼ばれる助成金の配分が多く、研究をするために必要な環境を整えやすいからです。
また、大学内における要職にもつきやすく、教授などの上位ポストに着任しながら、ご自身の研究を進められるというメリットもあります。
開業医であればほぼ関係ない
医学部を卒業後、実家の後を継いだり、ご自分で開業する場合については、序列の影響はほとんどありません。
出世や研究とは無縁の環境での活動になりますので、どんな序列の医学部を卒業しようとも、進路に差し障りはないと判断してよいでしょう。
大切なのは医学部で何を学びたいか
医学部には設立された年代によって序列があることは、これまで述べてきたとおりです。
ただし、大切なことは医学部に進学してから、何を学び、何を実践していくかということです。
医学部へ入ることは、あなたにとって理想の医師となるための、足がかりでしかありません。
序列の上に位置している医学部に入ること自体が、目的ではないはずです。
序列上位の医学部にはメリットもありますので、それらを志望先選びの参考にするのはよいことですが、序列だけにとらわれすぎて大事なことを見失わないように注意しましょう。
本気で医学部合格を目指すなら京都医塾
ここまで見てきたとおり、国内の医学部には旧帝大や私立御三家など、様々なグループが存在し序列化されています。
そして、志望先選びの参考材料として、この序列を重んじている人が多いのも事実です。
ただし、どの序列に属している医学部を志望しようとも、共通していることは、極めて高水準の学力が求められるということです。
序列が下位とされる医学部であっても、一般学部とは比較にならないほどの、よい成績を要求されてしまいます。
そのため、受験生の方の中には、どんな医学部にもオールマイティに対応してくれる予備校を求めている人も、いるのではないでしょうか。
そういった人におすすめなのが、医学部専門予備校の「京都医塾」です。
京都医塾は医学部に特化した教育カリキュラムを強みに、序列関係なくすべての医学部に対応できる学習指導を行っている予備校です。
ここから先は、そんな京都医塾の指導体制について紹介していきましょう。
潜在能力を極限まで引き出す「オーダーメイドカリキュラム」
京都医塾は受験生の方の学習効率を最大化するため、個々人に合わせて学習カリキュラムを作成しています。
これは「オーダーメイドカリキュラム」と呼ばれるもので、当塾が長年培ってきたノウハウを結集して作り出した産物です。
そして、一般的なカリキュラムとの大きな違いは、受験生の現在の学力だけにもとづいて作成されるのではなく、本人の潜在能力も分析して作られる点にあります。
過去の学習履歴や学習成績など、色々な視点から確認したうえで本人に最適なカリキュラムを提案しますので、学習の効率化が最大化され、能力が極限まで引き出されるというわけです。
全国の受験会場までフルサポート!遠方の医学部でも安心を確保
医学部の受験では、志望先によって遠方の受験会場に赴かざるをえないことも珍しくありません。
一度の試験で様々な場所に会場を用意してくれる医学部もありますが、そうでない医学部もある以上、志望先の都合に合わせるしかないと言えます。
そういった際に気がかりとなるのが、移動にともなう肉体的、あるいは精神的な疲労です。
土地勘のある地域ならまだしも、見知らぬ土地への遠征ともなれば、蓄積した疲労が受験に悪い影響を与えてしまいます。
そこで、京都医塾では、遠方への受験の際は講師や一般スタッフが随行し、会場までのフルサポートをしています。
しかも、普段の授業を担当している者を派遣しますから、ほかのスタッフが担当するよりも、よりご本人に適したケアが可能です。
序列関係なし!様々な医学部へ合格者輩出の好実績
本記事では医学部における序列をテーマに色々な情報をお伝えしてきましたが、前述のとおり、当塾では序列に関係なく様々な医学部に合格者を多数輩出しています。
旧帝大の京都大学をはじめ、私立御三家の一角、東京慈恵医科大学や旧制医科大学の金沢大学など、例をあげ出したらきりがありません。
また、合格率を基準にしてはじき出したデータにおいても堅調で、2022年度の試験では一次試験の合格率78%、二次試験の合格率68%という好実績を残しています。
序列に関係なくオールマイティに対応できる予備校をお探しの方には、当塾こそが最適です。
まとめ
2022年4月時点における日本国内には、国公立大学・私立大学合わせて82の医学部が設置されています。
これらの医学部は、設立された年代ごとにグループ分けがなされ、序列が形成されています。
たとえば、国公立大学のグループであれば旧帝大や旧医専、私立大学のグループであれば、私立御三家や新設医大などです。
そして、序列上位の医学部に進めば進路にまつわるメリットが得られやすいため、格付けを志望校選びの参考としている人もいるはずです。
しかしながら、医学部はどの序列に属していようとも、ほかの学部とは一線を画す高い難易度を誇っています。
そのため、受験生の方の中には序列に関係なく、志望先ごとに満遍なくサポートしてくれる予備校を、探している人もいるのではないでしょうか。
そういった人におすすめなのが、医学部専門予備校の京都医塾です。
京都医塾は、医学部受験に特化したカリキュラムや高い指導力を武器に、序列の隔てなく数多くの医学部への合格者を輩出してきた予備校です。
当塾に任せていただければ、どんな序列の医学部を志望している方でも適切な支援のもと、合格に向けての最大限のバックアップをさせていただきます。
本気で医学部合格を目指している方には、オールマイティなサポートであなたを支援する、京都医塾がうってつけです。
メールはもちろん、電話でのご相談も年中無休で承っておりますので、興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。