医学部でのカリキュラムを終え、無事に医師免許を取得した人に待っているのが、初期研修です。
初期研修では、その名のとおり研修医として医師活動を行い医療人として必要な素養を、より一層高めるための学びを得ます。
しかし初期研修中、研修医とは実践でどんなことを学ぶのか、そして初期研修を修めた後はどんな活動に移るのか、よくわからないといった人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では初期研修中の研修医とは、どんなことを学ぶのか、また研修を修めた後は、どういった進路が待っているのかについて詳しくまとめました。
目次
研修医とは?
上でも述べたとおり、研修医とは初期研修という形で、より実践的な医療学習を受けている人たちのことを言います。
医学部でも臨床実習を通じて医師活動について学ぶ機会がありますが、一人前の医師となるためには、さらなる実践実習が必要となるというわけです。
そして、この初期研修は厚生労働省が定める基準のもとで行われ、一般的に1年から2年間をめどに実施されます。
研修の主な内容については後述しますが、担当指導医のもとで数々の臨床経験を積んでいくことが、プログラムの中心です。
また、給与面に関してですが、研修医とは言え身分上は立派な医師であることには変わりはありませんので、働いた分はきちんと支払われます。
ただ、初期研修を受ける病院や地域などにより給与には差が発生しますので、気になる人は事前にチェックしておくとよいでしょう。
アメリカの研修医とは違うの?
アメリカ版の初期研修医制度とも言えるのが、「インターン」、もしくは「インターンシップ」と呼ばれる研修制度です。
こちらの制度のもとでも、「研修医とはどういった補助業務をするのか」という点を学びながら、医師としての成長を目指します。
日本との大きな違いは、インターンにおいては給与が支払われないことがあげられます。
さらに、研修期間も短く1年間で修了することも大きな違いの一つです。
このように、同じ研修医とは言いつつも、日本とアメリカでは給与面や研修期間など色々な点について違いが見られます。
研修医とはどんな働き方をする医師?
続いて、研修医とは具体的にどんな働き方をするのか、ということについても触れていきます。
こちらの項では、研修医とは病院内ではどういった働きをするのかという点と、研修中の注意点などを解説していきましょう。
研修医とは病院業務の基礎を学ぶ働き方をする医師
研修医が初期臨床研修中、担当指導医のもとで数々の臨床経験を積んでいくことは、先ほど述べたとおりです。
もう少し具体的に言うと、研修医とは臨床経験を通じて、病院における様々な業務の基礎を学ぶのが仕事ということになります。
ここで読者の方々に、研修医はどんな働き方をするのかということを、より詳細にイメージしてもらうために、東京慈恵医科大学の例を引き合いに出して説明しましょう。
東京慈恵会医科大学のホームページには、研修医とはすべての診療行為を指導医・上級医の指導、または許可のもとで行うことが前提であると明記されています。
一見して大きな制限が付加されているようにも思われますが、前述のとおり、研修医とは言っても医師であることに変わりありません。
診察や検査など様々な業務に積極的に携わって、診療のための知識や技術を培っていきます。
また、研修医が単独で行える業務も多く、患者の触診や聴診器などを用いた検査、心電図や味覚、聴覚検査、採血など、多岐にわたる活動が許されています。
ただし、上記事項よりさらに踏み込んだ医療行為、たとえば内視鏡検査や動脈への注射、全身麻酔などは許可されておりませんので注意してください。
ちなみに、初期研修中に指導医や先輩医師からチェックされるのは、なにも医療の知識や技術だけとは限りません。
身だしなみや患者の前での振る舞い、人間性なども厳しい目で評価がくだされています。
初期研修にあたる際は、「研修医とは何たるか」という視点でも自身を掘り下げて分析し、医師としての態度を日々考えながら着実に成長していきましょう。
研修中の注意点
研修医とは、どういった働き方をするのかという点について把握したところで、研修中における注意についても押さえておきましょう。
アルバイトは原則禁止
初期研修中の研修医のアルバイトは、原則禁止とされています。
なぜなら、初期研修中の研修医とは立場上、バイトでお金を稼ぐよりも医師としての学びを深める方に、意識を向けなければならないからです。
「アルバイトは絶対にしてはいけない」と公的に定められているものではありませんが、研修中のアルバイトは禁止事項に加えている病院は多く、事実上は不可能ということになります。
初期研修中の間は、研修医とは何を学ぶべきかということに集中して、少しでも多くの知識と技術を吸収するよう心がけましょう。
保険の加入も検討する
研修医とは、担当指導医のもとで働く傍ら、ほかにも何かを頼まれればきちんとこなすことが求められる人材です。
そのため激務が続くことが多く、身体を壊してしまう可能性もあります。
そういったときに役に立つのが、「保険医休業保障共済」などの医師向けの保険です。
アクシデントなどがあったときのために、「転ばぬ先の杖」として何らかの保険に加入しておくと、不測の事態にもスムーズに対処できるためおすすめです。
さらに、これはレアケースではありますが、ご自身のミスなどがきっかけで医療訴訟に発展する可能性もゼロではありません。
万が一のときの備えとして、賠償責任保険などに加入することも検討しておくのもよいでしょう。
後期研修医とはどう違う?
初期研修を修めた研修医の多くは、後期研修医として次なる学びの場に進みます。
この後期研修医という呼び名ですが、2018年からスタートした「新専門医制度」により「専攻医」という呼び方に変更がなされています。
ただ、まだ制度が始まってから数年ほどしか経過していないため、「後期研修医」という名称の方で認知している人も少ないはずです。
そのため、本記事では特段の断りがない限りは、後期研修医という名称の方を用いますので、あらかじめご理解ください。
さて、本題である後期研修医と初期研修医の違いですが、主なものとしては、自ら診療科を選定して専門的なプログラムを受けられること、加えて研修期間が3年となっていることがあげられます。
また、後期研修医になると初期研修医とは違い、院内における大事な戦力として扱われる機会が多くなるのが一般的です。
肩書には、研修医とは付いているものの、多くのスタッフから頼られる存在に変わりますから、本人としてもより強く職責を自覚できるようにもなります。
専門医を目指せる「新専門医制度」
前述した新専門医制度は、読んで字のごとく、従来よりもさらに専門性を高めた医師を養成するために作られた制度です。
こちらの制度を利用した人は、後期研修医とは違うステップへ進むため、19種類の基本領域から診療科を選んで、「基本領域専門医」の資格の取得を目指します。
さらに、上記資格を取得した人は、24種類の「サブスペシャリティ領域」から任意に分野を選んで、それぞれの領域における専門医の資格を取得します。
ここまでくると、まさに研修医とは段違いのステップアップと言えるでしょう。
なお、新専門医制度で選定できる診療科とサブスペシャリティ領域については、下記表にまとめてありますので参考にしてください。
▼19種類の基本領域の診療科一覧
内科 |
小児科 |
皮膚科 |
精神科 |
外科 |
整形外科 |
産婦人科 |
眼科 |
泌尿器科 |
脳神経外科 |
耳鼻咽喉科 |
リハビリテーション科 |
形成外科 |
救急科 |
臨床検査 |
麻酔科 |
放射線科 |
病理 |
総合診療科 |
▼24種類のサブスペシャリティ領域一覧
▽内科
消化器病 |
呼吸器 |
血液 |
糖尿病 |
循環器 |
腎臓 |
感染症 |
肝臓 |
神経内科 |
アレルギー |
消化器内視鏡 |
リウマチ |
老年病 |
内分泌代謝 |
がん薬物療法 |
▽外科
消化器外科 |
呼吸器外科 |
心臓血管外科 |
小児外科 |
内分泌外科 |
乳腺 |
▽放射線科
放射線治療 |
放射線診断 |
▽複数領域
消化器内視鏡 |
本気で医学部合格を目指すなら京都医塾
ここまでは、主に初期研修医とはどういった働きをするのかという点や、後期研修医との活動の違いなど、様々な点に注目して見てきました。
同じ研修医と言えども、活動できる範囲の違いに驚いた人も少なくないはずです。
また、受験生の方々の中には研修医について深く学んだことで、医師を志す決意がより一層かたまった人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが、医学部専門予備校の「京都医塾」です。
京都医塾は、優れた指導力を誇る講師陣やオリジナルのカリキュラムを強みに、毎年数多くの受験生を医学部へと羽ばたかせている、医学部受験の特化型予備校です。
ここから先は、そんな京都医塾の指導内容などについて紹介していきましょう。
あなただけのカリキュラムをデザインして行う学習指導
京都医塾では、受験生の方が入塾された際に、実力テストを受けていただいております。
これは、受験生ご本人の現在の実力を当塾で把握し、学習方針の決定に生かすための取り組みです。
こういった取り組みは一般の予備校でも実施していますが、京都医塾がほかと大きく異なる点は、実力を把握するための分析が受験生の潜在能力にまで及ぶことです。
現状の学力を推し量るのは当然のこととして、ご本人の秘めた力まで徹底してリサーチのうえ、その人だけのカリキュラムをデザインしますから、学力の伸長は個人学習のときとは段違いのものとなります。
疑問点の野放しを防ぐ、いつでも質問できる環境
難解で、かつ学習量の極めて多い医学部の受験勉強では、授業が終わった後に「あれ?授業中は理解できていたはずなのに、いざ自分で解こうと思ったらできないぞ」などというケースが珍しくありません。
そんなとき、「明日、先生に聞けばいいや」といった具合に疑問点を野放しにしてしまうと、次の日の授業に影を落とす危険性があります。
医学部の受験では1点の差で明暗が別れますから、わずかな疑問点でも放置していると、取り返しのつかない事態に発展してしまうこともよくある話です。
そういったことにならないためにも、当塾では施設内に講師が常駐し、常に質問を受付けられる体制を整えています。
そのため復習などで生じた疑問点を放置せずに済み、順調な学力の伸長が期待できます。
安全と安心を約束する徹底した感染症対策
日本のみならず、地球規模で猛威を振るっている新型コロナウィルス。
人類の激しい抵抗をよそにウィルスたちは変異を繰り返し、私たちの生活を脅かし続けています。
そんな社会情勢ですから、受験生の方々や保護者様にあっては「感染症」というワードに対し、非常に過敏になっているはずです。
入試直前期のコロナ感染ともなれば、せっかくの苦労が水泡に帰すことも考えられますので、敏感になってしまうのも無理もありません。
そこで当塾では、そのような万が一の事態が発生しないよう、感染症対策を徹底して行っています。
たとえば、校舎の入口には全身をミスト消毒できる専用のゲートを設置したり、机、イスなどを抗菌コーティングするウィルス対策などがあげられます。
このように様々な方策を用いてウィルスの強固な封じ込めを実践していますので、感染症に不安のある方でも安心しておいでください。
まとめ
大学の医学部でのカリキュラムを修了し、無事に医師免許を取得した人に待っているのが、初期研修です。
初期研修では、その名のとおり研修医として医師活動を行い医療人として必要な素養を、より一層高めるための学びを得ます。
そして、この初期研修を修めた人の多くは次の過程に進み、後期研修医(専攻医)として、さらなる成長を目指します。
このように本記事では、「研修医とは何たるか」という話題を中心に情報をお伝えしてきましたが、これらを学んだことで、医師を志す決意がより強くかたまった人も多いはずです。
そんな人におすすめなのが、医学部専門予備校の京都医塾です。
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