多くの大学医学部では2次試験として面接が課されます。
面接試験では、受験生のコミュニケーション能力や医療に対する知識・考え方をヒアリングし、医療人としての適性を図ります。
この面接試験では受験生が発するとそのとたんに不合格もあり得る「NGワード」が存在する、と言われています。
そこで今回の記事では、医学部面接においてタブーとされる「NGワード」について解説します。
医学部を志望する方に有益な内容となっておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
医学部入試における「面接試験」とは?
医学部入試は一般的な大学入試とは異なり、学力試験の合格者を対象に2次試験を実施します。
2次試験では学力試験よりも面接や小論文といった受験生の考え方や人となりを重視する試験が中心です。
医師は人の命を左右する責任ある仕事です。
そして日本で医師になるためには、医学部を卒業し医師国家試験に合格しなければいけません。
そのため、医学部には「将来医師になるのにふさわしい人物かどうか」を見極める責務があります。
その手段として、面接や小論文といった学力以外の部分を深堀できる試験が採用されています。
医学部は学力さえあれば合格できる?
「難関の学力試験を合格しているのだから、2次試験は形式的なもので不合格になるケースはほとんどないですよね?」というご質問をいただくことがしばしばあります。
たしかに、医学部の学力試験は日本最高難度を誇ります。
その学力試験を突破できる学力があれば、医師としてふさわしい人物と言えると考える気持ちもよくわかります。
しかし、医師は知識や専門性だけで勤まる職業なのでしょうか?
患者さんに対するコミュニケーションはもちろん、医療現場を支えるチームの一員として円滑な意思疎通ができること、熱量をもって医療行為に従事し最善の治療を尽くすこと、患者さんの健康を願い人のために働くことを厭わないこと。
医師には「コミュニケーション能力」や「医療人としての向上心」「人間性」も求められます。
そのため、医学部の2次試験ではコミュニケーション能力・医療への熱意・大学への適性など、さまざまな観点で学生を評価します。
医師としての適性がないと判断されれば不合格となるため、2次試験での不合格も十分にあり得ます。
自分の言いたいことや思いを誤解なく伝えるためにも、学力試験と並行して2次試験にあらかじめ対策しておくことも重要です。
医学部面接における「NGワード」6選
医学部の面接試験では「医師としての適性を図られる」ことはお分かりいただけたかと思います。
そのため、医学部面接においては発するとそのとたんに不合格もあり得る「NGワード」が存在すると言われています。
では実際に、医学部の面接においてタブーとされる「NGワード」にはどのようなものがあるのでしょうか。また、なぜそのワードがNGとされるのでしょうか。
以下では、代表的なワードを6つご紹介します。
①「医者」
面接で「医者」という言葉を使うと、敬意や専門性が欠けていると見なされてしまう可能性があります。
「医者」というのは、患者に対して診察や治療を行う人を広く指す表現です。
そのため、広義的に言えば放射線技師や看護師を含めた医療人全体を指します。
医学部医学科においては、「医師国家試験」を受験する“医師”を志望する学生を募集しているため「医者」という表現を用いることは適切ではないと言えます。
②「看護婦」
少し昔の医療ドラマやメディアでは、患者が「看護婦さん」と呼び掛けるシーンも珍しくありませんでした。
そのため「看護婦」自体を正規表現と思っている方も少なくありません。
現在、正式には「看護師」というジェンダーニュートラルな用語が使用されています。
「看護婦」という言葉は女性のみを指す旧称で、医療業界のみならず現代のジェンダー観に合わない表現として一般的に不適切な表現とされています。
そのため、医学部面接で用いることで性別に対する配慮が不足しており、現代的な価値観や多様性への理解が欠けていると判断されるおそれがあります。
医療の現場では、すべての人々に対する尊重と平等が重要であり、適切な用語を使うことはその基本と考えられています。
したがって、過去に一般的だった表現であっても注意を払うことが求められます。
③「わかりません」
「わかりません」という返答は、医学部に限らず“面接”という場において非常にマイナスに働きます。
面接は自分の能力や考えを示す場であり、特に医学部の面接では問題解決能力や論理的な思考力、相手にわかりやすく説明する力が求められます。
「わかりません」という発言は自分の意見や考えを持っていないまたは思考停止していると見なされるだけでなく、積極性や意欲までもが欠けていると判断されるおそれがあります。
「わかりません」と言いたくなってしまうようなシチュエーションでは、代わりに「もう少し考えさせてください」や「現在の知識では正確に答えられませんが、調べてみます」などの積極的な姿勢を示す表現が望ましいです。
④「親に言われたので」
医学部の志望理由を回答する際、「親に言われたので」という理由を述べる受験生にしばしば出会います。しかし、医学部受験の動機としては非常に不適切です。
医師としての使命感や自己の意志が重要視される中で、「親に言われたので」という他者に起因する理由を述べてしまっては、自身の志望動機が弱く他人任せであると受け取られるおそれがあります。
また、医学部進学後は厳しい学業と実習が求められるため、強い意志と目標達成に至るためのモチベーションが必要です。
「親に言われたので」という動機では、医療に対する本気度や自立心が欠けている印象を与え、面接官に信念や責任感が欠けていると判断されるおそれがあります。
きっかけは親御さんかもしれませんが、自分で医師を目指したいと考えた理由はなんだったのか、この自分自身の志望動機を明確に伝えることが重要です。
⑤「なんとなく」
質問に対して「なんとなく」という曖昧な理由で返答してしまうと、自分の考えが不明確であることを示してしまいます。
医学部面接では、明確な目標や強い意志が重要視されます。
「なんとなく」と返答してしまうことで面接官が真剣さや目的意識が欠けていると受け取り、コミュニケーション能力や志望動機の弱さが疑われるおそれがあります。
もちろん、本当に「なんとなく」そう思う、というのが本心だという場合もあるとは思います。
しかし、自分が本当に思っていることを直接的に伝えることだけが面接試験ではありません。
医療現場ではチームワークやコミュニケーションが求められます。
「なんとなく」そう思う理由は何なのか、具体的なエピソードや経験を交えて、自分の考えという形に昇華して説明することが求められます。
⑥「お金を稼ぎたい」
主に志望理由に対する返答で、「お金を稼ぎたい」という理由は不純な理由としてとらえられたり医療における本質的な使命感や患者への貢献意識を欠いていると見なされたりします。
医療は人命を扱う職業です。
もちろん、労働の対価として報酬が与えられるのは当然ですし、責任のある仕事だからこそ高額である必要があります。
一方で、これから医学を志そうという人物が、いの一番に金銭的な動機を強調してしまうと倫理観や適性が疑われ不合格となる可能性が非常に高まります。
医師としての使命は患者の健康と福祉を第一に考えることであり、そのために必要な知識と技術を学ぶ強い意志が求められます。
「お金を稼ぎたい」という理由を一番に挙げてしまっては、面接官に医療の本質を理解していないと見なされるおそれがあります。
自分が医師としてどのように貢献したいのか、金銭面以外に具体的なビジョンや志を示すことが重要です。
併せて押さえたい面接での「NG行動」
ここまで、医学部面接で避けるべき「NGワード」についてご紹介しました。
しかしもちろん、面接では発する言葉だけでなく表情や態度といった非言語の部分でのコミュニケーションも評価のポイントとなります。
そこで以下では、NGワードと併せて押さえたい面接での「NG行動」もご紹介します。
NGワードに加えて、以下の2つのNG行動も不合格に直結する可能性があるため注意しましょう。
質問に対してイライラする
医学部に限らず、面接で質問に対してイライラした態度を見せることは大きなマイナスポイントとなります。
医療現場では、患者や同僚、上司からの様々な質問や要望に冷静かつ丁寧に対応することが求められます。
そのため、面接ではあえてセンシティブな部分に触れる質問をすることで耐性を図る場合もあります。
面接でイライラする態度を見せてしまうと、ストレス耐性やコミュニケーション能力に不足があると判断されるおそれがあります。
医師は常に冷静でプロフェッショナルであることが求められるため、感情のコントロールができない人物とみなされると不適格と判断される可能性が高まります。
質問に対しては、誠実かつ冷静に対応することが重要です。
知ったかぶりをする
知ったかぶりをすることは、医学部面接では非常にリスクのある行動です。
例えば、医療に関する知識を質問された際になんとか取り繕おうと知ったかぶりをしてしまうと、面接官の心象を大きく損なうおそれがあります。
面接官は専門的な知識を持っているため、受験生の表面的な知識や誤った情報は簡単に見抜くことができます。
知ったかぶりをしてしまうと、正直さや信頼性に欠ける発言をしていると判断され、結果として誠実さや倫理観のない人物という印象を与えてしまいます。
医師は常に正確な情報に基づいて判断を下す必要があるため、知ったかぶりをする姿勢はプロフェッショナリズムに欠けていると見なされます。
わからないことは正直に認め、「さらに学びたい」という姿勢を示すことが、面接官に良い印象を与える鍵です。
面接試験は事前の対策が重要
医学部において、2次試験は非常に重要です。難関な学力試験を突破したからこそ、2次試験での不合格は避けたいものです。
面接試験に備えるためには、あらかじめ自分の考えをまとめたうえで、表現の仕方を実際に反復練習しておくことが重要です。
そのため、学校の面接練習や予備校の面接対策を積極的に活用しましょう。
面接練習を通じて、冷静な態度と誠実さを身につけ、プロフェッショナリズムを示すことが、合格への第一歩です。
面接も徹底サポート・医学部合格を目指すなら京都医塾
本記事を通して、医学部合格のためには、学力のアップだけではなく2次試験における面接の対策も重要なことがお分かりいただけたかと思います。
学力と同様に2次試験で実施される小論文や面接に不安を抱える受験生は少なくありません。
そのため、小論文の添削や面接対策など「2次試験対策を徹底的に行ってくれる予備校に通学したい」というお声をしばしばうかがいます。
そこでおすすめなのが、医学部専門予備校「京都医塾」です。
京都医塾は医学部受験に特化した予備校のため、1次試験対策はもちろん2次試験の対策にも定評があります。
これまで多くの国公立大学医学部合格者を輩出しており、医学部合格の指導メソッドが確立されている名門予備校です。
以下では、京都医塾について、より詳細にご紹介します。
納得がいくまで受講可能! 小論文・面接指導
京都医塾では、小論文と面接指導の専門講師を配置しています。
繰り返しになりますが、医学部の2次試験では、医師としての適性を判断するために多くの大学で課せられています。
難関な1次試験を突破したとしても、2次試験の出来が不十分では残念な結果となることがあるため、対策が必要です。
京都医塾では、小論文・面接の専門家が親身に寄り添い、実践演習を踏まえて的確かつ適切なアドバイスを行います。
2次試験の直前期まで繰り返し練習可能ですので、納得いくまで十分な対策を講じた上で自信をもって2次試験に臨むことが可能です。
万全のフォロー体制で直前期まで徹底的にサポート
京都医塾では、受験生の入試と入試の間の「超・直前期」も徹底的にフォローできる体制を整えています。
例えば、私立一校目の入試後に入試でできなかった箇所やわからなかった箇所を洗い出し、次の入試日までに確実に得点するための学習計画の構築や補習を実施します。
また、面接や小論文の模擬も追加で承りますので、不安なく2次試験に臨める体制が用意されています。
究極の入試直前期である、入試と入試の間の期間でもさらなる学力アップ・2次試験対策を図り合格という最高の結果に繋がるサポートを行う、これも京都医塾の合格力の秘訣の1つです。
いつでも質問OK! 専門講師による質問対応
京都医塾では、プロ講師が施設内に常駐しています。
そのため、生徒はいつでも講師に質問が可能です。
わからない問題に出会ってもすぐにプロの講師に質問し、疑問を即座に解決することができます。
一人で考え込んでしまうと時間がかかりすぎてしまうような難解な問題も、ポイントを抑えた解説で効率的に学習可能です。
特に、医学部志望のハイレベルな学生にとって「わからない」を即座に解決できるのは、大きな強みとなります。
まとめ
いかがでしたか。
医学部において面接試験が重要な役割を担っていることがお分かりいただけたかと思います。
自分の面接対策をあらかじめ十分に行い、自分の思いをしっかり伝えられるように準備をしておきましょう。
また、医学部専門予備校・京都医塾にご興味をもたれた方も多いかと思います。
京都医塾では、本気で医学部の合格を目指す受験生に、一流の授業と医学部合格へ向けた徹底的な分析・プランニングを実際に体験していただいたうえで、入塾を検討していただきたいと考えています。
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