「医学部に進学したいけれど、将来の進路に不安がある」「医師以外の選択肢はないのだろうか」「研究職に興味があるが、臨床医との違いがよく分からない」など、医学部を目指す多くの受験生が、卒業後のキャリアパスについて明確なビジョンを持てていないのが現状です。
実際、医学部卒業後の進路は臨床の現場で患者さんと向き合う道だけでなく、最先端の医学研究に携わったり、行政機関で公衆衛生の向上に貢献したりと想像以上に多岐にわたります。
そこで今回の記事では、医学部卒業後の具体的な進路選択について、実績データやランキングを交えながら詳しく解説します。
特に、各職種の特徴や求められる資質、年収などの待遇面にも焦点を当てるため、医学部への進学を考えている方はぜひ最後までご一読ください。
目次
医学部卒業生の就職先は?進学する率はどのくらい?
医学部卒業後の進路は医師としての道が主流ではありますが、各大学の特色や個人の志向によって、研究者としてのキャリアパスも確立されています。
実際、文部科学省の調査によると卒業後すぐに約90%が臨床研修医として医療現場に進むことが明らかになっています。
医学部の教育カリキュラムが、主に臨床医の育成を念頭に置いて構成されていることを反映したものでしょう。
一方で、大学院への進学を選ぶ卒業生も一定数存在するのも事実です。
特に研究型大学では、基礎医学研究や臨床研究の道を志す学生の割合が高くなり、将来的に大学教員や研究機関での研究職を目指すことになるでしょう。
他にも、大学院進学後も臨床医としての道を併せて歩む「研究医」という選択肢も存在し、実際の医療現場での経験を研究に活かすことも可能です。
医学部卒業生の主な就職先ランキング
医学部を卒業後の進路は、患者と直接向き合う臨床医から、行政で医療制度を整備する医療技官、さらには企業で働くメディカルドクターまでさまざまな選択肢があります。
以下では、医学部卒業生の主な就職先を、人気度や採用実績に基づいてランキング形式で紹介します。
第一位:臨床医(勤務医)
臨床医は医学部卒業生のもっとも一般的な進路で、大学病院や総合病院、クリニックなどで患者の診察・治療にあたります。
初期研修を経て、内科や外科などの専門領域を選択し、専門医資格の取得を目指します。
基本的には、患者と直接向き合い、診断から治療まで一貫して担当することで、医療の最前線で活躍できる職種です。
特に救急医療や高度な手術など、即座の判断力と高度な医療技術が求められる場面も多く、医師としての専門性を最大限に発揮できる環境です。
患者とのコミュニケーションを大切にし、直接的な治療行為にやりがいを感じる学生に向いているでしょう。
第二位:医療技官
医療技官とは、厚生労働省などの行政機関で働く医師のことです。
医師免許を持つ技術系行政官として、国民の健康を守るための制度設計や政策立案に携わります。
例えば、医療制度の改革、感染症対策、医療安全の確保といった国レベルでの医療政策の企画・立案を担うなどです。
患者との直接的な接点は少ないものの、医療の専門知識を活かしながら、より広い視点で社会全体の医療の質向上に貢献できます。
公衆衛生のスキルは業務を通じて習得できて海外留学の機会もあるため、医療政策に興味があったり、マネジメント能力を活かしたりしたい学生に適しています。
第三位:公衆衛生医師
公衆衛生医師は、地域住民全体の健康維持・向上を目指す専門職です。
保健所や市区町村の衛生部門で勤務し、感染症対策、生活習慣病予防、母子保健、精神保健など、地域の保健医療行政全般を担当します。
医療技官が国レベルで活動するのに対し、公衆衛生医師は地域に密着した活動を行います。
主に、ワークライフバランスに配慮した勤務体制や充実した福利厚生制度があり、公務員としての安定性も魅力です。
地域医療システムの構築や健康危機管理など、幅広い業務に携わることができ、予防医学に関心が高く、地域社会への貢献を目指す学生に向いています。
第四位:臨床研究医
2021年に新設された臨床研究医制度は、臨床経験を活かしながら研究活動に従事する就職先です。
7年間のコースで、最初の2年間は臨床研修を行い、その後5年間は研究活動に重点を置きます。
研究時間は労働時間の50%以上を確保し、SCI論文を2本以上執筆することが求められます。
主に、大学院やナショナルセンターに所属しながら、新しい治療法の開発や臨床試験の実施など、実践的な医学研究に携わることになるでしょう。
このことから、医療の進歩に貢献したいといった研究マインドを持った学生に適した職種です。
第五位:介護施設
介護施設の常駐医師は、入居者の健康管理から急変時の対応まで、施設内の医療を一手に担います。
病院の臨床医と異なり、限られた入居者を継続的にケアできる特徴があります。
また、高齢者医療に特化した専門性が求められ、多職種との連携も重要となる職種です。
特に、認知症ケアや終末期医療など、高齢者特有の医療ニーズに対応するケースが多くなります。
介護スタッフへの医療的助言や指導も重要な役割の1つです。
そのため、高齢者医療に興味があり、じっくりと患者と向き合いたい学生に向いています。
第六位:看護師・助産師・保健師
医師免許を持ちながら、あえて看護師や助産師、保健師として働くケースも1つの選択肢として挙げられます。
医学部の卒業からこの職種に就くには、それぞれ別途国家資格の取得が必要ですが、医師とは異なる視点から患者ケアに関わることができ、より直接的な患者との関わりを持てるのが魅力です。
特に助産師は出産に特化したスペシャリストとして、また保健師は地域の健康支援者として、独自の専門性を発揮できます。
医療の中でも、患者さんとの密接な関係性を重視したい学生に適している就職先となります。
第七位:民間企業(メディカルドクター)
医学部の卒業後は、製薬会社などの民間企業でメディカルドクターとして働く道もあります。
主に新薬の開発や臨床試験の計画・実施、医薬品の安全性評価などを担当します。
医学的知識を活かしながら、ビジネスの視点も必要とされる職種です。
また、研究開発から承認申請まで、医薬品の開発プロセス全体に関わることもできます。
医療機器メーカーでの製品開発や、医療系コンサルティング会社でのアドバイザー業務なども可能です。
医療とビジネスの両方に携われるため、医学だけでなく経営にも興味がある学生に適しています。
第八位:産業医
最後に、企業で働く従業員の健康管理を担当する医師である産業医も卒業後の就職先の1つです。
定期健康診断の実施・評価から、メンタルヘルスケア、職場環境の改善提案まで、労働者の健康維持・増進に関する幅広い業務を行います。
近年、働き方改革や健康経営の重要性が高まる中、産業医で行う業務における役割は福利厚生の一環としてさらに重要になっています。
予防医学の知識を活かしながら企業の生産性向上にも貢献できる職種で、労働衛生管理に興味があり、予防医学を実践したい学生に向いているでしょう。
医学部卒業生が将来稼げる年収は?
医学部を卒業後の年収は、初期研修医(卒後1-2年目)の年収は400〜500万円程度で、一般企業の新入社員と大きな差はありません。
しかし、その後の収入上昇カーブは急激で、後期研修医(卒後3〜5年目)になると600〜800万円程度まで上昇し、専門医資格を取得する30代後半には1,000万円を超えるのが一般的です。
ただし、医師の年収には大きな幅があることも知っておかなくてはなりません。
実際、厚生労働省の調査によると、病院勤務医の平均年収は約1,470万円である一方、開業医は約2,700万円と、働き方によって約1,200万円もの差が生じています。
また、同じ勤務医でも男女で差があり、男性医師の平均年収が約1,515万円なのに対し、女性医師は約1,138万円です。
この差は、診療科の選択や勤務形態、勤務地域などの要因が複雑に絡み合って生まれていると考えられます。
医学部卒業後の将来設計においては、単純な年収の高さだけでなく、自身の希望するライフスタイルとの両立を考えることをおすすめします。
医学部で目指せる就職先で勝ち組になるのは?
医学部卒業後の就職先で「勝ち組」を定義する際、一般的には労働条件の良さが重視されます。
もし、労働条件を重視するなら、ワークライフバランスを重視できる医療技官や産業医、公衆衛生医師がおすすめです。
ただし、実際には個人の価値観によって「勝ち組」の基準は大きく異なってきます。
労働時間や休暇の取りやすさを重視する場合、医療技官や公衆衛生医師、産業医などが「勝ち組」と言えるでしょう。
比較的規則正しい勤務時間で、夜勤や当直が少なく、休日も確保されやすい傾向にあります。
特に医療技官は国家公務員としての待遇が保証され、育児との両立もしやすいポジションです。
一方で、医師としての専門性を追求し、患者と向き合う時間を大切にしたい場合は、一般的な勤務医であっても充実した医師人生を送ることができます。
確かに勤務時間は長く、夜勤や当直も避けられませんが、患者の命を救う喜びややりがいを重視する医師にとっては、それこそが「勝ち組」の定義となるはずです。
最終的には個人の価値観や人生の優先順位に応じて、自分にとっての「勝ち組」を見極めてください。
本気で医学部合格を目指すなら京都医塾
医学部卒業後の就職先は、幅広いことから多くのキャリアパスを検討できます。魅力的な就職先に就くためにまず、乗り越えるべきハードルは『医学部に合格すること』です。
そのため京都医塾では、生徒1人ひとりに合わせた独自のチーム指導と徹底的な学習環境の整備により、医学部合格への最短ルートを一緒に目指せる仕組みでアプローチしています。
以下では、主な特徴を3つご紹介します。
難関医学部にも対応!独自のチーム指導
京都医塾では、生徒1人ひとりに対して各教科のエキスパート講師が平均13人体制でチーム指導を行っています。
医学部の合格は、そう簡単に狙えるものではありません。
そのため、京都大学出身を中心とした70名以上の社員講師が、統一された指導方針のもと、生徒の現状を徹底的に分析します。
その後、月3回の教科別会議と月1回の担当者会議で1人ひとりの進捗状況や課題を共有し、最適な学習計画を立案しているため、着実に合格まで実力を伸ばすことが可能です。
数々の合格者を輩出!驚きの実績
医師としての将来を確実なものにするため、京都医塾では完全1対1の個別指導で基礎力の徹底的な底上げを図り、少人数制の集団授業では実践力を養成しています。
個人ブースでの自習環境整備により医学部入試に特化した学習時間を確保できるほか、何を・どのように・何からスタートしたら良いのかを明確にしながら学べる環境です。
遠方からでも安心!学寮をしっかり完備
全国から集まる未来の医師たちのために、京都医塾では校舎から徒歩5分という立地で、医学部合格に向けた学習に集中できる学寮を完備しています。
遠方からでも、本気で取り組みたいと考えた際には、浪人生を含めて寮での生活を続けながら学ぶ事ができます。
過去30年で医学部合格に必要な偏差値は激変し、今では最低でも62.5、最難関では72.5が求められる時代です。
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まとめ
医学部卒業後のキャリアパスは、臨床医として患者と向き合う道だけではありません。
医療技官として行政に携わったり、研究医として医学の発展に貢献したり、産業医として企業の健康管理を担ったりと、医師免許を活かせるフィールドは驚くほど広がっています。
医学部進学を考えている方は、まず自分が医師としてどのような形で社会に貢献したいのか、じっくりと考えることが重要です。
- 患者との直接的な関わりを持ちたいのか
- 研究や行政を通じて医療の発展に寄与したいのか
- ワークライフバランスをどの程度重視するのか
それぞれを総合的に検討し、自分に合った進路を選ぶことで、より充実した医師人生を送ることができるでしょう。
しかし、どのような医師を目指すにせよ、まずは医学部合格という大きな関門を越える必要があります。
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