国公立大学医学部を志望する際には、共通テストで「国語」や「社会」といった、文系科目を含めた5教科7科目を受験する必要があります。
医学部志望の受験生にとって、最大の難所は各大学の個別学力試験のため、国語や社会といった共通テストのみに使用する科目はなるべく早く・高水準に仕上げることが求められます。
そこで今回の記事では、選択肢の多い「社会」について、各科目の特徴から医学部受験におすすめの科目まで解説します。
目次
国公立大学医学部受験には5教科7科目の選択が必要
まず、国公立大学の医学部を受験する際には、大学入学共通テストにて「5教科7科目」を選択・受験する必要があります。
具体的には、国語が1科目、外国語が1科目、数学から2科目、理科から2科目、そして地理歴史または公民から1科目の合計7科目です。
国公立大学医学部は、共通テストと個別学力試験の合計点で合否を判定するため、共通テストに無策で臨む受験生は少なく、二次試験で使用しない「国語」や「社会」についても、ある程度の対策が求められます。
ただし、私立大学の医学部を志望している場合は、数学・理科・英語の3科目選択の場合が一般的なため、社会や国語といった科目の学習は必要ありません。
医学部受験生にとって、社会の選択自由度が高い
前述の通り、国公立大学医学部を受験する場合には、社会を1科目受験する必要があります。
しかし、社会は、地理・歴史(日本史/世界史)・公民(現代社会・政治経済・倫理)と、さまざまな科目があるため、どの科目で受験すると決めるかが非常に重要な選択となります。
社会の選択科目は、早い高校ですと1年次に決定する必要があります。
そのため、あらかじめ選択科目を検討しておく必要があります。
科目ごとに難易度や特徴がありますので、自分の特性に合ったものを選ぶことをおすすめします。
また、一部の大学では医学部入試に利用できない科目がありますので、あらかじめ志望校の受験科目を確認しておくことをおすすめします。
医学部受験時、共通テストの社会には何を選ぶべき?
それでは、国公立大学医学部を受験するにあたって、共通テストの社会はどの科目を選ぶべきなのでしょうか。
以下では、科目別の難易度・特徴・医学部受験生にとってのメリット・デメリットを解説します。
日本史・世界史(難易度★★★★)
日本史・世界史は、高等学校の必修科目の一つです。多くの高校では、日本史または世界史のいずれかを選択し、受講することとなります。
日本史・世界史は、共通テストにおいては、日本史A・世界史A・日本史B・世界史Bの4つの科目に分かれています。
ただし、日本史Aと世界史Aは範囲が狭いことから、国公立大学医学部の多くで受験科目として設定がされていません。
そのため、歴史を選択するにあたっては、日本史Bまたは世界史Bを選択する必要があります。
【メリット】
日本史・世界史選択の大きなメリットは、多くの高校で必修として履修をしているため、高校1年生の早い段階から準備が可能な点です。
また、「歴史」という比較的高校生に親しみのあるテーマのため、学習のきっかけをつかみやすいという点も魅力です。
さらに、日本史B・世界史Bは、ともに多くの大学で受験科目として採用されているため、受験可能な大学が多い点もメリットとして挙げられます。
【デメリット】
日本史・世界史選択のデメリットは、その学習量です。
日本史B・世界史Bは古代から近代までの全範囲が対象となっているため、膨大な暗記が求められます。
そのうえ、共通テストでもかなり細かな内容の正誤判定を求める問題もあり、超高得点を取得するのは難しい科目であると言えます。
完成までに時間がかかること、難度が比較的高いことは、デメリットとして挙げられます。
地理(難易度★★★)
地理は十数年前まで、医学部の社会選択と言えば地理である、と言わしめるほど、医学部受験における王道の社会科科目でした。
今でも、多くの医学部受験生が地理を選択し、受験に挑んでいます。日本史や世界史と同じく、地理Bの選択が基本となります。
【メリット】
地理選択の最大のメリットは、暗記量の少なさと、思考力・判断力が問われる問題構成です。
まず、暗記量が少ないことは、単純に勉強時間の削減につながります。
また、理科や数学といった論理的思考が求められる科目を中心に学習する医学部受験生にとって、ベースとなる知識から思考し、考察する問題が多い地理は、好相性の科目といえます。
【デメリット】
地理選択のデメリットは、完璧を求めづらいという点にあります。
少ない知識と論理的思考を基に、共通テスト対策をおこなうことで、およそ7割程度までは安定した得点が可能です。
一方で、高得点を狙うにあたっては、そこからある程度の時間と勉強量が求められます。
このことから、9割以上など高得点を狙いたいと考える受験生にとってはやや得点力が物足りない科目となるおそれがあります。
倫理・政治経済(難易度★★)
倫理・政治経済は、倫理、政治経済という単一科目、そして「倫理・政治経済」とひとまとまりになっている科目を指します。
政治経済と哲学、思想・宗教といった内容を扱う科目です。
【メリット】
倫理・政治経済は、ここ数年の医学部受験において最も人気の選択科目です。
一番のメリットは、暗記量の少なさにあります。
比較的暗記事項の少ない地理と同程度の暗記量で、かつ、日々のニュースで得られる情報に関連した内容を扱うことも少なくないため、学びやすい印象を持つ受験生が多い科目です。
短期間で仕上げることができるため、共通テスト対策の時間が限られている医学部受験生に好評です。
また、受験できる大学が大きく限られることがない点も安心できます。
【デメリット】
倫理・政治経済のデメリットとしては、興味を持ちづらいと感じる受験生にとってはかえって非効率になってしまうという点です。
これは倫理・政治経済に限ったことではありませんが、社会においては合う・合わないがはっきりする傾向にありますので、他科目と並行して検討することをおすすめします。
現代社会(難易度★★)
現代社会とは、科目の名の通り「現代の社会情勢」を包括的に扱う科目です。
そのため、時事問題をはじめ、経済分野・近代史といった現代社会におけるさまざまな知識が問われる科目です。
【メリット】
現代社会選択は、学習範囲が少ないというメリットがあります。
さらに、そもそも近代を中心に扱う科目であるため、まったくのゼロから学習するというよりも、すでにある社会的な常識や知識を派生・深掘りする学習が中心となるため、知識の関連付けがしやすいというメリットもあります。
【デメリット】
現代社会選択の最大のデメリットは、「現代社会選択で受験できる医学部が少ない」という点にあります。
やはり、比較的難度が低いことから、受験生内で差が付きにくい科目として判断される傾向にあり、難関大学を中心に、現代社会を受験科目として選択できない大学が複数存在します。
そのため、志望校変更などのつぶしが効きにくいこともあり、難易度の割に選択者が少ない科目となっています。
おすすめは倫理・政治経済
ここまで、社会の選択科目について、それぞれの特性・メリット・デメリットを解説してきました。
論理的な検証が得意な場合は地理、暗記量の少なさを求めるのであれば地理、倫理・政治経済、現代社会となります。
筆者としては、その中でも最も短期間で仕上げることが可能な「倫理・政治経済」の選択がおすすめです。
ただし、繰り返しになりますが、社会の選択可能科目は大学によって大きく異なりますので、あらかじめ確認をしておきましょう。
倫理・政治経済を選択するメリット
国公立大学医学部受験生が倫理・政治経済を選択するメリットを改めてまとめましょう。
①比較的短期間での完成が見込める
倫理・政治経済は暗記事項が少なく、必要な範囲を一周するのにかかる時間が他の科目よりも圧倒的に短いという特徴があります。
そのため、ある程度の完成度まで短期間で仕上げることが可能です。
個別学力試験に時間をかけるために、できるだけ短期間で社会を仕上げたい医学部受験生にピッタリの科目と言えます。
また、通しでの学習にかかる時間が短いため、繰り返し演習することで知識を深化させる学習スタイルの方にもおすすめです。
②安定した得点力を得られる
倫理・政治経済は出題傾向がある程度パターン化されていることから、得点の浮き沈みが少なく、安定した成績を得やすいという特徴があります。
共通テストの社会で大きく得点率を落とすことは、医学部受験生にとって致命的な事象です。
倫理・政治経済で安定した得点を可能にすることで、他科目の共通テスト対策や、個別学力試験対策に時間を割くことができ、結果的に合格可能性の向上につながります。
③宗教・思想といった、身近なテーマでなじみやすい
倫理・政治経済は、宗教や思想、政治、経済といった、日ごろニュースで耳にする話題が単元として扱われているため、比較的抵抗なく学習に取り組めます。
全く知らない知識を一から入れるのではなく、なんとなく聞いたことのある人物や制度、経済用語をフックに学習を始められるため、なじみやすく、学びやすい点も特徴です。
社会は適切な科目選択を行い、短期間でレベル高く仕上げることが重要
ここまで、国公立大学医学部の受験において、社会はどの科目を選択するべきかをお伝えしてまいりました。
社会は、それぞれの科目に特徴があるため、自分の得意・不得意や、大学の受験科目、科目の特性を踏まえて選択することが大切だ、ということがお分かりいただけたかと思います。
国公立大学医学部において、最大の難関は個別学力試験です。個別学力試験の対策に注力するために、共通テストでのみ使用する、「国語」や「社会」については、短期間の学習でレベル高く仕上げることが求められます。
効率的な学習をするためにも、早い段階で適切な社会の科目選択を行うことをおすすめします。
全ての選択科目に対応!医学部合格を目指すなら京都医塾
受験では、さまざまな「選択」の機会があります。
社会、理科の選択科目はもちろん、国語における漢文受験の有無など、選択科目の組み合わせパターンは非常に多岐にわたります。
しかし、選択科目の組み合わせが多いばかりに、選択科目にぴったりと合わせた指導を包括的に行う予備校が少ないことも事実です。
そのため、「一人ひとりの選択科目に合わせた指導を行ってくれる、医学部に強い予備校があれば」というお声をしばしば耳にします。
そんな受験生の皆様におすすめなのが、医学部専門予備校「京都医塾」です。
京都医塾は、きめ細やかな学習指導が特徴の、名門医学部専門予備校です。
以下では、京都医塾についてご紹介します。
開講時間内はいつでも利用可能・自習用個人ブースを設置
京都医塾では、自習時間の環境、そして充実は医学部合格のための必須条件と考えています。
京都医塾では、学習効率をアップさせるための「学習環境」の充実として、“自習用個人ブース”を設置しています。
この自習用個人ブースは、「自分だけの第2の勉強部屋」として、1人につき1部屋ご用意しています。
専用個人ブースのため、朝8時から閉館時間まで、占有利用が可能です。
ブースを移動する必要がないため、自分の荷物を置いたまま授業を受講し、受講後再度ブースで学習…と、時間の無駄なく学習が可能です。
また、ブース内で個別授業を受講することも可能です。メリハリのある自習時間を過ごすことができる、と受講生から大好評の設備となっています。
入試直前期も質問OK! 常駐講師がいつでも質問対応
京都医塾の強みとして、いつでも質問が可能な環境が挙げられます。
京都医塾は、大学生チューターではなく、「医学部受験のプロ」であるプロ講師が質問対応を行っています。
そのため、回答に時間がかかることなく、疑問点の即時解決が可能です。
苦戦している単元がどうすれば解けるようになるのかなど、本格的なアドバイスも可能です。
また、プロの講師が質問対応を担当している強みとして、受験直前期でも対応可能な点が挙げられます。
難度の高い問題であっても、プロ講師から即座に回答が得られるため、入試直前期であっても学習効率を落とすことなく対策が進められます。
精神面もしっかりサポート・有資格者によるメンタルケアを実施
受験勉強中の精神的な負荷も、京都医塾ではしっかりとケアを行っています。
京都医塾では、受験生の精神面をサポートするために、メンタルケアのエキスパートが常駐しています。
希望者へのカウンセリングだけでなく、面談時や授業で様子が気になった場合には、有資格者による本格的なメンタルケアを受けることができます。
不安感から精神的な負荷を感じる前に、専門家によるケアが受けられるため、安心して学習に取り組める環境となっています。
まとめ
社会の科目選択は、早急な判断が求められる一方で、判断材料が少なく、あとからの変更がしづらい点が厄介です。
そのため、さまざまな情報を基に多角的、かつ早急に判断し、他の科目との学習のバランスをとりながら、入試対策を有利に進めましょう。
また、記事を読んで、京都医塾についてもっと知りたいと思われた方もいらっしゃるかと思います。
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京都医塾では、指導方針や授業の内容にご納得いただいたうえで、初めてご入塾の検討をしていただきたいと考えています。
そのため、この『一泊二日医学部合格診断』を通じて、京都医塾がどのような予備校なのかをしっかりとご説明し、授業体験を通してどのような予備校生活となるのかをイメージいただければと考えております。
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ぜひ、多くの方にご参加いただければと思います。どうぞご検討ください。